なし崩しになるところだった?都心低空飛行(新ルート)の騒音対策 国交省への質問事項の検討で大田区議会と大田区が気づいた「安くなっていた着陸料や空港使用料」とその後
大田区議会では、全国民間空港所在都市議会協議会を通じ、毎年、国土交通省に質問事項を提出しています。
先日の大田区議会 羽田空港対策特別委員会で、質問事項についての検討が行われました。
案文から、質問事項だけを抜き書きします。
・航空機の騒音軽減に資する取り組みとして、低騒音機材の導入促進のため、既に国際線着陸料の体系見直し等を実施いただいているが、今後、国として低騒音機材導入につながるような追加の支援はお考えか。
・騒音の発生状況について、詳細な調査・研究等を実施する予定はあるか。
ここで気になったのが、太字の着陸料の体系見直しです。
現在どうなっていて、追加支援を求めると、どうなるのだろう、と調べたところ、
着陸料体系を騒音軽減のため、
見直しが行われていましたが、それが、
コロナで、軽減措置が取られていたのです。
調べると、令和3年2月までの措置として国交省のHPに掲載されていましたが、その後も現在まで継続しているのかどうかがわかりません。
現在まで続いていれば、軽減後の追加支援になってしまいます。
指摘すると、
案文を作成した、委員長も、大田区も、気づいていなかったことがわかりました。
国交省に確認し、仮に、現在も軽減策がとられていれば、
騒音対策の上乗せ支援を求めている内容の質問になるよう、委員長から発言がありました。
あらためて、区から調べていただいたところ、
令和7年3月に軽減策が終了していると
議会事務局経由で大田区担当課から報告がありました。
気づいていなければ、軽減策を認めることになっていたかもしれないところでした。
行政と言えど、鵜呑みにしては、行けないということを、あらためて認識しました。
以下が、この間の羽田空港の国際線、国内線の着陸料と騒音対策としての見直し策です。
🔴【従来】(~2017年3月)(最大離陸重量t )×2,400円
🔴【見直し後】(2017年4月~)(最大離陸重量t )×2,600円+(騒音値-83)×3,400円
🔴【再見直し】(2020年2月目途(関係機関との調整後))
a.騒音値が98以上の機材(騒音値-83)×6,100円 ←約80%引き上げ
b.騒音値が97の機材(騒音値-83)×5,100円 ←50%引き上げ
c.騒音値が95以上96以下の機材(騒音値-83)×3,400円 ←据え置き
d.騒音値が94以下の機材(騒音値-83)×2,000円 ←約40%引き下げ
これが、
コロナで、飛行機の重量に重みづけしていた着陸料を、
旅客数に変えているので、
より軽くて騒音の小さな飛行機を選ぶインセンティブが低くなっていました


あらためて、機能強化(都心低空飛行の新ルート)による
騒音軽減策をみると、
実は、騒音が、97以上だと、50~80%の料金引き上げですが
95、96では据え置きで変わらず、94以下は、引き下げになっています。以下、国交省の資料ご参照

万が一、ほとんどが96以下で、料金は変わらない、とか
94以下が多く、軽減策になっていた、などでは、効果が無いわけです。
使用飛行機全体で見た時、当時の騒音が、この97、98より大きい飛行機がどれくらい飛んでいて、94以下にすることができたのか
便数等から検証しなければ、と思っているところです。
