【動画付】通常は分離発注すべき解体・建設工事を一括発注する大田区の問題点
45分32秒から
平成28年第3回大田区議会定例会(第3日) 契約議案討論
政府はTPPの承認をこの秋の国会で目指していますが、国の説明を鵜のみにして大田区は無関係、と安心してはいられない状況にあることは、協定文書からも明らかです。
しかも、公共調達において大田区が対象になったり、対象金額を引き下げられたりする可能性もありますから、大田区の事業者への影響も思った以上に大きくなるかもしれません。
一方で、本庁舎の耐震補強工事は、プロポーザルで24億円を上限として、その他の工事も受託事業者にゆだねるというかなり青天井のような契約です。この契約に限らず、大田区の契約単価が大きくなってきたように感じます。
こうした状況の中で、今回の117号議案の一括発注は、今後の契約の一括化の既成事実となってしまうことを心配しています。
大田区は、今回は特別であると答弁しましたが、明文化しなければ、将来、文書化していないから約束ではないというのが大田区の姿勢だということが、今回の羽田空港対策特別委員会の審議で明らかになりました。
都合のよい時に口頭で言ったところで、条例や契約書などにゆだねられていなければ、区民の権利を確保することはできないのだということを、羽田の飛行ルート変更に際しての「海から海へ」の大田区の取り扱いの姿勢で思い知らされました。
まさか、大田区がTPPにあわせて、大田区の契約をグローバル企業が取りやすいように準備しているわけはないと思いますが、TPPの国会承認が議論になる今だからこそ、区民生活に密接に関わる優良な区内事業者を守ることで区民生活を守る必要があるのではないでしょうか。
TPPになれば、今回、区内業者を対象として行った118号も119号議案の指名競争入札も、制限をはずさなければならなくなるかもしれません。
大田区は分離発注を基本としていますが、今回は通常ではあり得ない解体工事と建設工事との一括発注です。
これまでなかった一括発注が常態化したままTPPになれば、外資や大規模事業者が区内の契約を受注する割合が大きくなるかも知れません。TPPの対抗策として区民生活を守るためにも、条例化することを要望し、117号議案には反対。
また、たんなる指名競争入札ではなく、TPP後にも区内事業者を育成することができるよう、区民生活に密接に関わる優良事業者の基準を条例化する政策入札などの仕組みを導入することを要望し、118、119号議案には賛成といたします。