大田区では、23区に先駆け2007年10月からプラスチックの全区的な焼却がスタートします。
 
 ごみの対策は、リデュース(減量)・リユース(繰り返し使う)・リサイクル(再生利用)の順に優先されなければなりません。出口対策であるリサイクルにばかり目が向きがちな現状には問題があります。

 しかし、だからといって、リサイクルそのものが否定され兼ねない現状もまた、問題であり、循環型社会をどのようにして形成していくかという視点で取り組むことが重要です。

 リサイクルも、マテリアルリサイクル(再商品化)・ケミカルリサイクル(原料として再生利用)の順に優先されなければなりませんが、23区がプラスチック焼却の方針を公表したことで、最終的にリサイクルに適さない場合に選択されるべき焼却の際に発生する熱回収(サーマルリサイクル)が安易に行われようとしています。

 先日、容器包装リサイクル法対象の「その他プラスチック」を再商品化している工場を見学に行ってきました。

 23区のうち大田区を除き、既に11区がその他プラスチックのリサイクルを行うことを公表しいるなか、大田区でも、ようやくその他プラスチック(シャンプーやリンスのボトルやお菓子の袋など)のリサイクルの検討が始まります。

 しかし、大田区では、その他プラスチックのリサイクル開始の前に、他の区(2008年4月)に先駆け、2007年10月から全区的な焼却をスタートさせます。

 長い間分別してきたプラスチックが可燃ごみになってしまうことで、これまで身に付いた分別の意識も低下し、その他プラスチックのリサイクルがスタートしたとしても、その回収に影響するのではないかと心配しています。

 こうした状況の中、世田谷・江戸川・江東の各区の生活者ネットの議員・メンバー7名で、プラスチックの再商品化を行っている岩井化成に見学に行ってきました。

 岩井化成は、生活クラブのビン牛乳キャップや商品を入れている袋(ピッキング袋)をピッキング袋に再生している事業者です。
 他にも、柏市が回収した「その他プラスチック」を柏市の市民が使用するゴミ袋に再生したり、販売店に届く新聞を束ねるPPバンドを回収し、新聞を束ねるPPバンドに再生するなど、地域(市民)からでてきた資源を地域(市民)で利用する目に見えるリサイクルを行っています。

 容器包装リサイクル法で自治体にリサイクルが義務付けられている容器包装プラスチックですが、法律に定められている「容リ協会」を通さず、お金になるので直接売却する自治体が増えています。
 
 特に、最近では、中国の経済成長などに伴う、プラスチックに留まらない原材料の高騰がこうした状況に拍車をかけています。

 自治体が収集したプラスチックは、容器包装リサイクル協会に持ち込まれ、入札を経て再生事業者によってリサイクルが行われているわけですが、これらの状況によって、プラスチックの再生設備はあるのに入札がとれない=プラスチックが足りない状況になっているそうです。

 自治体が税金で収集したプラスチック類を、売れるからという理由で中国に安価な原料として供給することが、本来の廃棄物対策であるとは思えません。
 
 ごみの発生抑制のしくみを作りあげるためには、容器包装リサイクル法を整備し、家電リサイクル法やパソコンリサイクル法・自動車リサイクル法のようにリサイクル費用を生産者が負担するしくみを、容器包装類についても作り上げなければなりません。

 そのために現在行わなければならないことは、自治体が容器包装リサイクル協会を通じてリサイクルを行うことによって、本来、事業者が負担しなければならないリサイクル費用を事業者に請求できるよう費用を明確にしていくことであり、売却することでリサイクル費用負担をさけていては、ごみの根本的な問題解決につながりません。