羽田飛行ルート変更を大田区が認めてはならない新たな4つの心配

羽田空港飛行ルート変更について発表した8月8日の大臣会見を読み直している。

そして、あらためて、大田区と川崎市は、国との協議において、新飛行ルート案を了承してはならないと強く思っている。

今日は、新飛行ルート変更を認めることで、1日3時間の都心低空飛行が始まるだけでない可能性、深刻な問題について報告したい。
【ルートが拡大】し、大田区という地方自治体への【情報提供】や【誠意を持った対応】、【航空行政への関与】が失われる可能性がある。

【1】さらなるルートの拡大
会見で大臣は、質問に答え
「ルートを拡大するかは白紙」と言っている。
さらなるルート拡大について、否定していない。
更なるルート拡大は、
●AC滑走路北向き離陸
●B滑走路、西向き離陸(離陸後埋立地方向に大きく旋回するのが今回の案だが、直進する)
●B滑走路、西からの着陸(内陸側から着陸)

などが想定される。

しかも、以下の2~4は、いま、国と大田区が取り交わしている文書で約束されているが、今回の協議の対象になっていない。

今後、これらがなくなる心配がある。

【2】ゴーアラウンドの報告・情報提供

【3】大田区から騒音や安全に問題が生じていると指摘があった場合の誠意を持った対応

【4】羽田空港の運用への大田区の関与

これまで、大田区は、空港立地自治体として、国と密な連絡を取りながら、問題があった場合に、国に誠意を持った対応を求めるなど、羽田空港の運用に対する関与が認められてきた。

だから、大田区議会は、都内唯一、羽田空港対策特別委員会を設置し、ほぼ、毎月、羽田空港に関する問題を取り扱ってきた。

これは、長い歴史的経緯による積み重ねにより、獲得したものだが、飛行ルート変更後は、これが、大田区のみならず、飛行経路化の自治体にも担保されなければならないことになる。

ところが、経路はさらに拡大する可能性があるにもかかわらず、
これまで担保されてきた、
情報提供、
誠意ある対応、
羽田空港の航空機運用に関わる自治体としての関与、
について飛行ルート変更後、どうなるかわからない。

国からの情報提供も、誠意ある対応も、大田区の関与も認められなくなれば、航空行政に関わる、地方自治が失われることに等しい。