大障連からの障害福祉施策に関する公開質問と回答
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地方分権で社会保障の責任主体は大田区になって(国から大田区に変わって)います。そのため、当然、障害福祉含めた福祉にきちんと予算を配分することが、大田区が行わなければならない優先的な責務だと考えています。
特に障害者権利条約が批准され、国内法や条例は、運用に際し、この条約を守る形で、合理的配慮がなされなければならないと思います。社会保障の増加が財政の健全性にとって脅威という論調は、(国もそうですが、)大田区の責務がどこにあるのか、その責務を果たす視点で見たとき、何に優先的に使っているのか、をみない、単なる出と入りの論点でしかありません。
都条例設置による民間事業者への合理的配慮義務の明確化は、進まない差別解消の大きな前進となることを期待するものです。一方で、条例はできても、企業に配慮を求めることは、
1.具体的な合理的配慮は多岐にわたるうえ、理解と意識が不十分
2.課題によっては、経済的負担を伴うため、コスト負担できない、あるいは、避ける企業もあると思われる
3.これらを推進させるためのインセンティブが見えにくい
4.インセンティブの一つには、都民、区民の評価=消費者の評価が、本来あるべきだが、社会全体が、障害者差別に対し、意識が低い
これらを解消するための教育や周知、評価の仕組みは、区民・都民、事業者、行政職員、すべてに必要で、大田区がきちんと取り組まなければなら役割だと思います。特に事業者に対しては、行政が支援することも、ありえると思いますが、一方で、この間の税負担の推移をみると、本来、企業の社会的責任の範囲で要件を定め、大規模事業者などは、安易な税投入ではなく教育や周知を義務付け、企業負担させてはどうかと思っています。
今後、合理的配慮にさらなる義務化が明確になれば、経済的負担が困難な小規模事業者にしわ寄せが生じるため、そうした企業への支援が必要です。本来、都区の関係から見れば、東京都の大都市事務で行うべきですが、大田区としても、取り組む必要があると思います。