不公平で形骸化した附置義務

 駅前に放置されている自転車は、まちを歩く人のバリアになるとともに、まちの景観を阻害する迷惑な存在です。

 超高齢化社会を迎え、バリアフリーにも大きく関る放置自転車問題は、以前にも増して解決しなければならない大きな課題になっています。
 
 一方で、自転車は環境にやさしい=CO2を排出しない移動手段として評価されており、自転車利用を推進しながら、放置自転車問題をどのように解決していくかを考えるとき、自転車駐輪場の整備は不可欠になります。

■条例による駐輪場設置義務■ 

大田区は条例「大田区自転車等の放置防止及び自転車等駐車場整備に関する条例」で、一定規模以上、あるいは、スーパー、飲食店、パチンコ店、金融機関・・・など特定用途の建物について、その規模に応じて条例で駐輪場の設置を義務付け(附置義務)ています。
 
 自転車を使ってこれらの施設を利用する方たちへの駐輪場整備をお願いすることで、放置自転車を防止するが目的です。

 たとえば、パチンコ店なら、店舗面積が300㎡を超えるものは、15㎡ごとに駐輪場1台。スーパーマーケットその他の小売店及び飲食店なら、店舗面積が400㎡を超えるものは、店舗面積20㎡ごとに1台といった具合に、その設置台数が定められています。

 これらの建物を新たに建築する場合、条例に定められた台数の駐輪場設置が確保されていなければ、建築確認がおりず、建築するとができません。

 大田区では、条例を設置した昭和63年から昨年度平成20年までの間に、この条例の設置義務により設置が義務付けられた駐輪台数は9,889台=約1万台にも及びます。

 条例がなければ、駐輪場も設置されず、自転車が放置されてしまったかも知れないことを考えると、この条例による、放置自転車への効果が大きいことがわかります。

 一方で、この条例には、いくつかの問題点があります。

■条例制定前の建物には効力が及ばない■

 条例は、昭和63年3月18日施行で、大田区は、新築に建物に対して義務を課しているため、それ以前に建築された建物は、対象になりません。
 施設の一部を駐輪場スペースとして割いていただき、大田区の放置自転車対策にご協力いただいている区民(事業者)がいる一方で、条例制定以前に確認を受けたということで、同程度の自転車利用来訪者がいることが推測されながら、駐輪場設置義務のない区民(事業者)が存在するのです。

 条例制定の前に建築した事業者と後に建築した区民(事業者)との負担の不公平感は否めません。

自治体によっては、増築・改築建物も対象にしています
 増・改築を対象にしていれば、最近行った蒲田駅の3つの駅ビルの大規模築に伴い一定程度の駐輪場整備が達成できたでしょう。
 


なかのひと