区長は蒲蒲線のため 住民税減税を止めさせた

議会での質問動画はこちらです。

昨年の税制改正で、
所得税の基礎控除だけがあがり、
住民税が据え置かれました。

 

基礎控除

租税法という学問分野の創設者で、長期にわたり税制調査会の審議に参加した
故金子宏東大名誉教授は、この基礎控除を
所得のうち本人およびその家族の
最低限度の生活を維持するのに必要な部分は担税力をもたない、という考慮に基づくものであって、憲法25条の生存権の現れ」

と説明しています。

所得税だけ基礎控除を上げ住民税は上げないとか、
所得に応じて基礎控除の額を変える、
と言うのは、理屈に合わないのです。

仮に、地域で差があるとしても、
物価が高い東京の基礎控除が
他自治体より高いならわかりますが、

東京も地方も住民税の基礎控除は据え置かれました。

しかも
住民税は、社会保険料の算定に大きく影響しますし、
各種の社会保障サービスにおける、給付や減免の大切な数字でもあります。

特別養護老人ホームの利用料金も
高額医療費も、
ひとり親家庭への給付も、
高齢者のバス券も、
非課税かどうかで、受給できるかも、負担する金額も基礎控除で変わります。

国会での基礎控除引き上げの議論を調べたら、
こうした原則に係る議論や、
地方行政に係る議論が、
余りに少なくて驚きました。

しかも、国会や税制調査会の会議録を読むと、

住民税の基礎控除引き上げが止められてしまったのが、
全国の自治体の首長が財源確保についての声明を出したことが
大きく影響したことがわかります。

税制調査会の資料にも、この声明は取り上げられていて
総務省(の課長)は会議で、

「知事会、市長会などから、今回の対応について非常に配慮をいただいて感謝するといったお話、理解するといったコメントをいただいている」

と発言しています。

総務省主導でシナリオを描いたのかもしれません。

国や税制調査会の議論で、
税収が減るからと、住民税の基礎控除引き上げは見送られましたが、

仮に、基礎控除が上がって、税収が減ったとしても、
社会保障など、基礎的な財源は、
地方交付税交付金で確保される仕組みです。

全国の首長さんは、いったい、何の財源を、住民生活より優先したのでしょう。

大田区区議会で取り上げて質問したら、
蒲蒲線や羽田空港跡地開発の財源がをあげています。

大田区長は、区民生活を守るより、蒲蒲線や羽田空港跡地開発や学校複合化を優先したのです。

物価が上がっているので、物価に連動して所得があがらないと、
生活水準を維持することができません。

しかも、
税金をかける最低基準を変えないと、
最低限の生活費からも、税金を取られることになってしまいます。

およそのシミュレーションをしてみるとわかるのですが、
税率10%で、
基礎控除(最低限の生活費)100万円の時、所得が120万円の人は、
120ー100=20万円
20万円×10%=2万円の税金で、手取りは、118万円です。

物価が1.1倍上がって所得も1.1倍上がり132万円になると、
基礎控除が100万円のママだと、
132万円ー100万円=32万円
32万円×10%=3.2万円で、税金は3.2万円で、手取りは、128.8万円
118万円から増えたように見えますが、

購買力から見た手取りは、物価が10%上がっていますから、
118万円×110%=129.8万円必要です。

128.8万円だと、購買力から見た手取りは、減ってしまうのです。

これを、物価に連動させて、
基礎控除を100万円×110%=110万円にすると
所得132万円ー基礎控除110万円=22万円
22万円×10%=2.2万円 税金は2.2万円で、手取りは、129.8万円で
物価高騰分、手取りを確保できます。

日本の基礎控除は、海外に比べると極端に小さいと言う問題がもともとあります。
低所得者対策はあるものの、
所得が上がるにつれ、基礎控除は下がります。

裏を返せば、日本の税金は、
最低限の生活費からも取られるから、税負担が重いのです。

それを、
国民全体でならして、国民負担率が小さいと言って、
もっと取ろうとしているのですからひどいのですが、

さらに物価が上がったら、
蒲蒲線に使うからと、
基礎控除をひきあげることもせず、
最低限の生活費からも税金を取るのですから、

ほんとうに、ひどいなあ、と思います。

議会での質問はこちらです。

 

会議録より

一部の投資家利益優先の大田区政が、多くの区民の生活水準を低下させ、環境を悪化させる問題について、主に所得税の基礎控除が103万円から160万円引き上げられたのに対し、住民税が据え置かれた問題に関わり質問いたします。

