ショックドクトリンは、いま、日本で起きている! 【テレワーク】を事例に

ショックドクトリンが取り上げられるようになっていますが、ちょっと物足りないと思うのは、今の暮らしと関係がみえないところです。

私は、2013年(平成25年)の内閣官房が事務局の国家戦略特区のワーキンググループの議事録を読んで、「火事場に乗じ(火事場を作ってでも、国の形を変える)ることが大切」だという人たちに国の形を変える権限が移っていると気づきました。

東日本大震災という火事場で、国家戦略特区という仕組みを作ったことで、特区のしくみを使って森友学園、加計学園の問題がおきましたが、誰も、国家戦略特区という仕組みそのものの問題は指摘しません。
まるで個人的な資質のように言いますが、それが「合法」だということこそが問題です。

コロナ、ロシアウクライナ、物価高騰、どれも暮らしに大きな影響を及ぼしますが、起きていることとやっていることは整合性が取れているでしょうか?

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たとえば、

テレワーク

令和 2年 第3回 定例会-09月11日-02号 (gikai-ota-tokyo.jp)

令和 3年 第3回 定例会-10月13日-04号 (gikai-ota-tokyo.jp)

 

家庭と仕事の両立通勤時間の短縮ばかりに焦点が当てられましたが、

結果、何が起きたかと言えば、

企業は、負担すべきオフィス面積が大幅に減って、利益を増やしました

しかも、

労災認定は労働基準法上明示される就業の場所が大切ですし、
就業空間、オフィス機器、文具、通信、光熱水費、、、など、

労働基準法上明示される就業の場所
・企業側が準備していたオフィス環境を誰(雇う側・雇われる側)がどう負担するか

などは、

「あらかじめ労使で十分に話し合い、ルールを定めておくこと」

 

と書き込まれただけでした。

(「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」の委員を務められた濱口桂一郎労働政策研究・研修機構労働政策研究所長にうかがいました)

労働者の側に立って、法整備する国会や行政が、その役割を放棄し、
労使の話し合いに丸投げしたのです。

 

話合いだけでは、
労働法制を熟知する使用者に有利で、昨今は労働運動も縮小していますから、
労働者の権利保護法制の知識に欠ける大半の労働者に不利だと思います。

 

今も、コロナが流行っているという報道が出るたびに、
その陰で何が画策されるのか、と身の引き締まる思いです。

以下、
議会で取り上げた議事録のリンクと本文を掲載しておきます。

令和 2年 第3回 定例会-09月11日-02号 (gikai-ota-tokyo.jp)

令和 3年 第3回 定例会-10月13日-04号 (gikai-ota-tokyo.jp)

 

 

コロナに乗じて社会を変革させる動きは、医療や産業構造だけではありません。コロナという国民の火事場に乗じ、いつの間にか進められている一つにテレワークがあります。テレワークはコロナの前から議論されていましたが、何より問題なのは、労働基準法上、明示される就業の場所が広がることによる労災の認定の在り方や、これまで企業側が準備していたオフィス環境を誰が、どういった形で負担すべきかについて、労働者の立場に立って法整備するのが国会と行政の役割ですが、議論と法整備がほぼないことです。これからのテレワークでの働き方に関する検討会の委員を務められた濱口桂一郎労働政策研究・研修機構労働政策研究所長に伺いましたが、ガイドラインにあらかじめ労使で十分に話し合い、ルールを定めておくことが書き込まれただけなのだそうです。話合いだけでは、労働法制を熟知する使用者に有利で、昨今は労働運動も縮小していますから、労働者の権利保護法制の知識に欠ける大半の労働者に不利だと思います。
それだけでなく、本来、オフィス環境を提供するのは使用者側ですが、ただでさえ狭い日本の住環境の中に就労機能まで入れるのであれば、建築基準法の1人当たりの面積の改定や住宅費補助の法整備なども当然制度として国が整えるべきですが、全くありません。これでテレワークが進めば、企業はオフィスの費用負担を株主利益として確保できますし、テレワークは自宅だけでなく、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務もテレワークと位置づけていますが、そうした場の整備を税投入して行うという議論まであります。本来、企業が自己責任で負担すべき費用を税で肩代わりして、企業の株主利益が増大する構図ですが、労働者は自己責任と自己負担で、最悪、就労の場が明確に位置づけられない働き方は請負として位置づけられてしまうかもしれません。ここへの議論はあまりにも希薄です。
その上、総務省が東京一極集中を是正し、地方への人口移転を目的に、DXとセットでテレワークを推進しています。大田区がテレワークを進めるなら、労働基準法上、明示される就業の場所が広がることによる労災の認定の在り方ほかの議論を十分行った上で導入すべきですし、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務における費用負担や住宅費補助の考え方の整理が必要です。そもそも人口移転後の人口や税収や財政需要のシミュレーションも総務省はしていないため、大田区が進めれば、税収や区民需要の急激な変化に対応できず、区政に混乱をきたし、区民に不利益なのは明らかですが、決算委員会で私が取り上げた後も大田区はテレワークを推進すると答弁しています。ほぼ思考停止で、大田区だけの責任ではありませんが、この国は本当に大丈夫なのか、心底心配です。

 

次は、DXを取り上げてみようかと思いますが、あまりに範囲が広いので、デジタルマネーにしようと思います。

以下、上記の質問に続く、議事録です

投資家利益増大のために、コロナに乗じて社会システムを急激に変革させようとしているのが、決算委員会で取り上げたDX、デジタルトランスフォーメーションです。もともと企業のシステムの老朽化を解決するための方策として経済産業省が立ち上げたデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会の議論の中で提案されたもので、2025年を目途にシステム更新しなければならないと書かれています。この2025年という期限は、国家戦略特区のスーパーシティが法制定から事業化までに5年かかると内閣府の室長が説明していた期間とぴったり一致します。スーパーシティという一元化されたデータ基盤を使うことを事業者に許す仕組みをつくっても、一元化された基盤がなければ運用できません。DXで企業間標準システム基盤をスーパーシティで認定された事業者が使えるようになるというのがここでつながるわけです。