【2月25日質問(その4)】外食産業を事例にみたコロナの感染防止策の問題:夜8時以降の営業時短の不公平と営業時間のピーク

コロナの感染防止策の在り方とその支援策の不備が、影響を被る事業者間で不公平をまねいています。

その一つが飲食夜8時以降の営業時短です。

すべての経済活動がほぼ止まる海外などと異なり、夜8時以降の時短は、業態により来店客のピークが違うため、影響も異なりますが、支援策は一律1日6万円ですから、やっていけるところと行けないところの差が出ます。

そのうえ、そこに食材をおさめる仲卸などは支援を受けられないため、仲卸が営業できなくなると、6万円の支援でしのげても、その後同じ価格、食材で食を提供できなくなるかもしれません。


外食産業を事例にみたコロナの感染防止策の問題

 

夜8時以降の営業時短

感染拡大に伴い、いま、飲食店では、夜の8時以降の営業時短が行われています。

🔴業種で違う来店客のピーク時間

少し古いのですが、平成19年「大田区の産業に関する実態調査」に、来店客のピーク時間という調査があって、小売業で約4%、生活関連サービス業で約6%ですが、一般飲食店は約37%がピーク時間を20時以降として、20時以降の時短が飲食店にどれだけ大きな影響を及ぼしているのかがわかります。

しかも、この調査で飲食店の来店客のピークが、12~14時の昼食、18~20時の夕食、20時以降とほぼ同じくらいの3つの大きな山に別れていて、抱える顧客層や業態により、被る影響も違うことがわかります。

🔴イギリスなどロックダウンは一律営業停止

イギリスから来た友人が蒲田のまちをみて、イギリスのロックダウンは、ほぼ人通りが無いのに対し、緊急事態なのに人通りがあることに驚いていました。私は、街が寂しくなったと思っていたのですが、一律ロックダウンと違い、20時以降の時短は大きな影響を受ける店とそうでもない店があるということです。

🔴1980年代以降国際化で激化した競争

調査は、「プラザ合意を契機に1980年代後半から産業活動の国際化が本格化した」と産業構造を分析していて、当時既に、飲食店は、同業者や大型チェーン店との競争が激化していたことがわかります。

グローバル化、競争が激化しているところへ、来店時のピークのひとつ20時以降を過料付きで制限するのですから死活問題です。

🔴業態、規模等に関らず一律6万円╱日の不公平

ところが今回の営業時間の短縮は、店の規模や営業時間、業態によらず、一律一日6万円です。

飲食店の経営者から、6万円では店舗面積で30坪以上だと厳しく、20~25坪の店でトントンくらい、約4割はやっていけるが6割が厳しいのではないか。とおよその目安を教えていただきました。

🔴6万円で給付で救えない仲卸しやおさめ屋さん

それでは、4割はやっていけるから良いかと言えば、4割が時短や休業すると、その分仕入れが減って、仲卸やおさめ屋さんの売り上げが減ります。

ところが、協力金は、仕入れ先が自粛で売り上げが減っている仲卸やおさめ屋さんは対象になりません。

この仲卸やおさめ屋さんは、大田区には大田市場がありますから、大田区と切っても切り離せません。青果部・花き部は日本一の取り扱い規模を誇っており、大田市場での決定価格は、日本全国の市場の指標となっています。