~大田労基と大田区の法解釈によるアスベスト対策形骸化の懸念~下丸子と都営アパートの事例

飛散性アスベスト(レベル1)と非飛散性アスベスト(レベル3)は、区別され、解体や改修現場における扱いも法令により定められています。

非飛散性アスベストは、環境省等HPなどでも、「アスベストがセメント、けい酸カルシウム等と一体に成形され、大量に建築資材として使用されているアスベスト成形板」と記されているように、その製造の工程が異なっているものです。

解説(3)参照

ところが、下丸子都営アパートの天井に使用されているレベル1のアスベストについて、大田区と大田労働基準監督署が、レベル3扱いで構わないと発言し、それで工事が進められてようとしています。

東京都が、東京都住宅整備公社に行わせようとしている

①飛散性アスベストを「封じ込め」作業により、固化する。
②固化した天井アスベスト部分にアンカーを打ち込み、天井ボードをはる。

という作業について、固めたから飛散性アスベストは非飛散性アスベスト扱いで、湿潤すればよいという解釈を、大田労働基準監督署と大田区が認めているのです。

飛散性が高いアスベストを封じ込める作業は、最近出された厚労省・環境省の通知文からもp20:2行目以降~
http://www.env.go.jp/jishin/attach/no110630002.pdf  飛散防止策を取らなければならないことは明らかですが、それさえ行わず、しかも、封じ込め作業は、飛散防止策でしかないにも関わらず、「封じ込め」れ ば、穴をあけても釘で打ってもかまわないという解釈は、これまで無かったもので、仮にそうであるなら、何がいつ、どのような根拠で変わったのか、確認する 必要があります。

封じ込めした飛散性アスベスト(レベル1)が、粉じん飛散のおそれがないという判断は
誰がするのでしょうか。封じ込まれたレベル1は、粉じん飛散のおそれがないという根拠はどこにあるのでしょうか。科学的データはあるのでしょうか。

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石綿障害予防規則6条2項にしたがって、天井の吹き付けヒル石(レベル1)が、

①グローブバッグ工法に準じ、天井から50センチメートルのところで養生した中で封じ込めが行われれば、アスベスト粉塵の飛散のおそれがないと判断し

②それに引き続き行われる、内装撤去(天井に触れている部分がある)工事、天井囲い込み工事には、同13条により湿潤化さえすれば、養生は必要ないと判断、業者、東京都住宅整備公社(JKK)側に法解釈を指導

労基はこの法解釈によって

天井から50センチメートルほどの簡易養生内で負圧除じん機やセキュリティールーム、密閉養生なしで、薬剤による封じ込めを行えば、その後は飛散のおそれのない状態になり、あとは湿潤化さえすれば、天井にドリルで穴を開けようが、吹付け材をはぎ落とそうが違法ではない

と言っています。