大田区議会第四回定例会で、NISA=少額投資非課税制度について取り上げました
いまや、日本国民18歳以上の4人に一人が口座を持っているNISAですが
調べてみると、金融庁のチョット行き過ぎた表現もあり、
金融庁の「うたい文句」で
思わぬ”落とし穴”に、落とされないようにしていただきたいなあ、と思います。
一番の注意点は、元本割れしない、という甘い言葉
確かに金融庁のHPにはそういう記載がありますが、
投資信託が元本割れしないとは言っていません。
いまや、全体の約半数以上を投資信託が占めると言われていますが(国等の資料から)
投資信託が元本割れしないとは言っていません。
それでは、株式や債券は安心か、というのは別の話ですが、
NISAの対象商品すべてが元本割れしない、印象をうけてしまいますね。
嘘じゃないけど、、、、誤解を招きますね、
年金の投資で大損することがチョクチョクある国が、国民に投資をお勧めしているのですから、心して、いただきたいなあ、と思います
そのうえで、得するも、損するも自己責任!、ってことです
NISAに関わり調べたことや、議会で取り上げたことを掲載します
今回は、網羅的に、書きます。
ご不明点はいつでもどうぞ!
*少額投資非課税制度NISAという国の施策の特徴や注意点について
取り上げています。
個別の商品などへの投資アドバイスではありませんので、ご注意ください。
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株価も、物価も、金の価格も上がり、上がらないのが、賃金、あるいは中小企業や個人事業主の所得です。
こうした中、2014年に始まった少額投資非課税制度NISAは、
2024年に新NISAにかわり、2025年6月末で、買い付け額は、累計63兆円になりました。
累計口座数は2696万口座。
NISAは一人一口座なので、
口座を開設できる18歳以上人口約1億人のうち、4人に一人以上が、NISAの口座を開設したことになります。
証券業協会が、今年1月に行った「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査」は、
年収「300万円未満」の者の割合が39.7%と最も高く
「300万円~500万円未満」の者の割合が27.7%と続く
高年収帯に限らず、幅広い年収帯で新NISAが利用されている。
と分析しています。
ケネディ大統領の父ジョセフケネディが、
靴磨きの少年までもが株価の予想をしていたことから、株式売却を本格化させ、
世界大恐慌の時に無傷だったと言う話がありますが、
国が進めるNISAは、これを思い起こさせるくらい広がっています。
「足りない収入の足しにしたい」
「インフレで目減りする預貯金を増やしたい」など、政治が招いた経済状況はNISAを急増させています。
本来であれば、
国民の所得を安定させる経済構造や、社会保障を作るのが政治の役割ですが、
そこは政治が規制緩和で壊しておいて、
住民税の基礎控除引き上げさえ首長などに言わせて、減税を据え置くのに、
非課税をうたい文句に国内外の株式や投資信託などに投資させるのですから、
国民を投資に誘導しているように見えます。
投資ですから、利益が出ることもあれば、損をするリスクもありますが、
心配なのが、
金融庁のNISAについての説明が、読む人に、投資のリスクを軽視させるのではないかということです。
たとえば、「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」には
「5年という比較的短い期間だと、投資を始めたタイミングによっては大きな収益が得られることもあれば、元本割れになることもあります。
ところが20年という長い期間では、どの時点から始めても、収益は安定し、少なくとも、1989年以降のデータでは元本割れとなったケースはありませんでした。」
と書かれていますし
キャラクターに
「でも、株式や投資信託には元本割れのおそれもあるよね?」と言わせ、
それに、答える形で
「長期、分散、積立、といったポイントを抑えることで、リスクを軽減し、安定的な資産形成が期待できます。」
と説明しています。
元本割れしない、と国が言っているのは、株式や債券だけで、全体の半数以上を占める投資信託は含まれませんから、まず、誤解を招きます。
1989年以降の20年と言えば、バブル、絶頂から、バブル崩壊、リーマンショックまでのデフレ含む特殊な時期で、インフレが進む今とは、環境が違います。
外国株式や外国債券などにも投資できますから為替変動リスクや、証券取引所が開いている時間帯の時差があることも、知っておかなければなりません。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2024年度7-9月(第2四半期)の運用収益率がマイナス3.57%。外国株式・債券の運用収益が円高により相殺されたほか、国内株の下落が影響し、運用損は9兆1277億円でした。
年金制度が十分なら投資せずに済む国民に、
長期投資で元本割れしないとNISAを進める国が、
国民の年金積立金運用で損を出しているのですから、NISAで区民の老後の資金が安心か本当に心配になります。
投資だから仕方ないと想えれば、まだ良いですが、
知っていたら、預貯金で持っていた方が、
と区民に言わせたくありません。
そのうえ、
金融商品取引法(金取法)の改正で、
条件を満たせば、運用方針が同様の異なる2本以上の投資信託を1本にまとめる際の書面決議が不要になっているため、
