容器プラスチックをリサイクルしている杉並区の場合

 プラスチックを可燃ごみにした場合の、温暖化ガス排出の試算に使われているプラスチック混入割合や可燃ごみ増加率は、容器包装その他プラスチック(=プラマークのついているシャンプーやリンスのボトル、お菓子の袋などのプラスチック)をリサイクルしている横浜市や名古屋市を基にしています。

 容器包装その他プラスチックをリサイクルしている杉並区のデータが公表になりました。
 
 23区でも容器包装プラスチックを積極的にリサイクルしている杉並区のデータはどうなっているのでしょう。 

 杉並区でプラスチックを可燃ごみとして収集している地域のごみに含まれるプラスチックの割合は、13.96%=約14%。横浜市や名古屋市をもとに東京23区清掃一部事務組合が試算した割合は10%でしたから、4%も多くなっています。

 当然、本来、資源として回収されるべきプラスチックが可燃ごみになっているわけですから、可燃ごみの増加割合も予想の9%より大きくなっていることでしょう。

 東京23区清掃一部事務組合では、プラスチック焼却にもとなう温暖化ガス排出は、容器包装その他プラスチック(シャンプーやリンスのボトル、お菓子の袋など)をリサイクルした場合に微増であると説明してきました。

 しかし、リサイクルしている杉並区のプラスチック混入率は、一部事務組合の試算より更に高く、リサイクルしても温暖化ガスは微増に留まらない計算になります。

 プラスチックを可燃ごみにするにあたって、23区は、その前提としてごみ減量という最も重要なことについて、充分な啓蒙活動をしてこなかったのではないでしょうか。
 
 埋め立て処分場が一杯だからプラスチックを燃やします。
 焼却しても清掃工場の現在の技術水準では問題ありません。
 焼却により発生する温暖化ガスは微増です。 
 ごみ焼却による熱エネルギーを回収する(サーマルリサイクル)ことは地球温暖化防止に寄与します。 

 こうした説明は、焼却を安易に肯定し、その前提にある資源として有効活用できるものは十分に活用することを見過ごさせてしまったのではないでしょうか。

 その結果がごみの中のプラスチック混入率を高めているとは言えないでしょうか。

 プラスチック焼却に伴う温暖化ガス排出は、容器包装その他プラスチックのリサイクル、それも、徹底した分別の後に始めて達成されるものであることが、杉並区のモデル可燃ごみのデータから読み取れます。

 ところで、容器包装リサイクル法のルートにのせて容器包装類をリサイクルする事により、収集運搬費用を自治体の税金だけでなく、それを製造した事業者に負担させるしくみに組み込まれることになるという意味があります。
 製造者に拡大生産者責任を負わせるのが、容器包装リサイクル法でリサイクルするということです。

 拡大生産者責任(Extended Producer Responsibility=生産者が製品の廃棄まで一定の責任を負うという考え)を明確にし、現在のようにごみをたくさん出す人もそうでない人も一律に税金でごみを処理するしくみのままでは、発生抑制につなげていくことやゴミ処理費用を削減していくことは非常に困難です。
 
 また、製造から消費、廃棄までを一体的に考え取り組んでいかなければ、地球環境を守ることも困難であるといわざるを得ません。

 しかし、前回の容器包装リサイクル法改正の際には、拡大生産者責任を充分に盛り込む事ができませんでした。

 大田区を始めとした多くの自治体は、容器包装その他プラスチックのリサイクルについて、コストがかかるからという理由で未だに取り組んでおらず、焼却を続けています。結果として温暖化ガス排出を増やし続けているのです。


なかのひと