中皮腫・じん肺アスベストセンター

 中皮腫・胸膜プラークの患者が8名いたことが判明したため、大田区では「健康調査」を行います。
 1月26日(水)大田区が開催した健康調査説明会に出席しました。

 中皮種・胸膜プラークはアスベストを吸い込むことが原因でおきる疾患であるといわれています。
 今回、東京労災病院で見つかった8名の患者さんたちは、アスベストを取り扱う仕事をしていなかったこと。住所が一定の地域であること。過去にその地域にアスベストを取り扱う工場(旧宮寺石綿工業/ミヤデラ・現在の㈱ミヤデラ断熱)があったことから、環境による被害者である可能性が高く、区として健康診断をすることを決定しています。

 区では
①アスベスト工場のあった場所を中心に半径1㌔の地域に昭和63年以前(ミヤデラ)にも住んでいた方をなどを対象に問診と胸部レントゲン検査、およびCT検査などを行います。
②また、アスベストの専門医師や呼吸器系の医師を中心にした調査会を設置し、今後の対策について検討していきます。

 説明会では、
◆検査病院が東京労災病院に限定されることから現在住んでいない方が検診しやすいようにして欲しい
◆検査期間が2月1日から3月7日までと短いことから延長して欲しい
◆現在は大丈夫だとしても、5年、10年先に大丈夫であるといえるのか。
 5年、10年後の検診も区はするのか
などの要望が出されていました。

 区は、出された意見・要望を持ち帰り、検討するといっています。

 今後、区が行う問診や健康診断によって、更に被害の状況などが明らかになっていくと思われます。
 一人でも多くの被害の恐れのある方の検診や情報提供が、被害者の更なる掘り起しと原因の究明につながっていきます。

 尼崎市でクボタによるアスベストの被害においても、当初はNPOなどが調査に入った後、環境省による詳細な疫学調査が行われ、アスベスト被害の様子が次第に明らかになっていきました。

 今回、区では、疫学調査を区が行う予定は無いとしていますが、疫学調査を行わなければならないことは明らかです。当然、専門家による調査会が開催されれば、そこから疫学調査を行うことが決定されると思われますが、区としても、また、区議会としても、環境省に対し疫学調査の要望をしていく必要があります。

 ㈱ミヤデラ断熱が、いつどのようなアスベストをどのくらい取り扱い、どのような作業をどんな環境で行ってきたのかといった情報は、当時働いていた方や周辺住民などの情報とともに、㈱ミヤデラ断熱の企業からの情報が非常に大きな割合を占めていきます。
 現在のところ、ミヤデラ自身が情報を公開するといったことをしていませんが、今後はミヤデラという企業の社会に対する責任への姿勢も問われていくことになります。

 クボタを擁護するつもりは全くありませんが、クボタがアスベストの問題で評価されるとするならば、企業自らが公表に踏み切ったことでしょう。
 そして、その後、クボタは、アスベストに関する情報をきちんと示し、最終的には、補償もしています。

 勇気あるねばり強い市民の執念とも言うべき努力とそれを支える支援者無しには、もちろん勝ち得なかったことであると思います。
 
 大田区にはミヤデラ以外にも多くのアスベストを扱う企業があり、過去に操業を続けてきました。

 既に、労働災害による被害者がいると国が公表している企業だけでも8社になります。
 
 一地域の一企業の問題として終わらせるのではなく、過去に、諸外国ではその有害性が指摘され次々と使用禁止になっていながら、国として使用を容認し(アスベスト全面禁止は2004年)、企業が使用してきたという事実に私たちは向き合わなければなりません。


なかのひと