やっぱりアンフェアだった税制改正 ささやかな投資益に源泉分離課税を選べなくなることで保険料等が大幅増

区民の方から、今年から介護保険料と医療保険料が大幅に増えるがどうしてだかわかるか、と尋ねられました。ん?今年は保険料改定ではあるけれど、増え方がそれにしては大きいので、もしやと思って、分離課税を選べなくなるからですか?というと、その通りでした。議案に反対した記憶があったからです。

サラリーマンなどの給与への税率は、所得税が、最高税率45%、住民税が一律10%に対し、利子や配当などへの課税は、分離課税といって、所得税15%、住民税5%と低く抑えられています。

そもそも、不公平な税制なのですが、

上場株式を持っていて、配当所得があると、これまでは、住民税は申告せず、配当所得分は分離課税で本来住民税が10%のところ、5%を選べ、特定配当等に係る所得金額は総所得金額等に算入されませんでした。

ささやかな、税制優遇を受けることができたのです。

ところが、これが、分離課税を選択すると、上場株式等に係る配当等の所得金額は、総所得金額等に算入されることに改正したのです。

調べたら、令和4年=2022年の第二回定例会で、特別区条例を改正して、所得税と住民税で分離課税、総合課税異なる課税方式が選択できていたのに、同じ課税方式を選ぶよう改正されていました。

その時、大田区議会で、反対がフェアな民主主義 奈須りえ一人だけだったので、覚えています。

 

 

私は、今の政治が、投資家利益最優先で問題だ、と指摘していますが、全く設けるなということではなく、不公平な仕組みによるもうけすぎがよくない、と言っています。

最優先、という言葉通り、他者との格差を大きく広げてしまうことになるのです。

国は、一方で、投資せよと言っていますが、こういう改正をみれば、投資で、給与所得者を、本気で、儲けさせようとしていないことがよくわかります。

そして、この優遇している投資家も、ほんの一握りで、主には、世界を股にかけて経済活動しているグローバル企業などを優遇してきたわけです。結果、国内の中小企業等をはじめとした国内資本を冷遇するかたちになってきていることは、私たちが、様々な場面で感じていることです。

 

行き過ぎた資本主義は、結果として、多くの、低所得者層と、ほんの一握りの、超富裕層という、格差社会へと向かうことになると思います。

今からでも、少しでも、是正すべきだと思います。

 

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以下、その時の討論です。

 

第35号議案 大田区特別区税条例等の一部を改正する条例は、2017年に所得税と住民税で分離課税、総合課税と異なる課税方式が選択できるようになったものを再び戻すための税制改正です。

所得税では総合課税で確定申告をし、住民税では申告不要を選択することで節税できていた給与所得者の所得一定以下、大体900万円とも言われる層が同じ課税方式を選ばなければならなくなります。

新しい資本主義は、貯蓄から投資のための資産所得倍増プランを掲げていますが、この税制改正により、税制優遇の恩恵を受けるのは、配当や譲渡所得が主な収入源の投資家で、サラリーマン投資家は投資利益と税の優遇を夢見ることもできません。投資家と労働者の階級の固定化政策のようにさえ見え、国の制度ですが、反対です。