大田区100%出資の外郭団体「大田区土地開発公社」という存在と大田区が区民にしなければならないこ
大田区が100%出資している「大田区土地開発公社」や大田区の土地の買い方についての問題、課題はこれまで何度も指摘させていただいてきています。
毎年、第二回定例会において、議会に報告される外郭団体、第三セクターの報告ですが、今回は、「大田区土地開発公社」の報告のありかたについてお話しします。
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報告第17号、大田区土地開発公社の経営状況に関する書類の提出について質疑させていただきます。
土地開発公社は、大田区が直接買うことのできない土地を、大田区にかわり先行取得しています。
例えば、今回の補正予算に計上されている南雪谷5丁目の公園用地は、土地開発公社が平成21年11月に取得したもので現在土地開発公社が保有しています。今後、整備計画が示され、大田区が買い戻すことになります。
ところで、現在、土地開発公社が保有している土地は、33カ所。購入金額に支払利子、諸経費を含めた簿価総額は、91億5千763万787円になります。実に、たくさんの土地を土地開発公社が保有していることがわかります。
土地開発公社は金融機関からの借入金により土地を取得するため利息がかかります。例えば、平成22年度土地開発公社が支払った利息は6325万7488円にのぼります。
一方で、平成22年度に大田区が買い戻した土地は16カ所。総額で、23億8720万9363円になりますが、1カ所を除き、平成20年以降に購入した土地でした。大田区が直接買うことができないが、先行取得が必要であると判断して購入しているため、通常は、3年を待たず、買い戻されていることがわかります。
しかし、現在、土地開発公社が保有している土地の中には、平成4年に取得した土地をはじめ、既に金融機関への返済も終え、長期間保有している土地が14カ所にもおよびます。
平成22年度に事業化された公社が保有する土地のほとんどが、最近取得した土地であることから、この長期間保有している土地が、事業化されるのかどうかは大変気になるところです。
ところが、毎年示されている、土地開発公社の事業計画は、次年度、土地をどのくらい購入するのかだけで、この保有する資産について、どのように活用するかは、どこにも示されていません。本来、事業化するのは土地開発公社ではなく、大田区ですから、大田区が、土地開発公社の事業計画を示すと同時に、この、土地開発公社の土地活用について、示す必要があるのではないでしょうか。
大田区は、普通財産も数多く所有していますが、これら普通財産さえ、事業用普通財産として活用したり、貸し付けたりしている中、土地開発公社が保有する土地が有効活用されず放置されている現状は、非常にもったいないと感じます。
大田区は、駐輪場などで活用していると言いますが、行政財産に駐輪場があるにもかかわらず、駐輪場とした時点で大田区が買い戻さず、土地開発公社に保有させている違いは合理的に説明されていません。
土地開発公社の事業報告にあたり、保有する資産の活用方針を示さなければ、これらの土地はいわゆる塩漬け土地として今後も放置されかねません。コインパーキングや圃場として暫定利用されているものもあるようですが、土地開発公社の経営状況の適否を判断するためには、保有している土地の活用状況や今後の活用方針も今回の事業報告に合わせて報告するべきではないでしょうか。
また、土地開発公社が保有していれば、利息を支払わなければなりませんが、現在、土地開発公社が保有しているために、今後、大田区が支払わなければならない利息は、2億8269万5835円にも及びます。
これは、先行取得後、事業化が速やかに行われれば行われるほど、支払う必要のない費用です。
速やかな事業化についての方針もまた、全く示されていませんが、土地開発公社の報告を審議する際に重要な視点です。
これらもまた審議の際にお示しいただく必要があると考えますがいかがでしょうか。
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これらの質疑に対して、大田区からの答弁は実質ありませんでした。これまで通り行っていくということです。
前の区長の時に買った土地の後始末をなぜ、今しなければならないと言うことでしょうか。
結果として、塩漬けになっている土地は中途半端な存在のまま放置され大田区の隠れ不良資産として残って行きます。
ま た、大田区が購入した土地には、都市計画道路用地がありますが、都市計画道路という名目ですが、都市計画道路上にある土地と近隣で代替え地(道路になって しまうところに住んでいる方の移転先として提供するための土地)とにわかれます。いつ動くのかわからないいわば、留保されているような計画周辺の土地が購 入されている状況も考えれば、今後塩漬けになる土地が更に増えかねません。
それに加え、「まちづくりのタネ地」更に第三セクターの「蒲田開発」に買わせている土地、と土地に係る案件が多すぎると考えるのは私だけでしょうか。