7月23日に報告した下丸子都営アパートの違法性の疑いあるアスベスト工事の件については、住民が弁護士を通じ、疑問点について書面で回答を求めています。

書面では、7月26日に、書面の回答についての懇談も要望していましたが、大田区より、以下の主旨の回答があったと住民より連絡がありました。

大田区回答

通知書というのをいただいた件。明日の件は今後の工事の方法等、業者側からまだ検討中ということで確認できていない。当然事前にそういった情報を得て必要あればこちらの方が指導する役割があるということは十分認識しているが、まだその段階でないので要望にはお応えしかねる段階。そういうこともあり、明日
もちょっと。今後いただいたご質問事項、通知書にかかわることについては書面で回答させていただきたい。そうした内容も確定した時点で回答させていただきたいと思うので明日は伺わない。

(だいたいいつごろ見通しは?)

検討中は申し訳ないが業者に催促するわけにもいかず、多分こういう状況をうけて検討してるのかと思うので事前にこちらに情報提供してもらって必要あればこちらも注意をする役割がある。催促するわけにはいかない。

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違法の可能性について指摘している飛散性アスベスト=レベル1の天井封じ込め工事は、すでに一部、終了しているにも関わらず、大田区は、業者から検討中ということを理由に回答もせず、また、7月26日の懇談についても断ってきました。

◆大田労働基準監督署と大田区に労働者や区民の健康をアスベスト被害から守れるか◆

アスベストから労働者の安全と健康を守る立場にある「大田労働基準監督署」と区民の安全と健康を守る立場にある「大田区」は、工事開始前に重ねて指摘されてきたにもかかわらず、工事開始を認めました。
その後も業者の検討中という言葉を伝言するのみですが、「大田労働基準監督署」と「大田区」がなすべきは、業者の見解を伝聞することではなく、工事内容を業者に確認し、法令を遵守したアスベストを飛散させない工事であるかどうかを確認することです。

果たして「大田労働基準監督署」と「大田区」に、労働者と区民の健康をアスベストばく露から守ることができるでしょうか。

◆ずさんな予算計上が安全性を軽視させていないか◆

この件での、直接の発注者は東京都住宅供給公社ですが、施工者は業者になります。
一般に、アスベスト工事の責任は施工者にありますが、工事を発注したのは東京都住宅供給公社です。

それでは、このアスベスト工事の安全性についての責任の所在はどこにあるのでしょうか。

安全な工事には、コストがつきものです。

飛散性アスベスト対策を講じれば、負圧、集塵機、前室設置などの費用がかかります。
私は、アスベスト対策を講じるための予算が、東京都住宅供給公社の予算書や、東京都が東京都住宅供給公社に発注した発注仕様書に掲載されているものと考え、予算の積算根拠書類を開示請求しました。

ところが、結果は、不存在。
長い間前年同額で計上してきており、積算根拠書類までさかのぼれなかったというのが理由で、アスベストの使用されている天井に係る工事にも関わらず、アスベストがあっても無くても同じ金額で計上していたということです。

東京都の都営住宅改修工事に関る予算計上がいかに「どんぶり勘定」で行われているのかと大変驚きました。

仮にアスベスト対策費用が計上されていなければ、アスベスト対策を講じる工事を行おうという力はどこにも働きませんし、逆に、アスベスト対策をしないようにするかもしれません。

一方で、アスベスト対策費用が計上されているなら、計上されているにもかかわらず、対策を講じようとしていないのですから、計上した費用は東京都住宅供給公社に内部留保されることになります。