大田区都市計画審議会は、いま、会長不在。会長代理によって運営されています。大田区のまちづくりが大きく動こうとしているこの時期だから、都市計画審議会についてのレポートします。

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昨年11月7日付で大田区の都市計画審議会会長の退任届けがあったそうです。

期の途中の辞任は、そうあることではありませんから、体調などが理由で有れば、本当に心配です。

谷口会長は、私が議員になって4年間、都市計画審議会の委員を務めていたときの会長でもあります。
審議会での審議内容を答申にできる限り反映させようという姿勢や見識の深い審議会運営が印象に残っています。区長からの諮問に対し、「適当である」といったシナリオ通りのシャンシャン審議会ではなく、言うべきこと、課題、問題を指摘し、よりよい都市計画のための諮問機関としての役割を果たそうという審議会運営の姿勢を感じました。

その時期、都市計画審議会では、東京都が、環境アセスメントに必要な面積にわずかに欠ける面積の土地を売却しているために、環境アセスメントの必要ない産業廃棄物処理施設が次々諮問されていたのですが、諮問に際し、審議の場で、事務局に休憩を促し、審議での意見をまとめ付帯意見を事務局に作らせたこともありました。
それにより、個々の施設の環境影響だけでなく、全体としての環境影響に配慮することが必要といった趣旨の意見を付帯することができました。

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そもそも、都市計画審議会というのは、都市計画に関する事柄は、都市の将来を決めるもので、区民生活へ大きく影響を及ぼすものなので東京都から意見を求められた場合や、大田区が決める場合に、区だけで決めずに、意見を聞く場となっています。

その大切な審議会の会長が、昨年の11月7日付で突然辞任されたわけです。

辞任は突然のことで、辞任後の11月12日の都市計画審議会において事後報告されました。

谷口会長の辞任を受理した大田区は、谷口会長が小西委員を会長代理にお願いしたいという意向があったことを理由に、11月12日の都市計画審議会において、幹事(大田区の職員)が会長の職務代理を小西委員にお願いしています。

2013年11月12日都市改革審議会議事録(P2)
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/machizukuri/toshikeikaku/toshi_shingikai/gaiyou.html

そこで、ちょっと気になったので、大田区の都市計画審議会条例を調べてみました。
条例には、次のように書いてあります。

(会長)
第4条 審議会に会長を置き、第2条第1項第1号の委員のうちから、委員の選挙によりこれを定める。
2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
3 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

会長は、選挙で選ぶ。会長に事故が有る時は、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。ということです。

そこで、更に、議事録を調べると、

2012年11月1日の議事録に、会長選挙と職務代理指名の記録がありました。

http://nasu.seikatsusha.me/files/2014/02/20121101-00gijiroku.pdf (P9)

(抜粋)

【谷口会長】 ・・・・・それでは、引き続きまして、会長の職務代理の選出を行いたいと
        思います。選出に当たりまして、事務局からご説明をお願いいたし
        ます。
【西山幹事】 大田区都市計画審議会条例第4 条第3 項の規定におきまして、
        「会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその
        職務を代理する」と規定されているところでございます。
【谷口会長】 ありがとうございました。ただいま事務局から職務代理の指名に
        ついて説明がございましたが、会長の職務代理につきましては、本
        日はご欠席ですが、中井委員にお願いしたいと思いますが、いかが
        でございましょうか。
        (「異議なし」の声あり)
【谷口会長】 ありがとうございました。では、中井委員を会長の職務代理とし
        て決定させていただきます。

ところが、2013年11月12日の議事録には
【西山幹事】本日の会議の進行につきまして、都市計画審議会条例第4条第3項の規定
        によりまして、 「会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその
        職務を代理する」と規定されているところでございます。ついましては、本日の
        会長の職務代理でございますが、谷口会長より、小西委員にお願いしたいとの
        ご指名を承っているところでございます。
         条例の規定に従いまして、本審議会の会長代理につきましては、小西委員に
        お願い申し上げ、本日の議事進行を進めてまいりたい考えております。
         それでは、小西委員、会長席の方に席の移動mのほうをお願いいたします。

 
私が気になっているのは、なぜ、大田区都市計画審議会の中で、中井委員を会長の職務代理として決定していながら、審議会の外での発言、あるいは文書で、中井委員ではない、小西委員に職務代理をさせているのかということです。審議会で決定したことを、口頭、あるいは文書があるのかもしれませんが、変えているわけです。しかも、委員に諮ってもいません。

また、谷口会長は11月7日に辞職願を出していますが、なぜ、辞職前?後?に審議会で諮った決定事項を変えたくなったのでしょうか。条例にあらかじめとあるから、たとえ、都市計画審議会で指名したとしても、口頭あるいは、文書で前もって会長が指名したということなら、好きに変えられるという運用をしているわけです。

ちなみに、会長辞任の都市計画審議会後に、2012年に職務代理の指名を受けた中井委員に会ったところ、谷口会長の辞任をご存じなかったと話されていたそうです。となると、2013年11月12日に中井委員は欠席でしたが、小西委員を代理としたのは、中井委員の欠席が原因でもなさそうです。

いずれにしても、「あらかじめ」というのは、不測の事態を予測しているから、前もってという意味であり、だからこそ、2012年11月1日に職務代理を決めているのではないのでしょうか。

いったん決めた職務代理を変更してしまった理由、気になります。

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細かいことだと言われるかもしれませんが、大田区がHPで区民に公開している通り、「都市計画は都市の将来の姿を決定するものであり、区民生活へも大きく影響を及ぼします。」から、行政だけで判断するのではなく、学識や議員、区民などの審議を経る。都市計画審議会というのは、非常に重要な役割を担っています。

しかし、一方で、たとえば、ウィキペディアに、

現在、都市計画審議会は、「都市計画決定」を行うために欠かせない審議会として機能している。メンバーは、条例により、学識経験者、議会の議員、関係行政機関の代表、および住民の代表で構成されている。しかし、委員を選任するのは地方公共団体の首長であり、その点で行政の意向が通りやすいという問題が指摘されている。都市計画決定をどのように行うのかは、今後の日本都市計画に課せられた重要課題の一つである。

とあるように、行政の意向が通りやすい場であるという指摘もあります。

だからこそ、法令に定められた趣旨を十分に理解し、手続きを遵守することが重要です。

まちづくりの仲間に聞いても、「めったに無い」都市計画審議会会長の期の途中での辞任は、谷口会長の体調の心配とともに、いま、私が気になっていることです。

ただ、少しほっとしているのは、辞任届をお出しになったのちも、何度か大田区役所に足を運ばれていると職員が言っていると聞いたことです。

会長辞任の届け出後も、大田区役所に足を運んでいただけるくらい、お元気でいらっしゃると聞いて、本当に良かったと思っています。