ここが問題、大田区財政
今年の予算の大きな特徴は、昨年からの企業の好調な税収を反映し、法人関係の税収が大幅に伸びたことだと思います。
大田区では、法人住民税などで80億円も増えています。
私たちが政治に経済対策を期待するのは、
所得が増える
雇用が安定する
増えた税収で社会保障を充実させ暮らしの安心を得られる
などからだと思いますが、増えた税収で大田区は何をしているかといえば、相変わらず、土木工事や建設工事で、事業化のめども立たない蒲蒲線には10億円も積み立てました。
蒲蒲線だけで積立総額は88億円、基金増額は1000億円を超えています。
財政の原則は、その年いただいた税金をその世代のために使うことだと思いますが、大田区は、いつ事業化されるかわからないもののためにためているのです。
そのうちの約6割は、開発や箱モノにしか使えないようにしています。
しかも、大田区は、運用益を稼ぐため、基金で20年物の国債などを買うようになりました。
国は財源不足で国債を発行しますが、大田区は、集めた税金を余らせて国債を買う。
私たちは国債買うために税金払っているのでしょうか。
大田区の税金の使い方は、おかしいと思います。
税金余らせるほど、社会保障サービスが充実しているかといえば、特養に入ろうとすると1000人待っていて入れません。入れても、利用料は年金だけでは足りず、貯金を切り崩さなければなりません。
今年のように、好調な法人税収があるなら、社会保険料負担を減らしたり、福祉サービスを充実させたり、利用料負担を軽減するべきだと思います。
ちなみに、大田区が買い支える国債ですが、
財源不足で国債を発行し続けている状況に財務官僚が、消費税などを挙げるべきという趣旨のレポートを文芸春秋に出しました。
私も財政は健全であるべきと思いますが、財務省は、負担には、医療、介護、年金保険料を含めていません。
税ではなく保険料だからだそうです。
国により、社会保障サービスは、税で担うデンマークのような国と、日本のように社会保険で行う国があります。
これほどに税負担が少ないのは仕組みが違うからで、それを根拠に単純に増税というべきではありません。
日本の場合、窓口負担も大きくなってきていますが、これも、私費扱いで、税や社会保険料にさえ含まれません。
デンマークなどは、基本医療費負担はないそうです
国により違う制度なのに、日本の負担が小さいから、増税ではなく、私たちは、何に、どう負担していて、それが適正かという本質的な議論をすべきです。