少数意見の排除は独裁主義へと進む 大田区議会民主主義の危機
二年間大田区議会を離れて戻ったら大田区議会の中が大きくかわっていておどろきました。
もともと、少数意見の取り上げ方に課題がある議会運営でしたが、それがさらに悪くなっています。
あからさまな少数意見の排除とそれに対して毅然と立ち向かう力の弱体化。
少数意見が排除されれば、独裁主義へと進みます。
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多数決は、多くの選択肢から最も「良いもの」、もっとも問題の少ないものを選ぶしくみですが、少数意見が排除されれば、その選択肢が狭められ、課題がみえにくくなります。
あまり知られていない、あるいは、意識されていないことですが、議会運営には「会派」が大きくものをいいます。
会派として主張できる場面を多く持つことができます。
・議会運営を根幹を決める非公式の幹事長会
・議会運営委員会
・区議会だより編集委員会
・各種審議会等の委員になれる
・常任委員会・特別委員会の委員長副委員長など
・区議会だよりに予算の意見を主張する枠を持てる
・代表質問、総括質疑、締めくくり総括質疑ができる
等々
ところが、この会派を作ることは簡単ではありません。
自民党、公明党、共産党、民主党くらいだと会派は作れることが多いのですが、それ以外だと、無所属議員などが何人かで会派を組まなければなりません。
今回、私も会派が組めないか一人会派の方に打診しましたが断念しました。
先日、この会派人数に大きな変化がありました。
最少会派人数を、会派代表者会議という非公式の会議で、一人会派に知らせること無く3人から4人にしてしまったのです。
ちなみに、そのメンバーは、
大田区議会前議長 安藤充 議員
自由民主党大田区民連合 伊藤和弘 議員
大田区議会公明党 松本洋之 議員
大田区議会民主党 山崎勝広 議員
日本共産党大田区議団 大竹辰治 議員
一人会派8人を蚊帳の外に、議会の42人で、大田区議会の根幹に関る重要な問題を決めてしまいました。
さらに、驚いたのは、このことを話しあいはじめたのが、5月8日でしたが、一人会派である私が知ったのは、5月14日の17時直前、「紙で配布された決定事項を読んで」、でした。
事前に会派代表者会議のメンバーから「会派人数変更について話しあっていること」も伝えられず、議会事務局もどこが変わったか説明すらしませんでした。
私がこのことを知り驚いて、他会派の方たちにお伝えしたところ、みなさん、ご存じありませんでした。
この5人のうち、民主党と共産党は反対したそうですが、事前になぜ伝えていただけなかったのでしょうか。
ちなみに、私は、これら民主的な議会運営に関る問題について、会派代表者および、議会事務局長に抗議の気い持ちをこめた要望書を提出しました。
今回、常任委員会の所管と名称を変える議案が、
大田区議会前議長 安藤充 議員
自由民主党大田区民連合 伊藤和弘 議員
大田区議会公明党 松本洋之 議員
大田区議会民主党 山崎勝広 議員
日本共産党大田区議団 大竹辰治 議員
から提案されました。
この議案の内容についても、何ら説明が行われませんでした。
委員会所管は、単なる審議内容の分量だけでなく、大田区議会が、所管の対象をどのようにとらえ、取り扱い、審議していくかという区政の基本である重要な問題です。
●マイナンバー制度が導入されようとしているなか、区民情報を所管する区民部が総務財政委員会の所管に入ったこと。
●環境清掃部が所管から外れたことで、大田区議会の常任委員会名称から環境という言葉がなくなったこと。
●環境清掃が地域産業委員会所管になり、経済の一連の流れに位置付けられる委員会構成になったこと。
これらの変更がどのような根拠と理由で行われたのか、提案者から一切説明がありませんでした。
そこで、議案上程時に以下のような質疑と討論を行いました。
これからも、民主的な議会運営のために、発言してまいります。
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(ご参考)
【質疑】
◆奈須りえ
議員提出第4号議案 大田区議会委員会条例の一部を改正する条例
について質疑させていただきます。
議案の提案理由には、常任委員会の名称及び所管を改めるため、条例を改正すると記されていますが、その具体的な理由について説明されていません。
この時期に所管・委員会を変える理由・根拠について、特に所管委員会の取り扱い審査のボリュームや内容など具体的な説明を求めます。
答弁
◇伊藤和弘議員
ボリュームで決めた
【討論】
大田区議会委員会条例の一部を改正する条例について反対の立場から討論いたします。
総務財政委員会の所管に区民部が入り、地域産業委員会に環境清掃部が入り、都市環境委員会から環境清掃部がぬけたことにより、名称が都市整備委員会に変わりました。
委員会所管は、単なる審議内容の分量だけでなく、大田区議会が、所管の対象をどのようにとらえ、取り扱い、審議していくかという区政の基本である重要な問題です。
マイナンバー制度が導入されようとしているなか、区民情報を所管する区民部が総務財政委員会の所管に入ったこと。
環境清掃部が所管から外れたことで、大田区議会の常任委員会名称から環境という言葉がなくなったこと。
環境清掃が地域産業委員会所管になり、経済の一連の流れに位置付けられる委員会構成になったこと。
これらの変更がどのような根拠と理由で行われたのか、提案者から一切説明がありませんでした。
大田区議会の根幹に関る重要な問題を実質上決めているのが、自民党、公明党、共産党、民主党の幹事長に議長・副議長などで構成する会派代表者会議です。
この議案の提出者でもある、この会派の代表者のみなさんから、委員会所管を変える理由などについて一人会派に対してもていねいな説明が行われれば、十分な理解をもってこの条例改正案を審議することができましたが、説明を受けることができなかったのは大変残念です。
説明の無いまま通告を求められ、態度をきめなければならなかったため、「反対」せざるをえません。
議会規則は 事前の通告を求めていますが、それは、議会内での十分な説明があってはじめて成立するものです。
大田区議会が長い歴史的経緯の中で行ってきた少数会派も含めたていねいな事前および事後の説明や意見聴取を強く要望し、議会が形骸化しないことを切に願い反対討論とさせていただきます。