【2022年度予算】固定資産税大幅増の影響の心配 R3年度限りの固定資産税評価替え据え置きが終わり
大田区の予算議会が始まります。
予算が公表され、分析を始めているところです。
コロナで景気悪化と言われますが、意外にも税収は増えており、区民税、特別区交付金はいずれも増収です。
中でも固定資産税の増が気になっていますが、その影響の一つが、昨年行われた固定資産税評価替えです。
2021年1月に行われ、固定資産税評価額が大幅にあがりました。
地域によって差がありますが、大田区ですと10~20%程度あがっているようです。
この20%というのは、急激な上昇を抑制するための上限なので、かなりの上げ幅だということがわかります。
2021年度は、コロナの影響も加味され、据え置かれていたため、固定資産税評価額が大幅に上がったことに気づいていない方も多かったと思います。
実際、税負担は一年据え置かれましたが、1年限りであることや、評価額が上がったことには変わりなく、最終的には課税される可能性が極めて高いので、こうした影響に敏感な事業関係者などは、昨年からさまざまな形で動き始めてきているのかもしれません。
評価額が上がったということは、不動産売買価格が上昇しているということで、昨今の物価の上昇などをみていても、影響は出始めています。
一方で、評価額の据え置きですが、住宅地は2021年度限りですが、商業地は、今年と来年のあと2年(2023年まで)継続されます。
http://nasurie.com/wp/wp-content/uploads/2022/02/0b742dd0da95c73291acc0376235e475.pdf
今年の大田区の固定資産税に関わる税収は、特別区交付金と言って、法人住民税などと合算して東京都から交付されているのですが、80億円=11.9%も増えています。(法人住民税と合算なのですが内訳を大田区は明らかにしません)
下の棒グラフの税収の推移をみると、青の部分が特に2022年度、大きく増えていることがわかると思います。
住むための住宅への課税が増えることは、自由に使えるお金(可処分所得)が減ることを意味します。
事業用の資産の場合には、程度の差はありますが、ものの値段にその分を上乗せして回収することになりますから、物価があがります。
売値をあげて売り上げが思わしくなければ、経営が悪化する事になります。
テレワーク、コロナで密を避けるための収容人数の減、営業時間の短縮、外出を控える動き、ネット販売に移行、大規模イベントの減、など社会を激変させる大きな動きが、数多くありますが、そうした中で、不動産価格があがり、固定資産税の評価額が増えています。
結果として、日本の経済形態が、大規模事業者に有利なシステムに移行しているように見えるのは私だけでしょうか。
政治は、これらをコロナだから仕方がなかったと済ませるのでしょうか。
住宅地の評価額据え置きは1年限り、商業地はあと2年据え置かれます。
事業者は、税負担の急激な上昇を緩和され、その間に準備ができるかもしれません。
これは、政府が、税制大綱で決めたこと、政治が決めたことです。