税制改正で所得税の壁といった表現が繰り返されましたが、所得税の壁はそもそもありませんでした。

財務省の資料や税制調査会は、壁は解消していると指摘しています。

現実の働き控えの有無はともかく、配偶者の所得の大きさに応じて控除額を段階的に減少させる配偶者特別控除の導入により、配偶者の収入が103万円を超えても、世帯の手取りが逆転しない仕組みになっているのです。

既に解消していた壁問題を推進力に、所得税の給与、所得控除と基礎控除見直しが一気に進みました。

今回の所得税の103万円から160万円への引き上げは、壁の解消ではない目的があったということです。

租税法という学問分野の創設者で、長期にわたり税制調査会の審議に参加した故金子宏東大名誉教授は、この基礎控除を、所得のうち本人及びその家族の最低限度の生活を維持するのに必要な部分は担税力を持たないという考慮に基づくものであって、憲法25条の生存権のあらわれと説明しています。

最後に所得税の基礎控除の引上げが行われた平成7年から令和5年にかけて消費者物価指数は10%上がり、生活必需品の消費者物価は同時期で20%も上がっています。

それに対し、この間の世帯平均所得は2020年までで2割も下がったのですから、見直したのは悪くありませんが、税負担が高いと言われる単身世帯の対象の収入階層で、2万円から4万円の税負担減というのは、この間の物価高と所得の減から到底足りず、遅過ぎます。

基礎控除を政治が約30年も据置き、最低限度の生活を維持するのに必要な所得にまで課税し続け、日本の生活水準を下げ続けたということです。

中でも物価の高い大田区などの生活水準は大きく下がったことになります。

失われた30年と言われると不可抗力の災難のようですが、政治が私たちの生活水準を下げてきたということです。

なかった壁をあったかのように言って動いた所得税の基礎控除ですが、動かすべきなのに据え置かれた壁もあります。

一定所得を超えると負担しなければならない社会保険料の壁、そして、住民税の基礎控除です。

これらの壁に気づかず、所得税の壁が見直されたのをきっかけに、新たな所得税の壁まで働いた区民は、来年度になって、今年度の所得に課せられる住民税と社会保険料の負担に気づき、驚くでしょう。

来年度から、段階的に、子ども・子育て支援制度、いわゆる子ども保険の保険料負担が健康保険料に上乗せして始まりますから、働いた割に収入が増えなくて、がっかりする方も少なくないと思います。

配偶者の扶養の範囲を超えて働いた従業員を雇う企業も、被用者保険の適用拡大もあり、新たな保険料負担に悩まされるかもしれません。

ところが、政府は、なかったのに所得税の壁という言葉で働き控えを解消して労働時間を増やし、労働力を確保しようとしたのに対し、物価高に連動して、社会保険料負担の壁を引き上げ、労働者へ被用者の社会保険料負担を軽減しませんでした。

むしろ週2時間を超えて働けば、所得にかかわらず社会保険料負担が生じるよう制度改正しようとしていますし、被用者保険の適用をさらに拡大し、令和17年10月からは、全ての企業が常勤の従業員の社会保険料負担をすることになっています。

社会保険料の壁を引き上げるどころか、なくそうとしているのです。 法定福利費に悩む中小企業などにとっては死活問題です。今年5月の税制調査会では、附則もあり、基礎控除 を物価に連動させることは慎重にすべき、所得控除ではなく、税額控除にすべきといった、早くもベーシックインカムへの準備が始まり、専門部会では、源泉徴収義務者との事務手続きの中身にまで議論が及んでいます。

そうなれば賃金はさらに下がり、誰もが自分が生きるだけの賃金しか得られない社会に向かっていくでしょう。

なかった所得税の壁を取り払ったことで、労働力を確保し続けるのは、法定福利費を負担できるだけの体力のある企業ですし、コストを削減できるのは、扶養の額を超えて働く配偶者などを雇用する企業ですが、中小企業などの中には、廃業を選ばざるを得ないところも出てきます。

働いても自分が生きるための賃金と社会保障しか得られなくなる制度ができれば、多くの人は生きるために政治によって投資家に雇われる労働者という存在を強制されることになるわけです。

