大田区の国の補助金増加に見る、【公共事業はホントに減ったの?か】
公共事業が減った、というのが大方の認識のようです。
財務省の資料にも下記のようなグラフがありました。
確かに公共事業予算が減っています。
ところが、大田区の予算を追いかけていたら、区民税の増収に加え、国の補助金が大幅に増えていました。10年前と比べると、400億円も増えています。もちろん、生活保護などの補助額も増えていますが、少なかった時と比べても影響額は、40億円程度。
大田区で、国の補助金頼みの事業が増えているということです。
国のひも付き財源が批判されて、地方分権が始まったのですが、逆に、国の補助金が増え、住民税や消費税の増税分を合わせた事業が行われてきたことが見えてきます。
大田区ですと、
羽田空港の跡地開発 区民の税金165億円で土地を買い民間企業に整備させる
空港周辺の護岸整備などに区も一部区民の税金を使う
大森北一丁目開発 区民の土地を企業に50年貸し出す
区有地にあった図書館や出張所だが賃貸料を払ってビルに入居
いま、急速に進む、蒲蒲線(新空港線)は、現時点で、半分の経路で1360億円。
区民は350億円以上負担することになりますが、国の補助金453億円がなければ、成り立たない事業です。
大田区の歳入=収入の変化=区民の負担の変化
2011年 収入2300億円 うち区民税600億円 国庫支出金410億円 都支出金120億円
2021年 収入3100億円 うち区民税730億円 国庫支出金810億円 都支出金240億円
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+800億円 うち(+130億円 +400億円 +100億円)
*ほか大きく増えたのは、消費税と固定資産税と法人住民税が都から交付される特別区交付金ななど、ほあに、減っている費目もあります。
一方で、公共事業とは何かといえば、国や自治体が持つ財産=施設や道路や公園やダムや護岸整備や空港などに税金を使って整備をすることです。
ところが、最近は、民営化で、企業の事業に補助金を出したり、公共の土地の上に、企業や第三セクターが施設建設し、そこに補助金を出すため、公共事業として計上されていない事業が増えています。
財政の実態は、複雑で見えにくくなっています。