シルバー産業新聞11月号の原稿です。

 今回は、視察前に仕上げなければならず、出発前夜に書いて、提出したのですが、どうしても気に入らず、行きの飛行機の中で書き直し、視察先から訂正分として送りました。
 
 CSRについては、2か所で視察していますので、こちらの報告もお楽しみに。

CSR(コーポレイト・ソーシャル・レスポンシビリティー=企業の社会的責任)という言葉を頻繁に耳にするようになっている。
 企業の社会的責任といっても、その定義は様々だ。
 
 社会責任コンサルタントの斎藤槙さんは、その著書「社会起業家」(岩波新書)のなかに、共通認識として次の項目をあげている。
1人々の健康や安全を保障する
2社会の改善や生活の向上に貢献する
3環境保全に努める
4不正を行わず情報を開示する
5差別のない安全で衛生的な労働環境を提供する
 
 アメリカでは、社会的責任を果たす企業に対する投資(SRI)が、全投資の11%に達している。
 現在、私たちの社会が抱えている問題=環境・労働・都市計画・国際紛争・政治等々の多くは、何らかのかたちで経済活動と係っている。そして、それらの問題を経済活動の主体である企業の協力無しに、政府や自治体だけで解決することは非常に困難になっている。
 
 「ひとにやさしいまちづくりの会」の基本的な姿勢は、私たちの身のまわりにある問題に気付き、それを解決していくことだ。そして、これまで、何度もお話ししているとおり、私たちの活動だけでは限界があるため、行政・企業・他のNPOなどとの連携を試みてきた。
 前回の連載で、大森バリアフリー点検の結果みえてきた問題を解決するために、交通バリアフリー法の基本構想の策定を目指すと書いた。それは、交通バリアフリー法の基本構想を策定することにより、事業者への拘束力が生じるからだ。
 私たちがいくら不便を感じていても設置されないエレベーターが、次々と設置されているのも交通バリアフリー法という法律で拘束しているからだ。この場合は補助金がついているのも大きいが。
 
 確かに、企業を法で拘束し、問題解決するのも有効な手段だが、全てを法で規制していくことは出来ない。
 社会問題解決のための、企業の自主的・主体的な行動を促す推進力となりうるCSRに期待を寄せている。
 
 今年6月に「やさしいまちづくりの会」は、『地域におけるCSRの可能性』と題した学習会を開催した。
 社会的責任は、勿論、企業にのみ望むべきものではなく、企業以外の主体も、また、私たちひとりひとりもが自覚をもって行動することで、大きな力を発揮出来ると信じている