羽田空港跡地を「国家戦略特区」拠点にする構想が政府内に浮上している、という報道が(8月19日)付けでありました。
7月28日には、国家戦略特区として京浜地域の医療特区の報道があり、大田区もその区域に入る可能性が示唆されていましたが、それに続く報道です。


 

TPPの既成事実化、国家戦略特区      ~外堀を埋める形で進む規制緩和~
報道

大田区議会では、担当委員会においてさえ、議員が質問しても担当部課長は一切答えない国家戦略特区ですが、報道機関にはその一部を切り取り情報を提供し、申請への準備は着々と、これまでに無いスピードで進んでいます。
法整備に選考した事業者募集
根拠法も制定されないなか、政府の諮問機関的位置づけの国家戦略特区ワーキンググループにおいて、民間からの規制緩和策を提案させ、事業目的も事業者主導で作られています。
根拠法を議会で議論する前に、マスコミへに情報提供しながら民意の形成に大きな影響を与え、規制緩和メニューの作成も民間事業者が大きく関与しながら事業者募集をスタートさせ、と、外堀が埋め立てられている状況です。
国家戦略特区がTPPの既成事実化なら、この既成事実を作りあげる手順もまた、周到に、進められています。
総合特区制度を活用した金融・財政・税制緩和による施設整備
この外堀を埋める作業としてもう一つあげるなら、総合特区制度を活用した、全国7区域における設備投資でしょう。 特に、東京都が申請しているアジアヘッドクオーター特区は、特区の目的そのものが、外資の呼び込みのための環境整備という施設整備。 箱を作って、お終いというわけにはいきませんから、「何をするか」というその何かの提案は、このアジアヘッドクオーター特区を中心としたこの国際戦略特区から出てくるでしょう。
米韓FTAをたどりながら
立教大学 郭洋春 教授 から、米韓FTA締結後、韓国では空港近くにアメリカ資本による大規模な高度医療施設が整備されてきたということで、最近になって、韓国大手企業も参入を希望しているという話を聞いていたのですが、7月28日の川崎などとの区域連携による医療特区がこれにあたるのでしょう。
ところで、
現在、羽田空港にからみ、神奈川口構想と言って、空港から、直接、川をこえ、神奈川県側に抜けられる道路を整備しようという動きがあります。
   
大田区としては、神奈川県に人やものの流れをとられてしまうわけですから、政治的には大きな問題です。
しかし、一自治体の論理だけでなく、空港周辺のインフラの活用を考えれば、この神奈川口構想は、一自治体の利害関係の理屈だけでは通らない問題です。
今回の、神奈川との国家戦略特区へのお招きは、「産業交流施設」といいながら、具体策がいまだにみつからない大田区にとっては、国際戦略特区が国家戦略特区という国際競争力強化に昇格するわけで、たすかったというところでしょうか。
区域の広域化
この、神奈川県の川崎市・横浜市という政令市と東京都大田区という基礎的自治体を区域とするという報道からも、今回の国家戦略特区が「バーチャル特区」という言葉に代表されるように、これまでの区域指定とは変わってきていることがわかります。(国際戦略特区に置いて、名古屋・関西においては都道府県をこえている)
この区域の広域化、あるいは地図上の区域にこだわらない考え方は、特区という範疇を超えた新たな概念のもと行われているとも言えます。
そして、それは、日本全体に規制緩和の影響が及ぶ可能性がより大きな特区になっていることを表しています。