羽田空港視察 管制塔からみた1月2日の衝突事故現場 写真撮影はNG

大田区議会の羽田空港対策特別員会で、空港に視察に行きました。2024年7月16日(火)

空港事務所で羽田空港に関わる航空行政の概要をご説明いただき、その後、ANA格納庫、新管制塔を視察。

ANA格納庫では、ANAの整備に携わる専門員、管制塔では、管制業務に携わる国交省職員の方から説明を受けました。

いくつか、新しい発見や知見を得られましたので、ご報告いたします。

 

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視察前に、

今年1月に事故が起きた現場を見たいと申し入れていたのですが、
思ったほど近くには行けず、新管制塔の上から、C滑走路南側の現場を見下ろす形になりました。

赤丸が衝突事故の現場あたりで、下の写真の黄色い丸の新管制塔から、見ました。

青がJAL、緑が海上保安庁の航空機の進路です。

 

 

 

管制官は、指示していないのに、動き始めた航空機を見て、制することはできなかったのですか。と質問したら、ずーッと、見ているわけでは無いから、ということでした。

停止線が引かれています。そこから、どれくらいの速さで進み、どう衝突したか、など、気になりますが、今後の事故調査で明らかになると思う、ということでした。

車を運転していると、交差点に一時停止の標識があると、停止線が引かれていますね。

そういう停止線が、緑の侵入経路には、ひかれています。(事故時には、停止線灯が休止中だったそうです)。

 

調べたら、停止線は、

停止位置標識 航空機が滑走路に入る前に一時停止すべき位置で

誘導路上の滑走路の、縦方向の中心線から30m以上離れた場所、にひくと書かれていました。

 

空港内の車両は、かなり低い制限速度が設けられていますが
航空機は、どうなのでしょう。

 

 

そう思って調べると、管制は、かなり厳しく、空港内の航空機の運航をチェックしているようです。

タイ・エアアジアと中華航空の成田空港での滑走路ご侵入についてのこういう報告もあります。

ec0b58c81957b39e39f66f1db0778668.pdf (保護) (nasurie.com)

今回の事故は、
航空機側の聞き間違えに加え、管制がなぜ、見過ごしたか、も気になるところです。

過密な運航や、管制官の過重労働などが原因だとすれば、
いつ同様の事故が起きるとも限りませんから、事故調の結果が待たれるところです。

 

今回の事故で厳しくなったと言うことではないと思いますが、
国交省は、今年5月に航空会社に対し、厳重注意していますが、

 

5件のうち、3件が、管制にかかわる問題でした。
厳重注意で国交省のHPを検索すると、たくさん出てきて、驚きました。

私たちが気づかないところで、国が警告を鳴らしているということです。

 

実際に、羽田空港の事故現場を目視で確認すると、いろいろなことを考えさせられます。
ほかにも、興味深い気づきがありましたので、また、報告しますね。

 

 

1.令和5年11月5日(現地時間)、米国シアトル・タコマ空港において、同社の航空機が管制許可を受けずに滑走路を横断した事案

2.本年2月6日(現地時間)、米国サンディエゴ空港において、他機が着陸進入中に、地上走行中の同社の航空機が誤って異なる誘導路に進入し、管制許可を受けずに滑走路手前の停止線を越えたことから、管制官の指示により他機が着陸進入復行した事案

3.本年4月22日(現地時間)、米国ダラスに滞在中の機長が過度な飲酒に起因して不適切な行動をしたことにより、4月24日(現地時間)に乗務予定の運航便に乗務できず、当該便が欠航した事案(※)

4.本年5月10日、福岡空港において、他機が離陸滑走中に、同社の航空機が滑走路手前の停止線を越えたことから、管制官の指示により他機が離陸を中止した事案

5.本年5月23日、羽田空港駐機場において、出発のためにプッシュバック中の同社の航空機とスポットインのためにトーイング中の同社の航空機の主翼端同士が接触した事案