羽田空港飛行ルート変更案、松原忠義大田区長は、認めて区民・都民の空の権利を破棄するのか、守るのか
羽田空港飛行ルート変更案を認めれば、都心低空飛行が始まります。
今、都心低空飛行は行われていません。国と大田区との間の覚え書きが、これを担保しているからです。
新飛行ルート案を認めれば、覚書が破棄され、私たち大田区民・首都圏の住民の空の権利が奪われます。
大田区と国との約束から新飛行ルート案について質問しました。
フェアな民主主義奈須りえです。
今回の羽田空港飛行ルート変更の提案は、今の飛行ルートのうち、15時から19時の飛行ルートを変える提案です。
では、今は、どうなっているか、ここに深くかかわっているのが、羽田空港の沖合移転です。
「東京国際空港撤去に関する決議」にある「航空運輸事業の公共性のみを重視し、地域住民の生活環境を無視した当局の、この計画には絶対反対するものである。現状において、区民生活の安全と快適な生活環境が確保されない限り、当区議会は、東京国際空港の撤去を要求する。」
という決議は、区民生活のの安全と快適な生活環境の確保を第一に、区民に選挙でえらばれ、区民から信託を受けている私たち大田区議会の誇りとも言うべき決議です。
羽田空港対策特別委員会が設置されているのも、この区民生活のの安全と快適な生活環境を守るためにほかなりません。
そこには、空港がもたらす利便性や、経済利益をどのように区民生活に波及させるとか、といった視点もありますが、安全も環境も確保されない利便性や経済利益はありえませんし、それが、区民の安全や環境の犠牲のもとの、利便性や、経済利益となると話は全く違ってきます。
ましてや、日本国民でもない、貿易自由化に伴う外国資本の投資利益となれば、区民国民の富が外国資本に流れるだけでなく、再び羽田に再投資される保証もなく、タックスヘイブンで、国外に流失してしまう問題も私たちは抱えています。
蒲田の説明会で旅客機は、半分は貨物を同時に運んでいるという説明員の説明は、この増便が観光客ではなく、貿易自由化に伴う物流の問題だということを教えてくれます。二国間貿易協定に伴う農産物等の流入です
いずれにせよ、今、私たちは長い歴史的経緯を経て、羽田空港の今の原則内陸を飛ばないという飛行ルートを勝ち取り、その運用方法を守ってきました。
羽田空港の沖合移転の際の、1986年4月(3月作成)の「ハ・ネ・ダ新しい空へ――羽田空港沖合展開のあらまし――」の中で当時の運輸省(中曽根政権時)は、羽田空港の沖合展開計画の狙いとして、1 騒音問題の解消、海から入り海に出る滑走路運用方式、音の沖合移転。「海から入り海に出るという運用方式を100パーセント採用することにより騒音問題を抜本的に解消することができます。羽田空港の沖合展開は、いわば音の沖合移転ともいえます」と書かれています。
それでは、この原則、陸域は飛ばない、今の飛行方法=羽田空港の運行は、なぜ
今日まで守られているのでしょうか。
それは、今日、みなさまにお配りしている、国と大田区との文書があるからです。
再拡張後の羽田空港の運用について、国が、大田区に打診してきたのが、1ページの平成21年5月28日です。これに対して大田区は、不十分であるとして、平成22年5月14日に、国からの羽田空港の運用について、回答をしています。
5ページです。
これらの文書により、現在の羽田空港の運行の原則が定められています。
離発着の原則である、海から入って海へ出るという公文書は無いと言った詭弁を大田区は繰り返してきましたが、現在の飛行方法を守ってきたのがこの文書です。
そこで、伺います。
以下の4つの質問に「はい」か「いいえ」で簡潔にお答えください。
●大田区と国は「D滑走路供用後の東洋国際空港の運用について」に書かれている運用を変える場合には協議する、に基づき協議していますか。
●たとえば、今回の飛行ルート変更の提案は、15時から19時に限った運行で、それ以外の飛行方法はかわりません。
15時~19時以外の運行において、今ある「D滑走路供用後の東洋国際空港の運用について」が有効に残ることは文書で確認されますか。
●国が提案している15時から19時の運行は、現在ある「D滑走路供用後の東洋国際空港の運用について」のように文書で、ルートや便数、高度、滑走路の整備の要件ほかが担保されますか。
●文書で担保されないと言うことは、「D滑走路供用後の東洋国際空港の運用について」今後、変わることがあるということではないですか。
具体的に、何がどう守られてきたのか、見てみたいと思います。
北風時の
AC滑走路の南側から着陸してC滑走路の北側、およびD滑走路の東側へ着陸すること。
南風時の、
