池上のホテル計画に考える規制緩和の影響

旅館業法の規制が緩和され、
一定以上の室数と、対面で応対するフロントを置く規制が緩和されて、

・少ない室数でも、
・フロントに人を置かなくても、

ホテル営業出来るようになっています。

民泊だから心配で、ホテルだから安心と言う時代ではなくなっています。

そうしたなか、
いま、
池上で、ホテル建設の計画が進んでいます。

池上の歴史的な街並みが評価され、観光客増に期待する声がある一方で、

地域では、建築や営業に関わる心配の声があがっています。

先日、
地域の方への説明会が開かれて、私も参加してきましたが、
一回目より多い参加で、用意した部屋が満席になっていました。

建築に関わる影響への説明を義務付ける、中高層条例に基づく説明で、
🔴工事時間や車両の搬出入、騒音や振動、など、建築による影響を心配される方がいる一方で、

ホテル宿泊客の数だけ、地域に「暮らす」方が増えますから、
🔴火災などの非常時や地震などの災害時の対応を気にされる方もいましたし、

規制緩和でホテル旅館の、フロントでの対面の確認が不要になったので、
🔴不特定多数の方の出入りに、昨今、不安が大きくなっている治安の悪化を心配する方もいました。

私は、旅館業の規制緩和で、
1室でも、ホテル旅館業ができるようになったことで、
🔴企業の寮のような形で運営される可能性について、うかがいました。

例えば、
今回の池上のホテルは、
1室60㎡程度、4~6名宿泊で、一泊5~6万円を想定している
富裕層向けのホテルと説明されています。

配布された資料を良く見ると、
60㎡で、トイレ、風呂だけでなく、キッチン設備も備えられていて
住まいとしての利用可能であることがわかります。

用途も、アパートメントホテルとあるように、
住まいとして使用される可能性もあります。

実は、民泊は、住まいとして利用が可能で、
私は、当初から、低所得者向け住まいとして使用されるのではないか
と見ていました。

規制を緩和し、住宅の質をホテルと言う名目で下げるわけです。

しかも
ホテルなので、借地借家人法に守られる居住の権利もない、
単なる宿泊契約になってしまいます。

実際、ホテルとしての定員は4~6名ですが、
宿泊可能定員は、最終的な設計により変わりますが、
収容人員10人以上と書かれています。

1泊2日10名で5万円とすれば、ひと月7~8万円から、それ以下で住めることになります。

そうなると、
このホテルは、歴史的寺町を訪れる富裕層向けのホテルから
まったく様相を変えてしまいます。

約70坪の土地に、60㎡×8室で、80名の方たちが、暮らすことも可能です。

60㎡のマンション(アパート)なら、3LDKで、4人家族くらい。8室で、32名程度ですが
規制緩和したフロントの無いホテルで許可を取り、営業すると、80名居住も可能になるかも知れない、ということです。

旅館業で許可を取ることの施設を
簡易宿所で取り直すことはあるか
うかがったら、
現在の経営者は、考えていないが、
旅館業で許可をとれば、簡易宿所で取り直すのは、比較的簡単で、
可能である、ということでした。

池上に計画されるホテルは、
池上本門寺の歴史的な文化や伝統にふれたい方たちの
ホテルとして利用されるのか、

それとも、
今も増える外国人労働者や、
低所得者層のための、
安価な、しかも、居住者の権利が緩和された、借地借家人法対象外の
実質的な住まいとして使われるのでしょうか。

旅館業法と言う規制は、
フロントに対面で確認する人を配置させ、
一定規模以上の部屋数を求めていましたので、
それが、コストになって、
ホテル営業できる地域を、制限してきました。

規制緩和は、
営業する人たちの利益から逆算し、
ホテルから、グループホームやシェアハウスや下宿的な使途へと
自由に変更できますが、

周辺の住環境は、それに、大きく左右され、

地域の守るべき街並みは、
事業者だのみで、地域の努力が、実りにくくなります。

山王小学校に隣接するホテルの場合には、
区立小学校で、教育委員会が所管だったこともあり、
教育委員の方たちが、子ともたちのために、
心強い発言をしてくださいましたが

池上のホテルは、
民間の認可保育園なうえ、所管も東京都で、
どこまで、そこが抑止になるかも心配です。

規制が機能していれば、その主導権は、
私たち主権者の手にありますが、
緩和されてしまえば、私たちから手を離れ、

できることが小さくなってしまうということです。

大田区長などが進めた特区民泊が、旅館業法の規制緩和の引き金となって
このホテル営業を許しています。

ここに、地方議会がブレーキをかけられないのですから、
地方議員も関与している、ということです。

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