コロナの財源不足580億円なのに、総額いくらかわからない呑川下水道工事に大田区議会はGOサイン
コロナで財源不足だといいますが、財政規律や優先順位より、主張が先に立ち、ほしいもの全てに賛成しているように感じます。
ところが、財政というのは、必要が先に立ちますから、議会が、ほしいということは、住民にその負担をお願いするのと同じ意味があります。
制入量出という考え方です。
必要(出)をはかって(量)、税(入)を決める(制する)ということです。
必要は政治が決めるので、議会が住民の代表として求める必要に応じて、税金を集めましょう、ということです。
議会が欲しいということは、住民が欲しいということだから、ということで、議会がいかに大切かがお分かりになると思います。
今回の補正予算は、呑み川の合流改善と言って、雨が降って流れ出る汚水部分を一時ためておく貯留施設を作るための予算です。
当初の15億円を倍の30億円に変更する補正予算。
しかも、これで終わりではなく、総延長6.15キロメートルにも及ぶ直径3m程度の巨大な下水管工事ですが、総額いくらいなるのか聞いても示されません。
呑み川の悪臭のもとになっている、雨が降った際の汚水の問題の解決策として提案されている貯留施設ですが、過密化する都市の構造的な問題でもあります。
根本的な問題の解決策は示されないまま、対症療法で私たちの大切な税金が使われていきます。
ちなみに、この下水管状の汚水の貯留施設は、リニア中央新幹線とも交差します。以下、議案の討論です。
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今回の補正予算には、呑川合流改善貯留施設整備に伴う立て坑設置費用として、来年度以降の費用負担が15億170万円から倍の30億7250万円になる債務負担行為が計上されています。
呑み川流域周辺の下水道は、合流式と言って、下水と雨水(あまみず)が、同じ下水管を流れる方式です。そのため、雨が降ると下水管いっぱいになった汚水が、呑み川に流れ出て、呑川の悪臭の原因になって、長年、下流域の西蒲田周辺の皆様の生活環境を悪化させています。
この雨の降り始めに呑み川に流れ出る初期の汚水=越流水をためる貯留施設を作る計画で、今回の債務負担行為は、シールドマシンを入れて掘り始める立坑設置のための補正予算です。
実際には、この立坑から、3つのルートで基本呑み川に沿って、管の直径で2.4m部分が2.850メートル。3m部分が3.3キロメートル。総延長6.15キロメートルにも及ぶ太い管上の汚水をためる貯留施設を建設します。
私も長年呑み川の問題に取りくんできましたので、なんとか、悪臭などの問題を改善させたいと願っています。
しかし、今回の債務負担行為は、来年、再来年の2年間で15億円を倍の30億円に増やす補正予算です。
しかも、工事は、この30億円で終わるわけでは無く、その後、総延長で6.15キロメートル直径約3mの地下トンネルをシールドマシンで掘ることになりますがその予算は示されていません。
コロナで財源不足を言いながら、しかも、都市部は人口減少で、さらに、国は、テレワークなどで都市部から地方への人口移転を計画していて、財政構造にも大きな変化が生じるかもしれないにもかかわらず、大丈夫なのでしょうか。
また、シールドマシンで地下約20mの深さを掘りますが、上流域は、リニア中央新幹線と交差します。
交差する近辺には、呑み川の増水を多摩川に流す中原幹線も通っています。
この、呑み川合流改善工事は、東京都から受託しているとは言うものの大田区が事業主体ですから、シールドトンネル工事の安全も、また、リニア工事との影響についても大田区が責任をもって守っていかなければなりません。
立坑工事が終われば、シールドトンネル工事が始まりますが、外環道、相鉄東急直通線、と昨年2度もシールドトンネル工事の事故が起きている中、大田区として安全確保のための対策が不十分で問題です。
反対いたします。