羽田空港飛行ルート変更で、KAMATの高度が下がると常時都心低空飛行が始まる心配

羽田空港の飛行ルート変更で注目しなければならない問題の一つに、KAMATというポイントがあります。多摩川を上流にさかのぼった下丸子?のあたりにあるポイントのことです。

大田区は国交省と、ここを9000ftの高度を確保して飛ぶことを約束しています。

KAMATは以下の黄色の部分で、ここを9000ftで飛ぶということは、都心上空の飛行高度を9000ft以上確保することになっています。

ところが、新筆耕ルート案では大井町上空を1000ftで飛びます。KAMATのポイントの約束とは違う飛び方です。

新飛行ルート案を認めることは、KAMAT9000ftの約束をなくすことではないでしょうか。

そうなると、羽田を離発着する飛行機だけでなく、区内上空を飛ぶ飛行機の高度、首都圏上空を飛ぶ飛行機の高度が高くなる可能性があります。大田区HPにもあるように、このポイントは、区内上空経由に市域飛行ルート、つまり、札幌大阪便なども含まれているからです。

 

大田区HPには、羽田空港の再拡張後(空港沖合移転後)の飛行ルートについて、次のように記されています。

(2)区内上空経由西行き飛行ルート
・区内上空に設定されている管制上の飛行ポイント(KAMAT)においては、飛行高度9,000フィート(約2,700メートル)以上を遵守し、可能な限り高い高度の確保に努める

大田区HP

http://www.city.ota.tokyo.jp/smph/seikatsu/sumaimachinami/haneda_airport/hikouroute/hikouruuto.html

 

*一方で、示された図は、陸域の高度が6000ftになっています。これは、KAMATの9000ftより低い高度が示されています。更新日:2014年10月24日


                                         更新日:2014年10月24日

以下、大田区HP

羽田空港(東京国際空港)は、4本目の滑走路(D滑走路)が平成22年10月21日に供用を開始し、同10月31日に国際定期便が就航しました。 

 これに伴う、再拡張後の羽田空港の飛行ルートについて、国土交通省から示された内容についてお知らせします。
 これは、大田区を含めた周辺自治体との協議を経て決定されたものです。

飛行ルートについて

 大田区は、特に区内に騒音等の影響を及ぼす、(1)北風時A滑走路北向き離陸左旋回(2)区内上空経由西行き飛行ルート(3)深夜、早朝時間帯における飛行ルート、の3点を中心に運用の改善などを国に求めてきました。この協議の結果、国土交通省から示された内容についてお知らせします。

再拡張後の運用についてのポイント

(1)北風時にA滑走路を北向きに離陸して左旋回するルート

  • 現在、午前7時台、8時台に1日5便以下とされているものを、再拡張後は3便以下とする。
  • 空港運用の慣熟を経て数年で廃止することを目標とし、それまでの間においても可能な限り減便に努める。

(2)区内上空経由西行き飛行ルート

  • 区内上空に設定されている管制上の飛行ポイント(KAMAT)においては、飛行高度9,000フィート(約2,700メートル)以上を遵守し、可能な限り高い高度の確保に努める。
  • 西方面へ向かう飛行ルートを増設し、季節や月ごとの方面別需要に応じて、区内上空を通過する便数を分散する。

(3)深夜、早朝時間帯(午後11時から翌日午前6時)における飛行ルートと滑走路運用について

  • 原則として海側に位置するC滑走路とD滑走路を使用する。
  • 国際線、国内線ともに、全て海上経由とし、区内上空を飛行するルートは設定しない。

 なお、上記(2)の区内上空経由西行き飛行ルートにおける再拡張以前の運用では、福岡、長崎、広島、山陰、ソウル、北京行きが設定されていました。これに対し、再拡張後は下記のように、季節や月ごとの方面別の需要に応じて、風向き別に各2通りのケースが設定されます。(添付図「方面別滑走路運用」参照)
【北風時】
  ケース1  福岡、長崎、広島方面と山陰、ソウル、北京方面
  ケース2  福岡、長崎、広島方面
【南風時】
  ケース1  福岡、長崎、広島方面
  ケース2  区内上空経由便が設定されない
 これは、季節や月ごとの方面別需要に応じて、効率的に滑走路を使用できるようにするためであり、どちらのケースが設定されるかは、その時々の方面別需要によって決定されます。
(現在、北風時、南風時それぞれケース2の設定)

ゴーアラウンド(着陸復行)について

 ゴーアラウンドとは、着陸態勢に入った航空機が、突風など気象条件の急な変化やバードストライク(鳥が飛行機に衝突すること)の発生などにより、そのまま着陸すると危険と判断された場合に、着陸のやり直しを行うことです。A滑走路及びB滑走路に着陸する航空機がゴーアラウンドを行った場合、区内上空を飛行することがあります。

国土交通省提供の飛行経路図

注釈)図中の用語について
  RNAV経路 : 航空機に搭載された装置により飛行する経路のこと
  ILS進入   : 電波により誘導する着陸方式のことで、南風悪天時と北風時に使用される
  LDA進入  : 電波により誘導する着陸方式のことで、南風好天時に使用される
  RWY05   : D滑走路を東向きに離陸すること
  RWY34R  : C滑走路を北向きに離陸すること
  RWY16R  : A滑走路を南向きに離陸すること
  RWY16L  : C滑走路を南向きに離陸すること

なお、再拡張後の飛行ルートに関して、国土交通省のホームページ(こちら)にも掲載されておりますので、ご覧ください。