木造密集市街地の不燃化や防災機能の強化を目指し東京都が策定している「防災都市づくり推進計画」ですが、今回の改定により大田区羽田が新たな整備地域として指定されました。
 これまで、指定されている西蒲田と大森中は、防災機能が向上していると言えるでしょうか。
 今回、新たに羽田を指定地域に加えることの意義とは一体何でしょうか。

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 木造密集地域は、火事になると延焼しやい。また、道幅が狭いため、緊急車両の進入が困難で、延焼を食い止めにくい。耐震性の低い建物が多く、地震の際の倒壊とそれに伴う避難経路の遮断。など、防災の視点からは数多くの問題を抱えています。

 そのため、大田区内でも、西蒲田や大森中など木造密集地域を指定し、共同化にあわせた道路整備や、オープンスペースの確保、空地の確保を誘導しようとしています。

 こうした地域でよくとられるのが、道路の拡幅や共同化あるいは、一定面積以上という要件を満たしている場合に、容積率をアップし道路で取られた敷地を担保するとともに「ボーナス」を加えることで、地権者に建て替え意欲をもっていただくという手法です。

 しかし、一定地域(一定区画)の地権者の建て替え合意がなければ、共同化も道路整備も進みません。大田区では、大森西のメリーチョコレート周辺がこの手法で建て替え誘導を行っています。
 
 密集市街地に防災上の多くの課題があることはだれもが認めるところですが、一方で、地域のまちのありようは、その地域が長年の間に作り上げてきたものです。
 道路が拡幅されることで、住宅が共同化されてしまうことで断たれてしまう人間関係や習慣があるかもしれません。

 「美の条例」で有名な真鶴町を歩きましたが、道は海岸から伸びあがる斜面に張り付き、狭く、入り組んでいて到底4m幅など確保できるはずもなく、しかし、それこそが、真鶴の真鶴らしさを構成していました。

 羽田もまた大田区の中では、独特の文化を作り上げている地域です。
 
 区は、建て替えによる防火機能の向上に対する助成も視野に入れた支援を考えているようです。であるとするならば、木造密集地域にみられる一般的な共同化や道路の拡幅だけでなく、まちが守り育ててきた地域性を活かしながら防災機能を向上させていくなど、さまざまな選択肢を示しながら、地域住民主体のまちづくりを支援していくことが重要でしょう。
 それは、今回の改定のポイント「地域住民主体のまちづくりの促進」としてもうたわれています。

 羽田空港の国際化により、羽田のまちは、今後、どのように変容していくのでしょうか。

 
 
なかのひと