所得税の壁問題を、政府は物価高対策ではなく経済対策と呼んでいますが、今回起きたことや法改正の不足に盛り込まれ、その後、進む議論を見れば、国が見ているのは、働く区民でも、法定福利に悩む中小企業でもなく、労働力を確保し、市場を拡大し、扶養家族の社会保障負担を減らして利益を上げられる体力のある企業の投資家というのが見えてきます。

もう一つ据え置かれたのが、住民税の基礎控除です。

特に住民税の基礎控除は貧困を認定する基になる数字で、多くの住民サービスの給付の基準となっています。

特養の負担軽減も、高齢者の補聴器も、ひとり親家庭への給付金も、低額所得者への現金給付も、基礎控除を基に定められている非課税世帯かどうかで給付が決まっていたように、基礎控除はとても重要な数字です。

不思議なのは、令和7年の税制大綱に盛り込まれ、国会では所得税と住民税を併せて議論を始めたのに、所得税は引き上げ、住民税の基礎控除は据え置かれたことです。

国会で検討しながら、憲法25条の生存権の範囲を狭める判断が行われたと言っても過言ではありません。

調べたら、税制大綱を受け、全国知事会、全国市長会、全国町村会が声明を出し、103万円の壁に関わる基礎控除額の引上げなど税制影響分について、財政確保の要望などを出していました。

この声明は、国会でも配慮すべきという論調で取り上げられ、総務省は税制調査会で資料として示し、知事会、市長会などから今回の対応について非常に配慮をいただいて感謝するといったお話、理解するといったコメントをいただいていると説明していますから、この声明が大きく影響して住民税の基礎控除を据え置かれたことが分かります。

私は、他自治体のことまで申し上げる立場にはありませんので、大田区のことについてだけ申し上げれば、大田区民は、大田区長に生活水準を下げられたということです。

ここで思い出すのが、1993年6月3日の地方分権の国会決議です。

改めて読み上げます。

今日、様々な問題を発生させている東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民がひとしく、ゆとりと豊かさを実感できる社会を実現していくために、地方公共団体の果たすべき役割に、国民の強い期待が寄せられており、中央集権的行政の在り方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている。このような国民の期待に応え、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財政の充実、強化など、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図り、21世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である。したがって、地方分権を積極的に推進するための法制定をはじめ、抜本的な施策を総力を挙げて断行していくべきである、右決議する。

ここから、主権者である区民住民の声が反映され、地方自治が確立されるはずでした。

ところが、後段で取り上げるとおり、排除されるはずの東京への一極集中はますます進み、空き地も公園も開発が進み、東京の暑い夏の原因にもなっています。

国土の均衡ある発展どころか、地方は疲弊し、整備されず荒れる山林が災害を激甚化し、国民はひとしくゆとりある暮らしではなく、格差に悩まされ、豊かさを実感できるはずが物価の高騰と所得の低下で生活水準は大きく下がっています。

地方分権で行われた三位一体改革で国から地方に移譲された3兆円という莫大な財源は、同時に移譲された強大な権限を使い、私たち区民全体の生活水準の向上のためではなく、別のところに使われてきているということです。

総務省は、税制調査会で、昭和37年から個人住民税独自の基礎控除を創設したことを引き合いに、今回、所得税の基礎控除を上げながら、住民税は据え置いたことを説明しました。国と地方で判断が分かれたのは同じですが、昭和37年の住民の生活を守るために行われた基礎控除創設と、財源を確保するために住民サービスの水準を据え置いた判断を同じに扱うのはおかしいと思います。

今回、憲法擁護義務を負う大田区長の声明が、基礎向上を据置き、区民の生存権を保留した形です。
こんなことが許されていいのでしょうか。

【質問】そこで伺います。声明の一員として、区長が住民税の壁と言われた基礎控除も引き上げるよう声を上げるべきと考えますが、区長のお考えを伺います。

国会の議論で、基礎控除の額を、国、地方において、それぞれ75万円ずつ引き上げた場合の試算で、個人住民税の減収額は4兆円程度、所得税の減収額は4兆円弱程度という数字が示されています。

大田区長は声明の一員ですから、いくら減収のために非課税額を据置き、区民の生活水準低下を放置したのでしょうか。それとも、試算もせず、1円たりとも歳入を減らしたくないから声明に名を連ねたのでしょうか。

三位一体改革の税源移譲は、こうしたことにこそ使われるものだと思います。

そこで伺います。所得税の壁同様、住民税の壁を取り除くと失われる大田区、分からなければ、国の財源はいくらですか。今回の壁問題についての国会や税制調査会の議論を聞いていると、財源確保とその財源を何に使うかの話ばかりで、そこには所得と税負担が国民生活に及ぼす影響の検証は見えません。

