「由(よ)らしむべく、之を知らしむべからず」と日本の政治
あらためて、「由(よ)らしむべし、之を知らしむべからず」の意味を探していたら、高橋源一郎さんの『一億三千万人のための「論語」教室』をみつけました。
高橋源一郎さん『一億三千万人のための「論語」教室』が全文無料公開!
http://bookpooh.com/archives/21329
そこにこんな風に説明されています。
【子曰く、民は之(これ)に由(よ)らしむべく、之を知らしむべからず。】
「いいですか、よく覚えておいてください。政治は、民衆を熱狂させ、支持させることはできます。だが、できるのは、ただそれだけです。決して、民衆に、それがほんとうはどのようなものなのか、なにが起こっているのか、その本質はなんなのかを理解させることだけはできないのです。ほんとうは、そのすべては民衆のためのものであるはずなのに。悲しいことですが」
(これはよく知られた名言。その通り、というしかないですね)
( )内の高橋源一郎さんのコメントまで含めて、まさに、その通り、というしかないです。
悲しいですけど。
自治体議員をしていて、日本の政治の現場では(いまの世界の政治も?)、
最初から「ほんとうはどのようなものなのか、なにが起こっているのか、その本質はなんなのかを」理解させようとしていない、と感じます。
①「民衆を熱狂させ、支持させ」れば良い。
②支持させるために、美辞麗句を並べ、肝心なことをわかりにくく説明
③見えにくい場所で公表して伝えたことにし
④順番を変えて制度を変えるので本当の変化が伝わらない
、、、、最近では、行政が、決定していない政策を「税金で」広報宣伝するようになっていて、政治が市場の商品のように扱われています。
情報公開、説明責任とさかんに言われ始めてから、公開しない情報が増え、説明がおかしくなってきた。
こうなると、いったん権力(金、人、広報ツール)を持った方が有利なのは当たり前で、権力が固定化するのではないかと危惧しています。
現行権力で良い想いをしている人たちは、それを維持させようと、熱狂させるまではいかなくても、支持を維持させるような手の込んだアシストと思しき現象まで出現するようになっています。
マスコミの報道、ネットの記事、テレビドラマ、SNS、、、、
私は、スーパーシティのための法案は通すべきではないと考えています。
自治体の施策や税の使途に大きく関わりますから。
国家戦略特区法改正によりつくろうとしているスーパーシティ
スーパーシティは、個人情報使用に関わる同意や個人情報の定義が重要ですが、現行個人情報保護法では大丈夫だと説明しますが、同じ国会で改正しようとしています。
そのうえ、介護や子育てなど福祉を支えるサービス提供者を有償ボランティアと位置づけ、報酬を地域通貨で払おうとしています。
日本の通貨体系を二本立てにする統治機構の変化で、流通性の限定的な「お金」が収入の大半になる人を作り、日本を階層社会にするほどの重要な変化なのに、議論にさえのぼりません。
羽田空港飛行ルート変更が始まりましたが、今の時間帯やルートにも反対ですが、これにとどまらないと思っていて、もとに戻すべきと考えています。
なぜかというと、
横田の空域(日本の首都圏の空)を米軍支配から、(主に米の)航空業界に明け渡す問題だと思っていたからです。
航空業界の経費削減のために、です。
先日、防衛白書と沖縄選出の国会議員赤嶺さんの質問趣意書に、航空業界の効率的運用のために横田空域を航空業界に開放する方針転換と、日本の管制官が横田の空域に配置される、というのをみつけました。
なぜ、羽田空港飛行ルート変更で、こうした決まっていることを示し、本当の変化についてわかりやすく説明しないのでしょう。
私は、選挙で選ばれた住民の代表の大切な役割の一つは、常に一市民として、政治の現場で起きていることを、住民にわかりやすく伝えることだと思って活動してきました。
論語は、「できないのです」と言っていますが、それでも、私は、一人でも伝わることが、政治を変え、私たちの暮らしを良くすることつながると信じて、活動していきます。
【子曰く、民は之(これ)に由(よ)らしむべく、之を知らしむべからず。】
「いいですか、よく覚えておいてください。政治は、民衆を熱狂させ、支持させることはできます。だが、できるのは、ただそれだけです。決して、民衆に、それがほんとうはどのようなものなのか、なにが起こっているのか、その本質はなんなのかを理解させることだけはできないのです。ほんとうは、そのすべては民衆のためのものであるはずなのに。悲しいことですが」
(これはよく知られた名言。その通り、というしかないですね)