東京は経済のけん引役?オリンピック招致に財政力アピールする都/国に支援を求める区【都議選の争点③】

都議選の争点については、こちらの記事と併せてご確認ください。

⇒23区の地方分権は、まず東京都からの分権【都議選の争点①】

⇒東京23区大田区における保育園待機児対策の論点~進まない待機児対策、本当の理由【都議選の争点②】

議会改革「一言一句シナリオ通りの朗読大会?」【都議選の争点④】


【日本の経済の中心・経済のけん引役首都東京の不安】

東京都、中でも23区が日本の経済の中心と言うのは、誰もが認めることです。 「経済のけん引役」といった言われ方もしています。
ところが、その東京、しかも23区で保育園の待機児の問題が深刻です。
区内の特別養護老人ホームに入れず、地方の施設を選ばなければならないことさえあります。
果たして、東京は日本の経済のけん引役になっているのでしょうか。

【経済のけん引役東京23区が国に財政支援を求める!?】

けん引役というからには、東京の経済が日本の経済を活性化させ、そこから得られる税収で日本を潤しているということでしょう。 ところが、その経済のけん引役もけん引役の東京の中心、23区で、他の自治体の面倒をみるどころか自分のことも満足にできません。
それどころか、23区は、地価や賃料が高いことを理由に、国に保育所整備のための財政支援を求め、国もそれを認めてしまいました。
これは、非常におかしな話です。
土地が高いことによる税収はそのまま自治体財源としているのに、足りないからと国債を発行して「借金」をしている国に財政支援を求めているのです。

【国のいう財政支援を必要としない「不交付団体東京」の意味】

しかも、国は、「東京都と23区」を国の財政的な支援を必要としない「不交付」団体として認めています。
国の認める「不交付団体」とは、何を意味しているのでしょうか?
財政支援を必要としない「不交付団体」と認めながら、「土地が高いから補助金ちょうだい」と言われれば、はいどうぞという理屈はどこからきて いるのでしょうか。
基礎的自治体の財源は、基本的には、
■ 固定資産税■ 法人住民税 ■ 住民税
でまかなわれています。
東京23区は、 ■日本で一番土地が高い地域ですから、固定資産税が豊か。 ■日本の企業がたくさんあり、さらに大企業の本社が数多く位置していますから、法人住民税も豊か。 ■しかも、人口も一番密集している地域ですから、住民税も多い。
だから、財政が豊かと国が認めているわけです。
東京都はよく、法人住民税は景気に左右されやすいと言いますが、なかなか表には出ませんが、固定資産税が景気に左右されにくい財源です。

【都区合算の意味】

一方で、国が、「不交付団体」として認めているのは、東京都と23区を合算しているからで、本来であれば、23区が国に財政支援を求めた場合、国は、東京都も含めて、財政支援が必要であるかを判断すべきです。

【東京都の財政力の強みをアピールする猪瀬知事】

最近、猪瀬都知事は、2020年五輪招致プレゼンにおいて、東京が財政の強みをアピールしたと報道されています。
資金面での確実性を示すために、「われわれは45億ドル(約4500億円)の開催準備金をすでに積み立てている。これはキャッシュで銀行にある」と述べています。
東京都が積み立てた45億ドル(平成25年度1月末現在の積立基金の状況では、4126億円となっていて、25年度予算で31億円計上  http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2013/02/70n2d139.htm

 

【都区合算で不交付団体でも、23区は国にSOS】

都区合算で不交付団体で、その東京都がオリンピックをするほどの余裕があるなら、なぜ、23区は、東京都に財政支援を求めないのでしょうか。
どうして、国は、23区に対して、お門違い、まずは、東京都に財政支援を求めよと言わないのでしょうか。

【来年からの消費税増収分はどこへ?】

しかも、来年からは、消費税が8%になる可能性が非常に大きくなっています。
私は、現状で消費税を上げるべきではないと考えていますが、消費税は、社会保障のために上げると、国も言いましたし、大田区においても区長もそのように答弁しています。
消費税が来年から上がるのであれば、今年度分を基金などから、取り崩し、緊急対応するだけの余裕も23区にも東京都にも無いのでしょうか。
来年、消費税が上がったら、国の財政措置は、無くなる時限的財政措置なのでしょうか。
消費税が上がると、東京都では、10%になった場合の試算で2200億円。大田区では、200億円の増収が見込まれています。
消費税が上がった場合に、社会保障と言いながら、別の分野に使われてはしまわないでしょうか。

【都と区を使い分け、最後は借金か?増税か?】

都合の良い時には(オリンピック招致など)東京都の財政力が強くなり、都合が悪くなれば(保育園の待機児問題など)財政が悪くなって国に財政支援を求める。 しかし、その国は、半分が借金(国債)でまかなわれています。
都区合算でありながら、都と区を都合よく使い分け、結局は、増税へと誘導し、増税しても名目である「社会保障」には使わないという図式がここに現れてはいないでしょうか。