歳出を抑制しよう、財政規模は適正かという議論も聞こえません。

地方分権で国から地方に3兆円の税源移譲が行われて以降、地方の基金残高が増え続けて、令和5年度末でまた増え、29兆円です。 三位一体改革が適正だったか検証するのはどこか、財務省、内閣府、総務省に尋ねたことがありますが、内閣府は地方分権でどう財源を使うかは地方創生で考えるが、三位一体改革が適正かどうかの判断をする部署はないと言い、財務省は地方の税金のことなので総務省が所管と答え、総務省は地方税の検証は地方自治体が行い、条例改正して減税すればいいと答えました。

国が行った制度改定なのに、それを検証する省庁も部署もありません。

国が行った三位一体改革は、社会保障である保育などを名目に税収を大田区など地方に集めましたが、地方に集まった税金を大田区で使うはずが、国や都などから補助金が来て、地方に集まった財源は使途の自由な財源となって、隠し財源のように確保し、執行努力と言って使っています。

ところが、基金は1200億円以上たまっているのに、基礎控除は別のところに使うから引き上げないのが三位一体改革のてんまつです。

その上、今度は子ども・子育て支援金制度を創設し、区が税金で負担してきた子育て支援費を、利用者と雇用者が社会保険料で負担する仕組みに変えるので、さらに地方では、使途の自由な財源を確保することになります。

10月からの保育料無償化で、東京都から来る補助金は区民が払っていた保育料以上に多いので、大田区は、ここでも自由に使える財源を確保できます。

都は、今も負担できているのに、国がすべきと言っていますから、子ども保険料で負担させようとしているのかもしれません。

地方分権は、大田区に集めた財源を、蒲蒲線や空港の跡地開発や、呑川合流改善や、学校複合化など、区民の社会保障のためではなく、三位一体改革前までは、地方でできなかった規模が大きかったり、優先度の低かったりする箱物や開発などに使う仕組みになっているのです。

そこで伺います。住民税の壁を失うことで、失われる財源を蒲蒲線や羽田空港跡地開発など、過剰なインフラ投資に使いたいから、物価高騰と上がらない賃金に悩む区民に過剰な税負担を課すのですか。

住民税の壁を取り除き、区民の経済的生活水準を守るより、なくても区民が生きていける優先度の低い蒲蒲線や羽田空港跡地開発、学校複合化などを優先するのですか。今回の基礎控除の引上げの声明からは、取り過ぎた税金を、優先度の低い箱物や開発などに使うだけでなく、区民の生活水準を犠牲にしてまで、優先度の低い箱物や開発に財源を確保する区長の税金の使途の優先順位が見えてきます。

○鈴木隆之議長 理事者の答弁を求めます。

○大木区民部長 私からは、個人住民税に関する3点のご質問に順次お答えを申し上げます。

初めに、税制改正についてのご質問ですが、令和6年12月、令和7年度税制改正の大綱が閣議決定され、今年の3月、通常国会で所得税法、地方税法などが改正されました。
区でも、これらの法改正を踏まえ、令和7年第2回区議会定例会において、大田区特別区税条例の一部を改正する条例の議案を上程し、議決をいただいたところでございます。

今回の税制改正では、所得税で改正された基礎控除の最低保障額などの引上げが、個人住民税においてはなされませんでしたが、給与所得控除の最低保障額の引上げ、特定親族特別控除の創設といった改正が行われ、これらは令和8年度分の個人住民税から適用されます。

特別区税は、区の歳入の約4分の1を占め、子育て支援、教育、福祉、社会保障などの基礎的行政サービスの提供を安定的に支える極めて重要な基幹財源でございます。今回の税制改正大綱に関しましては、地方自治体における住民サービスへの影響等を鑑み、既に全国市長会などが国に対し意見を伝えていることは、議員のお話しのとおりでございます。

区といたしましても、今後も経済動向などに応じて、国が進める税制改正の動向を注視し、必要に応じて国に要望していくとともに、区民サービスの安定的な提供を支える特別区税の確保に全力で取り組んでまいります。

次に、所得税と同様の税制改正が、個人住民税でもなされた場合の区への影響についてのご質問ですが、令和7年度税制改正の大綱が示されました令和6年12月以前におきましては、基礎控除について、所得税、個人住民税とも最低保障額を75万円引き上げる可能性について議論がされており、地方財政への影響額についても、様々な試算や報道が当時なされておりました。

