今、大田区に求められる待機児対策【3】

 子どもを持ちながら就労を継続させたいという願いにこたえなければ、少子化はさらにすすみ、労働力率も一層下がっていくでしょう。
 一旦仕事をやめ正規雇用で再就職することがどれほど困難かは、私たちも良く知るところです。

 そこで出てくるのが保育園の設置基準の緩和です。
 国基準が都市部の保育園設置を阻害しているから、緩和して高まる保育需要にこたえるために国基準を緩和し保育園設置を進めようといういうのです。

 しかし、東京では、既に、認可基準を緩和した認証基準での保育園設置が進んでいます。さらにその基準も下げるということです。

 また、高まる保育ニーズに保育園がすべて答えていけば、子どもの総数は減少が予測されているため近い将来幼稚園が定員割れを起こす可能性があります。
 
 今、働きたいという要望にこたえるために、何をすべきでしょうか。

    *2.保育環境の確保と優先順位
       ①国基準緩和は最優先されるべきか
     3.保育園のフレキシブルな運営と設計
       ①年齢別保育による硬直した保育所運営    
     4.長期的・戦略的視点にたった子育て支援計画 

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 2つめは、保育環境の確保と優先順位の問題です。

 都市部の待機児対策と地方主権を盾に保育園の面積基準が緩和の方向で進もうとしています。こども一人当たりの面積や保育士の数、勤務形態、資格の有無などが認可保育園の基準になっていますが、これらの存在が、保育園の新設を阻み、待機児が解消されないというのが、主な論点のように思います。

 今回の大田区の待機児対策も、「認可保育園」「認証保育所」「グループ保育室」「保育ママ」・・・と、こどもひとりあたりの設置基準も税金投入額も異なる4つの形態で待機児対策を行うとしていますが、345人の定員増のうち2/3の230人は国基準以下で定員増を行っています。
 しかも、認可保育園に入れるのか入れないのかは、緊急度や働き方、収入などよりもその地域の待機児の数に左右されるという非常に不公平な実態があります。

 保育園の定員増が望めないから保育園の国基準を撤廃すると言い、大田区でも国基準以下の保育施設による定員増が進んでいますが、果たしてその通りなのでしょうか。

国基準よりさらに良好な保育環境で保育している都市部の実態
 待機児問題が都市部特有の問題であることは周知の通りですが、時事通信社が昨年12月に行ったアンケートにより、その、待機児問題の深刻な23区中21区、政令市18市中7市が国基準より広い面積を実際には最低基準としていることが判明しています。

保育のダブルスタンダード、トリプルスタンダード・・・
 国基準を守っていたのでは保育園を設置できないから、国基準を緩和しさらに環境水準の低い保育園を設置しようというのが今の日本のながれですが、実際には、都市部のかなりの公立保育園で国基準より良好な環境での保育が行われているのです。
 しかも東京都では、国基準より低い認証保育所の基準を緩和し、さらに子どもたちを詰め込もうとしていますがもってのほかです。

 
なかのひと