注意深く確認しないと気づかない間に、投資信託の内容が変わる可能性があります。
その上、運用報告書の二段階化で、
簡素で分かりやすい報告は届いても、
詳細な情報は、自ら請求したり、サイトに見に行くなどしなければ、得られなくなっています。
改正時に当時の一般社団法人投資信託協会会長は、
「併合したことによって信託報酬が下がるというようなことは当然あり得る」と国会で答弁していますから注意が必要です。
「長期投資は、元本割れしない」、という言葉が、安心感になって、投資が持つリスクを自己責任で管理しなければならないことが軽視されないか心配です。
しかも
「証券会社の販売の実際においてこうしたリスク、商品性について十二分に理解されているとお考えか。」と言う国会質問に、
日本証券業協会の当時の会長は
「御指摘のようなことがないように全体で見守っていく」と答えるにとどまっています。
規制緩和で注意すべき点が増えたにも関わらず、誤解を与える恐れがある金融庁の情報で、広がり、足りない情報で売られていくわけです。
2014年のNISA開始直後に、当時の麻生太郎国務大臣はこう言っています。
「もうかるけれども損もする、という両方をきちんと知っておいていただかないと、どうにもならぬのだと思っております。」
政府は、NISAは、儲かるだけでは無いし、損もすると言っているのです。それなのに、なぜ国は進めるのでしょうか。
麻生大臣は当時こうも言っています
「日本人の個人金融資産約1600兆、うち現預金が860兆から870兆円ぐらい。
先進国、OECD加盟国の中の個人金融資産の現預金が半分以上というのは、これはどう考えてもちょっと異常。
普通は、その分が大体株やら債券に回っているはず。
これは多分みんな一時期、株屋にだまされたとか、痛い思いをみんなしているからとてもじゃねえぞということになって、私これを証券会社の総会で言ったものだからえらい不評を買った。私は事実だまされた人をいっぱい周りに見ています。
そういったのは信用できないから現金でじっと持っていくということになった。
現実問題として、異常に現預金に偏り過ぎていることはもうはっきりしていますので、少額投資非課税制度(NISA)というのを始めて、慣れていただく」
こう発言しています。
日本証券業協会の当時の会長は
「私としましては、証券界としましては、一番大事なのは、民間にある言わば資金ですね、個人金融資産、あるいは法人の余剰資金も入ると思うんですが、
この資金を、資金を必要としている企業に回していくという、
それも直接投資で回していく、株式とか債券とかそれから投資信託等々を通じて回していくと、こういうことの機能を十分に発揮することを期待されると思っています。」
リスクがあるから、株ではなく、現金で持ってきたのがこれまでの多くの日本人です。
これを、政府も、証券業界も、リスクがあることも損することがあることも認めながら、個人の金融資産を企業にまわし、株とか債券とか投資信託を持たせたい。
と作ったのがNISAだということです。
NISA口座における投資による利益は、ないものとみなして非課税としているので、
投資による損失もないということで、
証券口座であれば、受けられる「利益を損で相殺する損益通算」は、NISA口座ではできません。
NISA口座は必ずしも良いことばかりではないということです。
会議録から、当時国民にNISAをすすめていた麻生氏は、NISA口座を作っていないことがわかります。
日経平均株価が、その時の金相場で何グラムで買えるか、計算してみました。
●池田隼人首相の所得倍増計画の始まる前の1960年が、2.3g、
●バブル時の株価が最高値を出した1989年が、1960年のおよそ20倍の20g、そして、
●日の52411円。今のところ最高値の日は、何グラムかと言うと奇しくも所得倍増論の前の1960年とほぼ同じ2.38gでした。
株価が過去最高と言われて、一部では景気が良いのかと思っていましたが、
株価の上下に一喜一憂するのではなく、それで何が買えるか、その価値も大切ということです。
リーマンショックを受け、G20で金融機関の倒産の連鎖を防ぐための仕組みが作られています。
大きすぎてつぶせないと言って、公的資金を投入したことが批判されたこともあり、そこに、税金は入りません。
重要な金融機関を救済する資金はどこから調達するのでしょうか。グローバル化は、私たちのお財布にも影響するということです。
日本証券業協会のNISA口座の開設・利用状況(証券会社10社・2025年9月末時点)から、
NISA全体のおよそ4割が国内株で、およそ4割が外国の投資信託や株式に投資されているのではないかと類推できます。
この外国株など4割という数字を、
昨年1年の投資額18兆円にあてはめて試算すると、約7兆円の円を売って、ドルを買い、外国株や投資信託を買っている可能性があることになります。
昨年1年の貿易収支は5兆円の輸入超過で、ドル買い需要を作っていますから、
NISAが増やす7兆円の円売りがドル円相場に及ぼす影響は、決して少ないとは言えません。
外国資本の日本企業買いが進んでいると言われていますが、
NISAの外国株などによる円売りが円安に拍車をかけ、
円安で外国投資家に日本企業が安くうつり、日本企業買いが進み、株価があがる。
円安や株高の背景に、そういう力が働いてはいないでしょうか。
国も証券業界もリスクがあると言っているのに、
巨額な区民・国民の金融資産を投資に誘導し、
国の説明不足のまま、区民の金融資産が、
リスクある自己責任の投資に誘導されるのをそのまま放置して、
その後の社会で、区民は幸せになれるでしょうか。