議会費の推移から見える友好親善してる場合ではない大田区議会の厳しい財政状況と民主主義の危機

大田区議会は、友好親善などで、今年はセーラム市、大連市・北京市、スイス・ドイツに行っています。

そして、今度は、長野県東御市への友好親善です。

平成25年には
セーラム市、大連市・北京市、スイス・ドイツ・チェコに行きました。

私は、議員が友好親善をすることについて否定しません。

◆限りある財源と議員の視察や友好親善訪問

しかし、財源には限りがあり、政策の優先順位をつけなければなりません。
目的や内容により、議会費で行うのか、政務調査費なのか、私費なのかなど、だれが負担すべきかという問題もあります。
また、議会費全体で何に使っていくかという問題も考えなければなりません。

◆経費削減の努力をしてきた大田区議会、それでも増える議会費

大田議会としても費用弁償の6000円から3000円の削減など、区民の信託にふさわしい議会として、改革をすすめています。
また、区議会でとるコピーや印刷は、議員個人の負担になるなど、経費削減もしています。

しかし、それでも、議会費は減るどころか増えています。

◆議員を減らし、議会事務局職員を減らし、それでも「なぜ」増える大田区の議会費

平成10年の議会費は、議会事務局条例定数(予算書から)が22人、議員定数54人(当時は51人)で9億6千万でしたが、平成26年度決算では、議会事務局員条例定数(予算書から)は5人も減った17人で、議員定数は50人と4人減っているにもかかわらず、議会費が10億2千800万円と増えていることの意味を私たちは考える必要があるのではないでしょうか。

区政課題は高度化複雑化している中、それを支える事務局機能が小さくなり、区内調査もしなくなる一方で、海外の友好親善、特別委員会の視察、本委員会で出されるITC化視察、そして海外友好親善調査など、議会費の中の旅費は、一時、減りましたが、費用弁償で減った分を考慮すれば、その分視察で増えてはいないでしょうか。

それを考慮すると、議会費は、区議会議員と議会事務局の人員を減らして、調整してきたということになります。

◆議会費を圧迫する廃止した議員年金負担分

長くなるので、別の機会にゆずりますが、議会費が増える要因の一つには、廃止した議員年金の現在受給している方への負担の一部を議会費で行っているという問題もあります。

議員年金廃止に伴い共済費が増えています。平成27年度予算では議会費総額が10億2千800万円ですが、そのうち共済費は2億1千万円にもなっています。
今後も増えることになるでしょう。

議会費が減るということは民主主義の力が小さくなるということにもなりかねません。

 
◆区政課題の高度化に対応するには「物」でなく「人」


また、ipadを買ったり、登庁板を買い替えたりするなど人ではなく物に議会費が使われるのも目立ちます。これは、議会費に限りませんが、
税金の使い方として大きな問題点の一つでもあると思っています。

コンクリートから人へというスローガンがありましたが、大田区の税金の使いみちは、職員を減らしてきましたが、それに伴い、箱ものや土地もありますが、イベントや広報宣伝費も目立つようになりました。


議員の立法機能を高める、議会事務局調査機能を高める、区民に開かれた議会にするため、動画配信できる体制を整える、議事録アップのスピードを速める、傍聴者に資料配布できるしくみを構築する、ほかに優先順位があるのではないでしょうか。

友好親善都市として長い東御市ですが、2003年(私の初当選)以降、4年に一度改選後、伊豆高原学園や館山などに区外施設視察は行ってきましたが、友好親善で議会費を使って訪問したという記憶がありません。

何かの節目であったり、議会としての目的が明確であれば必要性も見出せますが、それも明確ではありません。


一方で、区内調査は議会事務局にさせず、友好親善と他自治体の調査しかしない大田区議会はどのような議会を目指しているのでしょうか。

議会改革の視点から、増える友好親善を議会費で負担するという使い方には賛成しかねます。