決算特別委員会より

写真の棒グラフはおおよその建物に閉める公共使用部分(青)と民間使用部分(赤)の割合・北開発用地に占める交換土地の評価額と補正予算のおおよその割合
「大森北一丁目開発の問題について(質問全文)」:実際のやり取りとは異なります

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土地交換は、公用・公共用目的だったからこそ、大田区の土地交換条例に従って、議決を必要とせずに行うことができたのです。それが今では公用・公共用使用が2割をきっているのです。

 今回の代表質問の答弁で、大田区は、建物を民間が建てる理由=つまり区が建設し建物を区の所有としない理由を、自治法上、区の財産を民間に貸し付けられるのは余裕がある部分にしか認められていないから、区では建てられないのだという主旨の説明をしています。
 民間使用部分は、余裕部分の活用をこえているということです。本来の活用部分にまでくいこんでいうということです。

  区が建設すると自治法上問題が生じるほどに、公用・公共用部分を削減して余裕床を超えて民間使用する事業になってしまったということ。条例上、土地交換可能である公用・公共用目的を最新のプランでは満たしていないといっているのと同じではないですか。  という質問に対して、行政財産ではなく普通財産として位置づける という答弁でした。

 この答弁こそが、建設された建物は、行政財産として使用できない、民間の商業施設になってしまっていて、公用・公共用でないことを示しているのではないでしょうか。 
 
 状況がかわったからという理由で、何でも許されるとするならば、議決も議会も必要ありません。一定程度の状況の変化は許されても、条例の主旨を逸脱するほどの計画変更は、到底許されるものではありません。これまで、行ってきた説明を覆すことは、区民や陳情を採択した議会への約束を破ったことにはならないのでしょうか。議会へ説明をすればいいという範囲を超えているのではないでしょうか。

 区長は、公約に、防災センターや障がい者総合センターなど様々な公共機能の充実をあげています。公共の使用目的が子育て支援から障がい者支援に変わったり、防災センターを置きこむことにしたというならわかります。そうした方針転換は、十分な説明により理解・合意できるものです。
 公約を実現するまたとない大きなチャンスなのですから。

 しかし、今回の、区の判断は、大森核に必要な公共機能が十分であるという判断とも読み取れます。しかも、定期借地権期間50年ということは大森核への公共機能充実を50年間凍結すると言っている様なものです。
 私は、余裕床などといっていられるほどに大田区の公共機能が満たされているとは到底考えられません。

 区民や議会に公共機能充実のための事業であると説明し、条例に従い土地交換をしながら、結果として公共機能充実が大幅に後退し、大森北開発の目的は、民間による「にぎわい創出」に変わってしまいました。
 これでは、羊頭狗肉。
 こうしたことが許されてしまうなら、区政は混乱し、議会は形骸化し区民との信頼関係は崩壊します。

 この事業は一旦勇気を持って凍結し、再度原点に立ち返り、区としてなすべき事業を検討しなおすべきではないでしょうか。松原区政の汚点をつくるべきではありません。という最後の質問に対し、残念ながら区長の答弁はありませんでした。

 最後の質問に答弁した副区長は、商業によるにぎわいを主張しました。公用・公共用を目的に土地交換を行いながら、公用でも公共用でもないあいまいな「民間によるにぎわいの創出」のために区の財産を使おうというのです。
 これまで、大田区は、地域にふさわしくない土地利用であっても、それに直接関与してきませんでした。それが、大森の中心核にマンション建設予定があるから区が土地を買い、ショッピングセンターやテナントビルとしてしまうことが許されるのでしょうか。

 当初の余裕床程度の民間利用は、許容範囲であっても、既に8割を超える民間利用では、行政が土地を購入(土地交換)してまで行う事業ではありません。
 当初から公共利用を目的としていなかったのであれば、中心核を守るための本体自治体がとるべき手段は、地区計画・建築協定など他にも有ったのではないでしょうか。

 区内各地で起こっているマンション紛争。そして、今、池上では大型店が第一種住居地域に建設予定のため、地域住民が、環境を守るために奔走しています。
 それでは、これらの問題解決のために、区は、土地交換を行い、または購入して地域のまち並みを守るのでしょうか。

なかのひと