「大田区都市計画審議会」の審議

 賛成・反対が大きく分かれている糀谷駅周辺の再開発ですが、再開発のための都市計画決定について「都市計画審議会」が開催され、容積率建ぺい率や道路の変更についての審議が行われました。

 「都市計画審議会」は、都市計画法により設置されている区長の諮問機関で、都市計画に係る決定などの際、区長から諮問を受けて審議を行い、区長に答申します。

 審議会の委員は、学識経験者、区議会議員、区民又は東京都若しくは関係行政機関の職員などから構成されています。

 私は平成15年に議員になって以来5年、継続して都市計画審議会の委員を努めています。この間、都市計画審議会が諮問を受けた主な議案には、

・城南島の産業廃棄物処理施設の建設
・大森西の地区計画(住宅密集地域の共同化を促す)
・洗足池周辺の地区計画(高さ制限を行い地域環境を守る)
・田園調布3丁目の地区計画(最低敷地面積、地下の制限、共同住宅の制限、緑化)
・公園の設置など

などがありました。

 都市計画は、公共性に大きく係ります。同時に、区民生活に大きな影響を及ぼすとともに、私有財産にも係る問題です。
 そのため、用途地域を都道府県が一定期間ごとに見直すなど行政主導で行われてきた都市計画が、住民発議で地区計画を策定できるようになるなど、市民主体に変わりつつあります。

 東京都や大田区のHPには、「都市計画審議会」の位置づけを下記のように説明しています。
 
 都市計画は、都市の将来の姿を決定するものであり、区民生活へも大きく影響を及ぼします。このため、都市計画を定めるときは、行政機関だけで判断するのではなく、学識経験者や区議会議員、区民、関係行政機関の職員などから構成される審議会の調査審議を経て決定する こととなっています。
 
 1月11日(金)に、都市計画審議会で議案としてあがったのは、京浜急行糀谷駅の駅前再開発に係る容積率・建ぺい率の変更や道路・駅前広場の位置の変更です。
 
 駅前の住宅密集地域を、共同化し高層化するとともに道路の変更を行い、駅前の交通機能を充実させるとともに防災の機能を向上させようというのが今回の「再開発」です。
 住民は、現在の持分に応じ(地権者・借地権者・建物所有者など)再開発によって建設された新しいビルの床面積を取得します。
 建設や移転・再入居に伴う費用は、再開発の際に建ぺい率・容積率をあげることによって新たに生まれる床面積の売却などの費用によってまかなわれます。

 委員会では、行政の担当者から、都市計画変更に至る経緯と都市計画変更の内容についての説明があり、その後、委員から意見が延べられました。

◆主な質問・意見は次の通りです。
・再開発そのものには反対ではないが、住民に十分に対応してきたのか
・(現在の土地・建物と取得する床の)変換率はどの程度なのか
・ただで建替えられるなどと言った甘いことばで住民に説明してきたのではないか
・賛成者の情報を開示すべき
・移転を余儀なくされる住民が出る
・2/3の賛成者がいての都市計画変更なのか
・地域の賛成の目安は人数なのか面積なのか。土地所有者・借地権者などはどうか
・再開発という国が一律に定めた施設を設置することで補助金を得て行う事業で、糀谷のまちの問題を解決できるのか。地方分権の視点からも問題
・準備組合には一億円以上の区の税金が既に投入されている。研究会から準備組合になる時点で区は、再開発を行うことを前提に進めてきた。準備組合設立前にもっと十分な住民説明を行うべきだった
・再開発による重要なまちづくりとは何か
・土地と言う減価償却しない資産を建物という減価償却する資産に変換することへの区民の反対は理解できる
・再開発実行の区の決意はどうか
・準備組合とはどのような経緯でできたのか

◆区は、糀谷駅を地域核として捉えており、交通の結節点として重要であると野認識から、この再開発は行うべきであるといっています。
 しかし、
・変換率についておよその変換の目安は示しているが、実際にどの程度になるかは、所有不動産の面積などに係るため、再開発決定後でなければ、関係者に示されない。
・再開発に2/3は要件だが、今回は都市計画決定であり、2/3の要件はない。しかし、土地所有者の59%の賛成を得ている。としながらも、・現在の時点での賛成者の情報も、個人情報であり開示はできない
とするなど、再開発の進め方の問題点も指摘されました。

 最後に委員長から、「賛成・反対はあるが、進めるべきと考える。意見を付したうえで採決をとりたい」との申し出があり、委員全員に了承されました。
 最後に委員長がまとめられた意見は次の通りです。
 再開発により、高度化・高密度化することで全体の床面積が多くなり、結果として一人当たりの床面積が多くなる。東京は、高密度な都市社会をつくる必要がある。しかし、少子高齢化を迎え、福祉の視点も取り入れていかなければならない。高齢者やこどもへ、また、生活再建への配慮をする必要がある。情報提供など不十分だったが責任をもって遂行するよう求める。


なかのひと