内陸飛行の騒音測定5個所を1か所に減らした大田区は区民の環境を守る気があるか 測定個所を5か所に戻すことを求める陳情討論

6第32号D滑走路北向き離陸時の内陸飛行の騒音測定を五か所に戻してほしいと願う陳情

に採択を求め、採択の立場から討論いたします。

大田区は、陳情者の指摘する通り、5か所だった騒音測定を1か所に減らしてしまいました。

飛行ルートが変わり、内陸部への騒音影響は大きくなっていますが、コロナで便数が減っている間に、調査をやめてしまうと言うのはひどいと思います。

例えば、

多い高度は、2023年6月22日に委員会報告された内陸飛行騒音調査報告書をみると、表4-5。2に大田区に内陸飛行を行った飛行機の高度の度数分布が掲載されていて、空港に最も近い萩中公園水泳場から、矢口小学校、馬込区民センター、雪がやちゅ学校、石川町文化センターの5か所の高度別つ航空機の高度の度数分布表が割合で掲載されています。

これをみると、一番空港に近い萩中公園水泳場では、2500ⅿで飛ぶ航空機もあり、平成25年から令和3年までをみると、だいたい、3000ⅿから3500ⅿで飛ぶ飛行機が多いと言う結果になっていました。

ところが、内陸部の石川町文化センターや雪谷中学校をみても、一番多いのは3500ⅿから3750ⅿで3250ⅿを飛ぶこともあります。馬込区民センターのデータですと、3250ⅿというのは、意外に多く、空港を過ぎてもさほど高度が上がっていないことがわかります。

また、萩中公園のデータをみると、平成25年から29年くらいまで、2500ⅿを飛ぶことも珍しくありませんでしたが、これが、平成30年くらいから徐々に減っています。

航空機の高度は、必ずしも空港尾に近いから低くしか飛べないものでもないことがこのデータからはわかります。
内陸飛行の調査は、航空機の飛び方を区民がウオッチするうえで非常に貴重なデータだと言うことです。

過去に、横田空域の一部の削減でルートが変わった際にも、区民の苦情と議会の努力と航空会社のご協力で、内陸部の飛行環境が改善された経験があります。

今後、様々な環境変化が起こりうる中、日常的に航空機の飛行状況を大田区が測定し、区民の生活環境を守ることは区の責務だと思います。

特に、昨今では、B滑走路のゴーアラウンドによる、内陸飛行が、区内のみならず、都心部に影響を及ぼすようになっています。

B滑走路北向き離陸のハミングバードでは、離陸直後に急旋回して、南へ離陸するルートをとっていましたが、昨今のたとえばB滑走路西向き着陸のゴーアラウンドは、区内であれば、上池台や北千束地域にまで影響を及ぼすこともあります。

ところが、こうしたゴーアラウンドによる内陸飛行が、内陸部にどのような騒音影響を及ぼすのか、明らかになっていません。

航空機が及ぼす騒音影響は、空港周辺のきわめて限定された区域ばかりではありません。 特に横田空域の一部削減以降のルートが、内陸部に及ぼす影響は、将来にさらなる空域削減や返還になった際の重要な基礎データとなりますから、測定個所を広げるこの陳情の採択を求めます。

 

 

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以下陳情本文

D滑走路北向き離陸時の内陸飛行の騒音測定を五か所に戻してほしいと願う陳情

 

【趣  旨】 2008年9月の横田空域の一部返還、また2010年D滑走路の完成・供用開始に伴い、D滑走路北向き離陸による区内への内陸飛行が始まりました。大田区では、その航空機の騒音、騒音発生回数、運航状況、飛行高度を把握するため、区内五カ所において短期騒音測定を行ってきましたが、今回突然、測定カ所を一カ所に変更してしまいました。 横田空域の更なる変遷、新飛行ルート開始後の複雑化した空で起こる頻繁な着陸復行便の住宅地上空飛行、コロナ禍後の航空需要が戻った今の特に経験者の人員不足によるヒューマンエラー、また、国と大田区で交わされていた文言「神奈川を北上しない」の削除を考えると、区内内陸飛行への不安は尽きません。区民の安心・安全を保つためには、10年間積み上げてきた数字を持つ五カ所での騒音測定を続け、過去の数値と見比べていくことが、今後必要なのではないでしょうか。 どうか北風時の内陸飛行の測定を元通り五か所に戻して頂き、さらに短期でなく常時に、また、南風時A滑走路南向き離陸時の内陸飛行や、A、B、C滑走路の着陸復行等の内陸飛行時の騒音調査も加えて頂きたくお願い申し上げます。

 

【理  由】 2008年9月に横田空域の一部が返還され、また2010年D滑走路の供用が開始されたことにより北風時の大田区への内陸飛行が始まりました。その航空機の騒音、騒音発生回数、運航状況、飛行高度を把握するため、大田区では五カ所(石川町文化センター、雪谷中学校、馬込区民センター、矢口小学校、萩中公園水泳場)にて騒音調査を始めました。 しかしながら、過去10年間の調査期間(冬季一週間)中の北風時運航3日間のデータ(Lden値)は規定内に収まり大きな変化は無く、また全ての航空機が矢口小学校(航空標識KAMAT近傍)において規定内の高度(約2,750m)以上で飛行していたので問題はないとして、今回突然、測定を五カ所から矢口東小学校一カ所へと変更してしまいました。 横田空域の更なる変遷、新飛行ルート開始後の複雑化した空で起こる頻繁な着陸復行便の住宅地上空飛行、コロナ禍後の航空需要が戻った今の特に経験者の人員不足によるヒューマンエラー、また、D滑走路供用時に国と大田区で交わされた文言「神奈川を北上しない」が新飛行ルート開始時に削除され、大田区内をこれ以上飛ばないと約束してくれるものは何も無く、区内内陸飛行への不安は尽きません。区民の安心・安全を保つためには、10年間積み上げてきた数字を持つ五カ所での騒音測定を続け、過去の数値と見比べていくことが、今後必要なのではないでしょうか。

大田区が丁寧に同じ条件下で続けてくださっている騒音測定等の調査は、安心・安全をもたらす区民の宝です。どうか北風時の内陸飛行の測定を今まで通り五か所に戻して継続して頂き、さらに短期でなく常時に、また、北風時だけでなく南風時A滑走路南向き離陸時の内陸飛行やA、B、C滑走路の着陸復行等の内陸飛行時の騒音調査も加えて頂きたくお願い申し上げます。