《Q3》安全・騒音対策などは大丈夫?(万が一の補償は?)《A3》自己責任の構図 【よくわかる 羽田空港 ~新飛行ルートのここが問題~ Q&A 】
「安全性について検証していない」と国が言っている新飛行ルートですが、それでは、国はどう「対策」しているのでしょう。安全・騒音対策などについてみてみます。
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【いい加減な国の安全対策】
実は国も落下物があることは認めています。
成田市も対策を講じ、努力していますが、それでも落下物は0になっていません。
成田空港周辺では、開港以来158件の落下物が確認されていて、北風時の着陸では海で車輪を出す、南風の時は、安全な場所を選んで着陸時の車輪を出すよう対策が講じられています。
また、成田市長は、再三にわたり国交省や航空会社、空港に対して落下物の対策を要望しています。
にもかかわらず、今回の飛行ルート変更で国がやろうとしていることは、
◆航空会社に対する整備点検の徹底を指導することと、
◆国の職員による駐機中の航空機のチェック
です。
★成田市で起きているこ落下物は、整備点検の徹底指導の不足から起きているのでしょうか。
★また、落下物は、着陸の際、車輪を出すときに起きることが多いといわれています。
今回の飛行ルート変更は国際便の増加によるもので、チェックすべきは、離陸国でのチェックですが、国内に駐機する航空機をチェックして、どう落下物を防げるでしょう。
【平均をとる騒音基準で防音対策はできない】
国が行おうとしている防音対策では、新たな防音対策をすべき地域はありません。
学校と病院については例外として防音工事すると言っていますが、どうしてこんなことが起きるのでしょうか。
Ldenという時間帯捕正等価騒音レベルという特殊な数字を使っているからです。
これによって「補正」され、騒音の高い時間帯や低い時間帯が補正され、平均的な数字しか出てきません。
ですから、非常にうるさい時間帯があったとしても、その時間帯の騒音は防音対策されず我慢しなければならないことになります。
特に今回は15時~19時の24時間の中でいえば、4時間。しかも前後30分は調整が必要で実質3時間とも言われていますので、その間非常にうるさくなったとしても、Ldenでの数値では平均化され、防音対策は必要ないことになっているのです。
【音の大きな飛行機は着陸料を高くし騒音の小さな機種に誘導】
現在でも、小さな騒音の機種ばかりが飛んでいるわけではありません。
航空会社は、迷惑をかけないために低騒音機を飛ばすというより、利益をどう最大化するかで機種を選ぶのですから、いったい着陸料をいくらにするのか示すべきでしょう。
明らかに低騒音機の方が有利である程度の着陸料でなければ、効果は無いでしょう。
【万が一の事故で補償されるのか】
しかも、気になるのは、万が一の事故の場合の補償です。
国は、落下物について原因航空会社が特定されれば、航空会社が保障すると言っていますが、特定されず、飛行機からの落下物と判明すれば、航空会社がつくる保険で担保すると言っています。
成田で航空機から落下したと思われる氷の塊が落ちたとき、油が含まれていないので航空機からの氷と決められないとしている例があります。
空から落ちてきた氷でも油が入っていなければ「理由はわからないが落ちてきた氷」になるのです。
航空会社が作る保険ですから、自賠責のようなものなのでしょうか。調べましたが補償のしくみなどはどこにも明らかになっていませんでした。
理由は分からないが落ちてきた氷、飛行機の部品かわからないが落ちてきた部品やパネルなど、飛行機から落ちてきたと証明できなければ誰からも補償されない ということです。
【行われない環境アセスメント】
しかも、今回は、滑走路の延伸や建設ではなく「飛行ルートの変更」だからという理由で環境アセスメントも行われません。
新ルートになって増える落下物や騒音の被害は飛行ルートの下に住む住民で、事故が起きても航空会社も国も補償しない構図。自己責任。
これで安全・騒音対策などは十分だといえるでしょうか。
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Q1 新飛行ルートでどう飛ぶの?
Q2 どこが問題なの?
Q3 国交省の安全・騒音対策などは大丈夫?(万が一の補償は?)
Q4 密集市街地の低空飛行は世界でも例をみないってホント?
Q5 国交省はなぜ必要だと言ってるの?
Q6 経済効果は本当にあるの?
Q7 誰が決めるの?
Q8 どうしてこんなことになってるの?
Q9 羽田空港の歴史的経緯ってなに?