住民意見の尊重は極めて重要ですが、意見を聴くことと、聴いた意見の通りにする(=言いなりになる)こととは違います。
だから、私たちの政治は、
選挙で代表を選んで、予算・法律などを決める権限を与え、
公務員が、その予算や法律などに基づいて執行するしくみになっています。
その際、
公務員がえこひいきなどしてはいけませんから、
公務員は、全体の奉仕者であることが、憲法で定められています。
このところ、気になるのは、
住民の声さえ聴けば、民主主義、であるかのような、印象で、
区政が執行されてきていることです。
今日も、委員会で、
ある公園について、
ワークショップで区民意見を醸成するという新しい手法で、
公園の運営方法を決める
これまであった、様々な公園利用の制約についても、ワークショップで考えていく、
と言う報告がありました。
公園の管理運営を長期にわたり、民間事業者に委ねる方法に変えたので
民間事業者がワークショップを主催し、
公園の使い方などを「醸成」するというのです。
このワークショップは
公園の運営期間も続けると言います
事業者は当然に営利目的でこの事業に参入しています
醸成と言うのは、ある気運や雰囲気を作り出すことです。
公園と言う公の財産の利用の仕方を、
根拠法も無い事業者が主催するワークショップで、作り出す、というのです
しかも、
そこに集まるのは、
公園近隣を中心に区と公園の管理を許された事業者などが呼びかけたわずか30名で
近隣住民以外の利用に関心のある人(利害関係者:奈須加筆)も参加可能です
広く意見聴取すると言えば
理想の方法の様に感じますが
これまでどうしていたかと言えば
委員会(議会)に報告し、説明会などを開催して、区民意見を聴いて、
全体の奉仕者である行政が、執行していました。
・選挙で選んだ議員と
・選挙で選んだ首長と
・全体の奉仕者である公務員が執行する今の政治でも
有権者のみなさんから見れば、なかなか満足できない部分も多いのが、残念ながら現状だと思います
それでも、
選挙で選ばれた議員や首長と公務員が、
全体の奉仕者として、公の財産が、私的に、一部の人たちのお金儲けなどに使われないよう、歯止めをかけてきて、今の公園があるのです
そこから、
・議会と首長と行政の関与を薄め、
事業者がワークショップという、
・公園の使い方を決める機関を
・議会制民主主義の外側に作ろうとしているように、
私には見えます
公園の管理運営を任された事業者が、
一部の人たちの意向で、公園の使い方を決める仕組みを作れば、
公園は、もはや、公園と言う名前のついた、
事業用地、あるいは、アミューズメントパーク、でしかなくなるのではないでしょうか