学校の敷地に、学校以外の施設を合わせて入れて建て替える「複合化」が及ぼす影響
大田区立小学校の建て替え期間が長期化しています。
赤松小学校6年、東調布第三小学校は7年です。
馬込第三小学校も、8年という極めて長い工期です。
例えば、入新井第一小学校の改築の工期は、当初、7年が、その後の保護者などの要望で、5年半になったものの、その後のコロナなどで、5年半から伸びています。
入新井第一小学校の工期の延長理由
1、建築発生土受け入れ制限で土の搬出ができず、工期が遅れ
2、地中障害物が見つかり、撤去・処分で遅れ
3、歩行者の安全確保から歩道を整備し
4、コロナの感染拡大防止対策
長期化しているのはなぜかと言えば、学校単体で建て替えるのではなく、周辺の施設も学校の敷地内に合わせて入れて建て替える「複合化」をしているためで、
・地下階を作ったり、
・斜面を削ったりして、
増える床面積を確保しているため、工事が大掛かりになって、工期が長くなっています。
学校は、校庭の分、容積率に余裕が生じます。
大田区は、「バリアフリーや少人数学級に対応するために、改築すると、面積が増える」と言いますが、実際には、余裕容積率が大きい学校ほど、複合化で増える面積も大きいことがわかります。
例えば、馬込第三小学校は、現状6,500㎡ですが、建て替え後には、複合化もあり、11,500㎡になり、1.76倍も増えますし、入新井第一小学校は6,938㎡が19,500㎡で、2.81倍にも増えます。
入新井第一小学校の敷地内の床面積が、3倍近くに増えるのは、
必要より、むしろ、可能、だからで、それは、用途地域図を見るとよくわかります。
敷地の一部が容積率の極めて高い、商業地域(80%500%)と近隣商業地域(80%300%)になっているのです。
複合施設は、容積率が500%の部分に設計され、建っています。
一方の馬込第三小学校は、
第一種中高層住居専用(60%200%)準住居(80%200%)
入新井第一小学校と馬込第三小学校に、小学校用途以外の施設を入れ、大規模な改築工事をするための校舎取り壊し工事請負契約についての議案が提出されたため、次のような意見を述べました。
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馬込第三小学校(馬三)と、入新井第一小学校(入一)の校舎取り壊しの工事請負契約議案です。
これらは、どちらも地下室を作っていてずいぶん無理をした設計だと思って、質疑で、改築前後の延べ床面積をきいたら、
馬三は6,500㎡が11,500㎡で1.76倍、
入一は6,938㎡が19,500㎡で2.81倍でした。
無理をしたから、工期が長くなり、全体コストも㎡単価もかさみ、建物が高く、体育館やプールが校舎の上になり、密集し、日照も通風も悪く、結果、肝心のこども教育環境を悪化させている、など良いところが一つもありません。
今回の重大かつ深刻な事故(入新井第一小学校漏水事故)も、全体に渡る、無理をした結果ではないでしょうか。
原因が何であれ、複合化が事故の影響を広げ、原因解明を困難にしているのは間違いありません。
複合化でかさむ建築コストは、物価に収入が追いつかなくて、家計に影響が及んでいる区民から集めた税金です。
そのうえ、公共施設整備計画を変更し、予算を上方修正もしていますが、誰のためか理解できません
事故を受け、身の丈にあった、施設と財政規模に変更する良い機会だと思います。
議案は取り下げ計画を見直すべきで、反対いたします。