しかし、結果として、個人住民税では基礎控除額に変更が生じず、また、所得税の引上げ自体も国会の審議の中で当初と異なる結果となったことから、区は、今回の所得税と同様の税制改正が個人住民税でも行われるという仮定に基づく影響額の試算は行ってございません。

最後に、税負担の在り方と区施策の優先度に関するご質問ですが、個人住民税は、福祉、教育、防災など区民の暮らしを支える基幹的な自主財源であり、この税負担の在り方につきましては、公平性や区民生活への影響などを十分に考慮する必要があると承知してございます。一方で、新空港線や羽田空港跡地開発等の都市基盤整備は、長期的な視点から、区民生活の質の向上と地域経済の活性化に寄与する重要な施策であるというふうに考えてございます。

また、老朽化などにより、今後も多くの学校施設の更新、需要が見込まれる中、人口構成や地域の状況変化などを捉えた効果的、効率的な公共施設マネジメントを進めていくため、複合化、多機能化も必要不可欠な取組でございます。

区には、区民生活に最も身近な基礎自治体として、将来を見据えた施策とともに、区民生活の維持向上に資する施策にしっかりと取り組んでいく責務がございます。引き続き、区民の皆様のお声をしっかりと伺うとともに、区議会とも適切なコミュニケーションを図りながら、基本構想でお示しした将来像「心やすらぎ 未来へはばたく 笑顔のまち 大田区」の実現に向け、その責務を果たしてまいります。私からは以上でございます。

~ここからは環境問題の質問と答弁の会議録です~

しかも、優先度の低い箱物や開発は、区民に過剰な税負担を課すことで、生活水準を低下させるだけでなく、さらに悪いことに、環境も悪化させます。

東京など主要な都市の気温上昇は、その要因の大半が、いわゆる二酸化炭素が原因の地球温暖化ではなく、ヒートアイランド現象によるものという国立環境研究所のホームページの論文、ヒートアイランド現象と地球温暖化には、次のように記されています。

東京では過去100年間の平均気温上昇は3.3度C、ところが、都市化の影響を取り除いた場合の気温上昇は0.67度Cで、世界平均0.74度C並み、東京など主要な都市の気温上昇は、その要因の大半が地球温暖化ではなくヒートアイランド現象によるものと考えられる。

ヒートアイランドの要因は以下の3点。
1、地表面被覆の人工化、地表が熱で熱を蓄積しやすいアスファルトやコンクリートで覆われること。
2、人工排熱の増加、空調機器や自動車工場や発電所の廃熱が都市を温めること。
3、都市形態の高密度化、中層や高層のビルの集積で地上近くの風速が弱まるなどして熱が逃げ場を失う、また、地上から見た空の比率、天空率が小さくなると夜間の放射冷却が進みにくくなり、日中に蓄えられた熱が翌日まで残ることになる。

都市の高密度は地表面被覆の人工化や人工排熱の増加と相まって都市の暑熱化を促進する。

ここまでが論文の要約です。
都市化の影響を取り除いた気温上昇0.67度に対し、東京の気温上昇が3.3度ですから、都市の暑い夏の原因の大半は地表面を蓄熱性の高いアスファルトやコンクリートで覆われていることなどに影響しているということです。

建築基準法などの規制緩和で建坪率は引き上げられ、宅地は細分化し、防火耐火を理由に建材は木材から工業製品に代わり、ビルは高層化し、公園内の開発可能面積まで緩和して引き上げ、公園は宅地化して宅地程度に緑化すればよくなり、公園の緑は減っています。

これも開発し利益を上げる側からの視点で建築関係法令が緩和された結果だと思います。

地表をアスファルトやコンクリートで覆えば、暑くなるだけでなく、降った雨が地下浸透しなくなり、一気に下水管に流れ込み、下水管をあふれさせる内水氾濫が起こります。

先日の豪雨により、上池台地区が一部浸水し、私の事務所も浸水しました。

この辺りは以前も浸水したことがあり、洗足池幹線補強線で75ミリの豪雨対策工事をしたばかりですが、今回は120ミリだったのです。

原因から目を背け、地表をコンクリートなどで覆い続け、対症療法しても追いつかず問題は悪化するばかりです。

そこで伺います。国立環境研究所は、都市部の高温化の要因の大半が地球温暖化ではなく、地表をコンクリートやアスファルトで覆うことによるヒートアイランドだと言っています。

