耐震偽装を受けて、すべての新築住宅の売主に、欠陥補償のための保険加入または保証金の積み立てが義務付ける「特定住宅瑕疵担保責任履行確保法」が成立しました。
 これにより、2009年秋までに、新築住宅(戸建・集合住宅)の柱や屋根などの欠陥に対し売主は10年間補償を追うことになります。
 
 「特定住宅瑕疵担保責任履行確保法」

 耐震偽装の問題解決に、政府は、大きく3つの課題を示しました。
  
①偽装を見逃した民間確認検査機関・行政の問題
②建築士の能力・職業倫理観の問題
③売主の瑕疵(かし)担保責任の問題

 ①の偽装を見逃した民間確認検査機関・行政の問題は、
   建築基準法を改正することにより(2007年6月20日より)
    ・第三者機関を認定し、民間確認検査機関や行政が確認した構造計算書を
     二重にチェックする仕組みを作ること
    ・三階建て以上の共同住宅に中間検査を義務付けること
  などによる対策をしています。

 ②の建築士の能力や職業倫理観の問題は、
   建築士法(2008年12月施行)を改正し
    ・専門性を高めた「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」を創設
    ・建築士に定期講習を義務付ける
   建築士の資質を高めることで解決しようとしています。

 今回の、「瑕疵担保法」は、最後に残された、売主の瑕疵担保責任を明確にするものです。
 これまでも、欠陥住宅の保険はありましたが、加入が義務付けられていなかったため、全ての住宅の欠陥について補償されませんでしたが、これにより、欠陥住宅を購入した被害者が二重ローンを支払うことが無くなります。また、売主が倒産しても、住宅購入者は保険法人から直接保険金を受け取ることが出来ます。
 欠陥が犯罪などの故意・重大過失によるものだった場合には、保険料の一部別の基金に積み立てるが、そこから補修や建て替え費用にあてることになります。

 試算によれば、保険料は、1600万円の戸建住宅で8万円。20戸入居のマンションで4万円。

 一般に保険は、リスクに応じ保険料率を算定しますが、住宅の金額などによる保険料算出のようですから、欠陥住宅を売却した事業者と優良事業者との差別化は、今後の大きな課題ではないでしょうか。

 今回成立した瑕疵担保責任法は、欠陥住宅購入者の救済としては有効ですが、保険料も購入価格に転嫁され、結果として住宅購入者が、保険料負担をして欠陥住宅購入のリスクを回避するだけでは住宅の質の改善につながりません。
 
 「建築革命」〔五十嵐敬喜+耐震偽装から日本を立て直す会 編著 建築ジャーナル〕などで指摘されているように、現在の建築確認から建築許可制への抜本的な改正が求められます