長い決算の議会が終わりました。
令和6年度決算の認定に反対いたしました。
以下に、決算の認定に反対した議会での討論を掲載します。
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フェアな民主主義 奈須りえです。
第104から107号の令和6年度大田区一般会計、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、全ての歳入歳出決算の認定に反対し、反対の立場から討論いたします。
大田区の令和6年度決算は
財政健全化法の財政健全化判断比率は健全
令和六年度決算も財政健全化法に基づく財政健全化判断比率は、健全という評価です。
財政を支える区民の生活水準は下がっても
健全と判断される令和6年度大田区決算
健全な財政を支える区民生活は、
・物価に所得が追い付かず、
・手取りの価値が目減りし、生活水準が下り、
・税も社会保険料も負担感が大きくなるばかりですから、
区民から見れば少しも健全ではありません。
法の意味する健全な財政は、区民生活と乖離した指標
法の意味する健全な財政が一部の数値を加工した、区民生活と乖離した指標であることがわかります。
保育などのために払った税金が
箱モノや開発に使われる
区が基金にためている財源は、元々は、区民が保育や児童手当など社会保障のために払ってきた税金と、各種の税制改正などにより、区民負担を重くして得た税収です。
区に保育のために払い
国と都にも保育のために払わされる二重取りの構造
三位一体改革やこども子育て支援金制度などの制度改定により、国や都の補助金や企業と区民の健康保険料などで二重取りして、区の負担を浮かせて余らせ貯めています。
歳入あり方の評価もありません。
その基金を使って、箱モノや開発をキャッシュで払い、足りなければ繰り入れ、公債をほとんど発行しないのですから、
財政健全化指数が悪化することは、まずない財政構造で、指標はあまり意味を持ちません。
しかも、対象もあいまいで、箱モノや開発や公共用地の適正規模がどの程度かの検証もしていません。
にぎわいや利便性などで総量は増え、人口が減る将来世代の負担は重くなるばかりですが、
1360億円の蒲蒲線は将来負担比率に含めず
財政は健全
蒲蒲線の三セク、羽田エアポートラインは、将来負担比率の対象ではなく、
財政は健全と評価されます。
住民税の基礎控除はを引上げるより
蒲蒲線や羽田空港跡地開発や学校複合化を優先しても
財政は健全
昨年12月20日、区長も一員の全国市長会は、政府の税制大綱が出されたその日に、個人住民税の基礎控除引き上げの据え置き要望を意味する声明を出しました。
区長も蒲蒲線や羽田空港跡地開発や学校複合化の財源確保のために、据え置くべきと言う考えです。
住民税の基礎控除は、憲法25条の生存権の表れで、社会保障給付の基準ですが、その視点からの据え置きの議論は無かったと総務省からききました。
区長の頭には、特別区民税収が減って蒲蒲線や跡地開発や複合化などができなくなる心配はあっても、物価高に所得が追い付かず悩む区民の存在は無いということです。
そういう使い方でも財政は健全です。
経済発展と地球環境や人権は両立しているか?
SDGs未来都市のパンフレットには、
地球環境を壊さずに経済を持続可能な形で発展させ、人権が守られている世界の実現を目指しています。
とありますが、現実は、目指すだけで、箱モノや開発を優先し、区民の暮らしも自然環境も壊しています。
都市の気温上昇も豪雨も浸水も、その原因の大半は土に蓋をする開発や一極集中などヒートアイランドですが、責任を温暖化に押し付け、二酸化炭素の削減だけに取り組むと、開発は「しても良いことになって」、開発に抑止がかかりません。
結果、豪雨と浸水被害はさらに大きくなり、そのツケを呑川丸子川流域の区民や全ての区民に、払わせようとしています。
一部の人たちの利益になったとしても、それ以外の多くの区民がその負担を負わされる構図です。
利益を得る人は、子やその先未来永劫利益を得続けられるでしょうか。
約20年で、給与所得者が増え中でも、累進課税の時住民税率が5%だった年収およそ300万円以下の層が増えています。
区民全体が低所得化すれば、消費も税収も経済全体が落ち込み、そこからの利益を得続けることが続かないのは自明の理です。
今と将来に続く区民全体のための決算になっていませんから反対です。
長野県の県有林の碑の言葉が今の私の気持ちを表していますのでご紹介させていただきます。
その昔は森林が繁茂し、天と地はうまく融和して、雨の降り方も日の照り方もみなほどよいものであった。
大風や雷の日も定まった時期に起こり、水利は確保され、災害も起こらなかった。
明治維新以降様々な事業が興り、ついには乱伐の弊害に陥った。
季節外れの暑さ寒さが訪れるようになり、霜害や水害がたびたび起こるようになった。
これを憂い、明治37年、時の県知事関清英が、県自らが森林の経営を行ってその模範を示し、全県下に植林を奨励しようと設置されたのが県有林の始まり。
事業を継承し努力して怠らなければ、信州の山々は再び昔の鬱蒼とした姿を取り戻すが、もし疎かにすれば、森林は日一日と荒廃してしまうことであろう。
この事業を全うして成果を上げることができるか否かの責任は、まさに後世の人々にある。
そしてその恩恵をこうむるのもまた後世の人々である。
後世の人々はどうして懸命に努力を重ねずにおられようか。
こう結ばれています。
時の県知事関清英は、私の曾祖父の弟です。この言葉をもって、後世の私の討論とさせていただきます。
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*決算への意見は、もっと詳細に意見できるのですが、
一人会派は、5分しか発言できません。
以前は、時間制限なく、発言で来ていたのに、数年前に「多数決」で変えてしまいました。(末尾にこのことについて少し書いておきますね)
有権者のみなさんは、個人名で投票して下さっているのに
大きな会派に所属していた方が、「目立つ」のも、おかしいなあ、と思っています。
特に、私は、いわゆる国政の与党や野党やとは、一線画した意見を持っていますので
区民のみなさんには、ぜひ、知っていただきたいなあ、と思っています。
因みに、
自民無、公明、つばさ、共産・・・30分
立憲・・・・・・25分
維新・・・・・・15分
国民・都ファ・・10分
一人会派・・・・5分