フラマン政府のCSRへの取り組み


【フラマン政府】
 
ベルギーは、フラマン、ブラッセル、ワロンの3つの自治体に大きく分けられます。そのなかのひとつ、フラマン政府が、自治体としてCSRに取り組んでいるため、ベルギーのブラッセルに所在するフラマン政府を訪れました。
日本語では、「フランダースの犬」という物語から、フランダース地方といったほうが、馴染みがあるかも知れません。

フラマン政府のCSRへの取り組みは、2000年3月のリスボン欧州サミットに端を発します。欧州の経済・通貨統合。ユーロの導入により、物流統合のみならず通貨の流通が広がり、企業は欧州域外に対する競争力の向上を求められるようになりました。こうした背景から、リスボン欧州サミットで、2010年までに欧州を世界で最も競争力のある地域にするという目標が掲げられました。
フラマン政府は、このリスボンサミットで掲げられた目標を受け、国際競争力を持った企業の育成と、グローバルビジネス環境の整備からCSRに取り組んでいます。

国際競争力をつけるためには、経済に付加価値を与えなくてはなりません。
フラマン政府は、人間を、環境や経済の中心にすえた新しい価値観を構築しようとしています。そして、その価値観の構築と普及のためには、企業を重要な役割を持つ主体として位置づけています。
新しい価値観の構築においては、企業が重要な役割を持っているわけですが、そのため、企業に対して
①伝統的な価値から離れること
②社会的責任をうったえること
③持続可能な発展のための役割を担うこと
④社会に対して責任を持つこと
といった役割を掲げています。
 これらの役割は、単に株主対してのみではなく、企業の利害関係者全てに対して負うものであるという但し書きがついています。.

具体的な目標として
① 経済の問題と社会の問題を調和し共に取り組む
② 労働市場に新しい雇用機会を創出する
③ 差別をなくす
④ 教育研修の機会を提供する
⑤ 企業の利害関係者の管理能力を高めるよう奨励する
などがあります。

 当初は、様々な人や団体の意見を聞き、次の段階としてルールを作るという方法をとりました。
フラマン政府は、社会における、企業の役割を考えてもらうのが政治的な役割であると考えているそうです。こうした取り組みを通じ、ビジネスの行動を変えることを最終到達点としています。
フラマン政府はベルギー連邦政府に対して影響力があり、ベルギー連邦政府はEUに対する影響力があります。フラマン政府の取り組みは、ヨーロッパ全体の動きでもあります。
ふたりのフラマン人が集まればNGOが一つ出来るといわれるほどに、意識が高く結束力がある国民性を持つのがフラマン地方です。
フラマン地方は、経済的に豊かです。豊かであれば、人間は新しいものを追求します。新しいもの、新しい価値観、それを擁護するNPOが必要になるわけです。NPOの活動が盛んな理由は、こうしたところにあるのかもしれません。
国民性の違いを感じるという問いに対し、持続可能性に対する意識は高いが、それを実行に移す人が少ないのは日本と同じであるといいます。
こうした新しい要求(=NPOの活動)を受け止める体制がフラマン地方は出来ているところが違うかもしれません。

 フランダース政府は、2005年スタートを目標に、情報の提供、透明性の確保、新しい機会の検索、情報交流の活性化を可能にするCSR情報センターを作ろうとしています。