建物を建築する際には、建築基準法という、建築物の最低限の基準を定めた法律を守らなければなりません。
 
 建築基準法は、その建物が、法令を守って建てられるかどうかを、自治体(区市町村)の建築主事または指定確認検査機関(民間検査機関)がチェックすることを定めています。
 このチェックを受けるために必要な手続きが「建築確認申請」です。

 建築確認が済むと着工となりますが、大田区に建設をしようとしていたマンションの建築確認を民間の検査機関がおろしましたが、それに不服だった住民が、大田区の建築審査会に審査請求を行ないました。
 
 審査請求のうちの日影についての主張を認め、大田区の建築審査会は、3月20日に民間検査機関が行なった建築確認を取り消しています。

 審査請求の請求代理人である弁護士は、
 「ここのところ,私が担当した審査請求案件は次々と取消となっています。
そもそも確実に違法事由があるものだけを選んで審査請求を起こしているのではなく,近隣から,とにかく争ってほしいと言われて審査請求を起こして,そのうち7,8割ぐらいが取消というのがここ2年ほどの実績です。
 ということは,確認の大部分はそもそも何らかの見落としがあり違法だというのが実態と言うこと」
 といっています。

 大田区の建築審査会への審査請求の件数は、平成16年は1件でしたが平成17年には5件、平成18年には7件とその件数が増えています。
 これらの審査件数の結果にはならず、以前からの申請件数も含まれてしまいますが、平成16年から18年までに、3件の請求が認められています。

 請求人からの取り下げが1件。請求にあたらない却下が3件。棄却4件に対して3件の請求が認められているという現状は、請求にあたった弁護士の感想(確認に何らかの見落としがあり違法だと言うのが実態)が理解できる結果でもあります。

 耐震偽装の問題は、建築確認が、構造計算において十分なチェック機能を持っていないことを私たちに知らせてくれたわけですが、こうした、審査請求の傾向は構造計算に留まらず建築確認そのものが機能していない可能性を示しています。