大田区でも田園調布せせらぎ公園と鵜の木一丁目緑地の用地購入にあたり、平成18年2月中旬募集を目指した公募債発行の準備を進めています。
自治体の資金調達方法の多様化と市民の区政への参画意識を高めることを目的に行っている公募債ですが、松山市で行ったアンケート(複数回答可)では、利回りの有利さを購入の理由に上げた方が最も多く73%。地域のためと答えた方は、それに次ぐ46.6%。他の金融商品より安心を理由に上げた方が三番目で42%でした。
松山市の例でも、他の金融商品に比べ金融機関への手数料相当分や、債権の印刷費用、加えて行政職員等の人件費を加えれば、他の資金調達に比べ、必ずしも、行政の資金調達手段としては、有利な商品とはいえません。
こうしたまちづくり債のメリットは、やはり、区政(市政)への参画意識を高めることであると思います。
しかしながら、松山市のアンケート結果からは、半数弱が地域のためと答えているものの、大半は利回りをその理由の一番にあげていることや、応募者の年代構成を見たとき、60代が最も多くなっていること。また、応募額も上限である200万円が圧倒的に多いことなどをみていると、有利な金融商品としての位置づけだけではなく、本来の市政参画意識向上のためのしくみや仕掛けが必要であると感じました。
松山市の方に、市民の市政参画意識を高めるため、この「まちづくり債」募集に当たってどのような方策をとられてか伺いましたが、何もしていらっしゃらなかったのは、大変残念でしたし、大田区では、単なる大田区の財政を使った利息の上乗せにならない仕組みが必要です。