これをしっかりと学び、過剰な開発に抑止をかけることで、都市化、都市の輻射熱による気温上昇に歯止めをかけるべきではありませんか。以上です。(拍手)

○山田資源環境部長 私からは、都市部における気温上昇と開発に関するご質問にお答えをいたします。

区民の安全や健康に重大な影響を及ぼすおそれがある昨今の気温上昇につきましては、主な原因として、地球温暖化による影響が挙げられておりますが、ほかにも様々要因があると言われております。特に都市部におきましては、ヒートアイランド現象も要因の一つと考えられております。

地球温暖化とヒートアイランド現象は異なるものではありますが、現実には重なり合うところもございます。

例えば大都市では建物における密度の高さや舗装の多さ、交通量の多さといった都市特有の要因が加わることで、郊外エリアと比べて同じ期間内に観測される気温の上昇幅が高くなる傾向にあります。

これは地球温暖化という全世界共通の影響に加えて、都市化に伴う熱蓄積や放熱といった現象が組み合わさったことによって生じているものと考えられます。

区といたしましては、都市における気温上昇においては、区民生活の安全と健康を守る観点からも、地球温暖化対策とヒートアイランド対策は総合的に推進することが大変重要だと認識しており、国内外の気候変動対策の潮流を踏まえ、CO2の削減に資する持続可能なまちづくりを推進しております。

例えば民間開発においては、開発指導要綱などに基づき緑地の確保をお願いしているところでございます。また、都市部での地表面の被覆改善を抑制するだけでなく、遮熱性塗装や保水性塗装の導入も可能なところから進めております。こうした取組は、ヒートアイランド現象の緩和とCO2削減の両立を図るものであり、緑化をベースとした総合的な熱環境改善の一環として、重要であると考えております。

また、公共施設における再生可能エネルギーの導入についても積極的に進めております。太陽光発電の設置をはじめ、エネルギー効率の高い設備の導入、建築物の遮熱、日射対応などに取り組むことで、区全体のエネルギー構造を低炭素化へ導くとともに、地区全体のエネルギー需要の安定化に結びつけてまいります。

これらの取組は、国の温室効果ガス削減の目標とも整合性を持ち、都市の低炭素化を公共部門から着実に前進させるものであると考えております。

誰もが暮らしやすく、利便性の高い快適な都市空間を創造するに当たり、環境への配慮は不可欠であり、地球温暖化対策をなおざりにして都市部の熱環境を改善することは、結果として、区民の安全や健康に加え、生活の質を損なうおそれもあるものと危惧しております。地球温暖化対策とヒートアイランド対策はお互いに矛盾するものではなく、むしろ相乗効果を生み出す関係にあると考えておりますので、両者を分けるのではなく、相互補完する施策として捉えることで、区民生活の安全性と快適性、さらには、行政における費用対効果も高めることが可能と考えます。

都市部における地球温暖化対策を一層前に進めていくためにも、地球規模での気候変動に対する施策と、都市特有の熱環境を緩和する施策を併せて推進することは、都市の健全な発展と区民の安全・安心の観点から重要であります。

脱炭素社会に向けた取組は、全世界が一丸となって加速させていかなければなりません。区としましては、引き続き、温室効果ガス削減に全力で取り組み、様々な角度から持続可能で快適な環境まちづくり、都市づくりを一層推進してまいります。私からは以上でございます。

○鈴木隆之議長 奈須議員、再質問ですか。 1分は残っていないですよ。答弁の間をちゃんと与えていただけますか。一方的な質問の投げかけで終わるんだったら厳重注意しますけれども、よろしいですか。 では、壇上で再質問を認めます。

【質問】〔49番奈須利江議員登壇〕 ○49番(奈須利江議員) 実効性がある、歯止めがかかっている政策になっているかどうかについてお伺いをしたいと思います。政策があるのは存じ上げております。

○鈴木隆之議長 理事者の答弁を求めます。

【答弁】○山田資源環境部長 ただいま再質問のありました部分につきましては、私どもは、区民の方から貴重な税金をお預かりしている立場でございます。しっかりと大田区の都市づくり、環境づくり、区民の生活維持のために歯止めのある、また攻めのある両輪の施策を進めてまいります。以上でございます。

○鈴木隆之議長 以上で質問を集結いたします。

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