第三回定例会補正予算の論点 その1)区報 ふるさと納税特集号発行の是非
ふるさと納税が、その本丸に来ている段階です。大田区が、ふるさと納税特集号の発行費の補正予算を出してきました。
そもそも、補正予算は、予算編成後の急激な変化対応するもので、ふるさと納税は、そのズーッと前から、制度上位置づけられていますから、当初予算で対応すべきものです。
しかも、大田区は、ふるさと納税は、区の税収が、他自治体に流出するので問題だと言っていますが、他自治体の方が大田区に寄付してくださるのはダメかと言えば、寄付のしくみをPRすると言っています。
制度上の問題を指摘しているように答弁し、もっともらしい説明をしていますが、大田区に寄付してくれ、税収が増えるなら良いということだと思います。
ふるさと納税は、国が作った仕組みですが、どこに問題があるのか、本丸に来ているという意味は何なのか、ご説明したいと思います。
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大田区が、ふるさと納税特集号の発行費の補正予算を出してきました。
そもそも、補正予算は、予算編成後の急激な変化対応するもので、ふるさと納税は、そのズーッと前から、制度上位置づけられていますから、当初予算で対応すべきものです。
しかも、大田区は、ふるさと納税は、区の税収が、他自治体に流出するので問題だと言っていますが、他自治体の方が大田区に寄付してくださるのはダメかと言えば、寄付のしくみをPRすると言っています。
実際、大田区のHPでも大田区への寄付をアピールしています。
ふるさと納税の制度上の問題を指摘しているように答弁し、もっともらしい説明をしていますが、大田区に寄付してくれ、税収が増えるなら良いということだと思います。
ふるさと納税は、国が作った仕組みですが、どこに問題があるのか、
本丸に来ているという意味は何なのか、ご説明したいと思います。
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私は、ふるさと納税は、問題のある仕組みだと思っています。
大田区は、、
■一年間の減収額(R5:約50億円)
■これまでの減収額(H27~R5:約220億円
と言っていますが、この間も、大田区は税金を余らせ、蒲蒲線や公共施設整備に使うためにせっせと貯めてきました。
大田区ホームページ:区民税が大田区から流出しています! (city.ota.tokyo.jp)
大田区の場合、そもそも、税金が高すぎるのです。
■一年間の減収額は、公園や道路などの維持管理(維持補修など)経費約1年分です
■これまでの減収額は、公園や道路などの維持管理(維持補修など)経費約4年分に及んでいます
と言いますが、ふるさと納税の流出で、公園や道路の維持管理が滞っているという話は聞いたことがありません。
私は、減税すべき、と思っていますが、ふるさと納税という形で、他自治体に返礼品を対価に寄付を促す仕組みを国が作ったのは、どうかと思います。
大田区が、「ふるさと納税のしくみがおかしい」と声をあげるなら、それは、大切なことだと思ったので、質疑したら、
不合理なふるさと納税が問題だと反対する想いは同じだったのですが、
区は寄付で応援できるしくみのPRをする
と答弁しています。
そこで、気になるのが、企業の寄付のしくみです。
今年、地域産業委員会の視察で京都市に行き、企業版ふるさと納税のしくみを使った文化振興策を学んできました。
これは、地方交付税の交付団体しか使えない仕組みで、大田区は東京都とともに、不交付団体(=国から地方交付税交付金をもらっていない国から税収が豊かだとみられている自治体)なので、使えません。
この企業版ふるさと納税のしくみを説明する動画をみると、
企業側からのメリットとして
●社会貢献する企業としてのPR効果
●自治体とのパートナーシップが得られ、寄付先の自治体の資源を生かした新規事業展開が期待できる
と説明しています。
留意点に
●寄付の代償として経済的な利益を受けることが出来ない
●が、寄付企業名をHPで公表したり企業名入りの銘板を設置することは可能
●また、公正なプロセスを得た契約は可能
とあります。
ふるさと納税は、住民税ですが、寄付には、法人税もあります。
大田区は、勝海舟の寄付で全額法人税法上の損金に算入できると書いています。
大田区ホームページ:勝海舟基金手続き (city.ota.tokyo.jp)
これまで、ふるさと納税は、寄付に対する区民の拒否感や違和感などをなくすための地ならしで、本丸は、法人の寄付ではないかと思うのです。
一般財源として納付されるべき法人税ですが、寄付のしくみを使うと、法人が納める税金を、特定の事業に使えることになります。
箱モノ、物品、開発、、、、
大田区ホームページ:大田区公民連携SDGsプラットフォームを設置しました (city.ota.tokyo.jp)
ある物や事業に寄付すると、その物や事業にその寄付(税金)を使う道筋が、議決の前にできてしまいます。
企業は、納めた税金を、望むことに使えることになります。(どこまでか、というのはありますが)
昨今は、入札ではなく、プロポーザルで事業者を決める場面も増えています。
公民連携プラットフォームなら、事業者は大田区と相談して、課題解決するようになっていますから、そういうことも、可能になるのではないでしょうか。
所得再分配調査で、事業者の納めた税金が対象になっていないのが気になっていたのですが、
社会保障は、個人が納めた税金と国に納めた消費税とで、まかなわれ、
事業者が納めた税金は、社会保障に使われないどころか、
この企業の寄付のしくみと、行政と相談しながら区政を執行できる仕組み=公民連携を使うことで、一部の企業は、望む分野へ使えるしくみができるように思えます。