知って評価が変わる蒲蒲線の利便性、採算性、財源など 新空港線になった蒲蒲線の真実

ネーミングがコミカルで親しみのある蒲蒲線は、

「東急蒲田と京急蒲田をつないで、羽田空港まで速く着く!」

ので、便利になるから、良いなあと思う方も多いと思います。

しかも、

「採算性もとれる」

と言っているので、大丈夫なのだろうと思ってしまいます。

ところが、実際に詳しく知ると「アレ?」と思うことがポロポロと出てきます。

 

 

ほんとに早く着くか?

誰が早く着くのか?

蒲蒲線は、羽田空港まで速く着くことを評価して進めている鉄道です。

さいたまから羽田空港まで7分、
池袋から羽田空港だと6分、
自由が丘からだと20分
多摩川からだと14分

速く着いて便利になると言います。

空港まで行くには、少し便利ですが、不便になる人もいます。

 

多摩川線の駅は素通りになりそうです。

東急東横線からの乗り入れなので、車両は8両編成になります。
多摩川線は3両なのでホームを8両の電車が停まれるように改修しなければなりません。工事が必要です。

しかも、埼玉から羽田まで速く着くことを売りにしていますから、多摩川線が各駅停車になれば、早く着けないので、新空港線は停まらないでしょう。

下丸子の踏切の改良工事と一緒にホームの延伸が行われ、下丸子だけ停まる車両があるかもしれません。

 

 

 

 

 

採算性もとれる

 

採算性もとれると言っていますが、極めて高い補助率です。

過去の大田区議会の議論の中でも蒲蒲線は、地下鉄補助的な制度の考え方では採算性が取れないという共通認識でした

地下鉄補助の補助率だと52%だったのが66%に増え、都市鉄道関係では最も手厚くなりました。

しかも、トンネルに関わる固定資産税が非課税になります。
蒲蒲線は、地下化するので、全経路ほぼトンネルで固定資産税負担がありません。

しかも、上下分離で、運営事業者は鉄道建設リスクを負わなくていい仕組みです。

蒲蒲線は、採算性が取れる事業だというより、採算性の取れる仕組みを作ったのが蒲蒲線と言うことです。

 

財源

しかも、

蒲蒲線の財源は、

小泉構造改革の社会保障(保育)のための増税分を社会保障に使わず貯めた基金から払われます。

しかも、この基金を大田区は、蒲蒲線をきっかけにした鉄道まちづくりの財源にすると言っています。

社会保障のための増税分を余らせた財源が、蒲蒲線で使われるのです。

 

社会保障のための財源はいつも足りなくて、増税議論が始まりますが、社会保障のための増税が行われても使わず貯めて、蒲蒲線や羽田空港跡地開発に使うのですから、大田区の優先順位が住民福祉にないのは明らかで問題だと思います。