BD各滑走路の東側から着陸したAC各滑走路の南側へ離陸する。
という原則が守られ、
そのうえで、これに対し、不十分であると、大田区が、平成22年5月に出している文書がこれを補完する形で、
たとえば、資料番号6、
1ページ1②の国の提案でAC滑走路北からの着陸が提案されていますが、今A滑走路を北から着陸できないのは、
3(2)で、南風時A滑走路北側からの着陸に使用する場合は、公用機、プレス機、ゼネアビ機、小型民航機に限定する、と書かれ、15回しか飛べないことになっているからです。
しかも、3の(2)に昼間の時間帯の滑走路の使用方法について別紙の2のとおり、とあるように、13ページに詳細な飛行方法が書かれているなど、海から入って、海へ出る、の原則はこの文書が担保している形です。
今回特に大田区への影響が心配される、B滑走路の離陸は、国からの最初の文書で、1ページ1の①で、B滑走路は東側への離陸、②で、東側からの着陸とあるように、B滑走路西向き離陸は記されていないから、今、B滑走路西向き離陸は行われていないのです。
しかも、5ページの3に、B滑走路の離陸は、C滑走路またはD滑走路が閉鎖で使用できない場合で、南風の時に限定されています。
13ページには、たとえば、北風時は1のアの(1)、南風時イの(1)で着陸復行ゴーアラウンドのの方向まで、内陸にできる限り影響を及ぼさないようその原則が記されています。
しかも、13ページに、深夜早朝の時間帯の23時から5時までについて、13ページの2で、北風の場合、原則、大田区羽田のまちから遠いC滑走路の南側から着陸して、一番沖にあるD滑走路の東側へ離陸、南風の場合、D滑走路東側から着陸して、C滑走路の南側へ離陸すると記されています。
そして、滑走路の閉鎖で使用できない場合についてだけ、住宅側に近い、A滑走路南からの着陸やC滑走路北への離陸、滑走路の南への離陸や、C滑走路の北からの着陸を認めています。
現在、国と大田区とで交わしている約束は、単に、大田区上空を飛ばないだけでなく、使用する滑走路をできる限り、羽田の住宅地から遠いCD滑走路を使うよう配慮したり、離発着の向きを考えて設定されているのです。
大田区上空を飛ばないから大丈夫という方たちは、あらためてこの大田区と国との文書を読んでほしいと思います。
大田区にも影響するのは明らかなのです。
資料に記している通り、平成23年3月の羽田空港に関する対策の経過に書いてあって誰でも見ることができますから。
今回の国の提案は、これらの、国と大田区とのいわば覚書を破棄する内容になっています。
15時から19時とは言え、飛ばすということは、この約束を守らないこと言うことなのです。
この協議ですが、何をもって整ったことになるのでしょうか。
国は、大田区に教室型説明会を開催していないにもかかわらず、任意団体である「東京国際空港(羽田空港)移転騒音対策連合協議会」には説明を行ってきています。
大田区は長い歴史的経緯の中で、騒音問題について、各地域がこうした団体を作って騒音や環境問題を訴えてきました。
そうした団体が一緒になって、羽田空港移転対策連合協議会
を作り、国や東京都に働きかけてきた経緯があります。
羽田空港移転対策連合協議会は、羽田空港に関する対策の経過(24)の平成10年3月発行に掲載されている規約から、その目的が
1. 大田区から航空機郊外を除去するため、羽田空港を羽田沖合へ早期に移転させるとともに、移転後の空港跡地の利用鋭角については地元住民の意向を十分反映させることによって、大田区民の良好な生活環境を取り戻すこと
であることがわかります。
だから、ここに説明をしてきたのでしょう。
ところg、この団体は、平成14年に名称を
東京国際空港(羽田空港)移転騒音対策連合協議会
にかえていますが、規約はどこにもなく、目的が同じなのか変更されたかもわかりません。
航空公害を除去することが残っているのか、無くなったのかもわかりません。
羽田空港に関する対策の経過に規約は掲載されていません。
にもかかわらず、この団体に、国は、飛行ルート案について、
毎年各三回ずつ、国交省は説明してきています。
そこでうかがいます。
●国は「東京国際空港(羽田空港)移転騒音対策連合協議会」に今回の増便や飛行ルート変更について情報提供する場を設けていますが、なぜここにだけ、教室型説明会とも言うべき説明を行い、他の区民には教室型せt冥界は行われていません。
そこでうかがいます。「東京国際空港(変だ空港)移転騒音対策連合協議会」の意見はどのように位置づけられていますか。
ここで明らかなのは、大田区長が新飛行ルート案を認めれば、区民の権利を担保している文書を破棄することになるということです。