参政権保障について〜聴覚障害者の事例から〜

区民大学[福祉講座]〜「参政権保障」って何?〜に参加しています。

政治に参加する権利=選挙権、被選挙権のうち、投票する権利である「選挙権」を、障害があることにより行使できないことのある現状と、「参政権保障」のために行うべきことについて学ぶ講座でした。

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参政権を行使できない要因として

①行けない=肢体不自由者など
②書けない=視覚障害者・肢体不自由者(脳性マヒ)など
③判断できない=広報が読めない(視覚障害者)
       =遊説など音声情報が入らない(聴覚障害者)

などが考えられるが、障害があるために参政権を奪われているのは「差別」であると考えられます。

公職選挙法では、政見放送での「読み取り通訳」は認められていませんし、街頭演説において手話通訳は認められていますが、費用は候補者持ちとなっており、手話通訳をつける化否かは候補者の任意に任されています。
また、街頭演説における、要約筆記やノートテークは認められていますが、OHPは違反になります。

障害者の参政権保障にはまだまだ遠いのが現状です。

例えば、大田区で今年の4月に過去行われた選挙において手話通訳を配置した候補者数と手話通訳者数は次の通りです。

              配置候補者数  対応手話通訳者数
2011年 区長選挙・区議選  7人       13人

ちなみに、私は2回手話通訳付きの遊説を行っています。
そのうち1回は大田・生活者ネットワークの北澤議員と一緒の遊説ですから、候補者数のうち2人と13人の手話通訳者のうち4人は私たち大田・生活者ネットワークの議員がお願いしたということになります。

聴覚障害の方が、候補者が手話通訳付きの遊説を聞きにいけるわけではありません。
全ての聴覚障害者にお伝えする方法はありませんし、お伝えできたとしても現状の1回か2回程度の手話通訳付き遊説と日程があうとは限らないからです。

障害者の参政権の保障が十分ではない状況がある一方で、そもそも参政権は十分に保障されていると言えるでしょう。

インターネット使用は、選挙期間に限っては認められていないと解釈するのが現状ですし、選挙期間になると、例えば地方自治体の議員選挙では、選挙公報以外の公報配付物=チラシは認められていません。

また、日本の政治の場面では、政策で選択するというより個人の人柄も含めた資質などが重んじられる傾向があるのが現状です。

こうした状況が、選挙期間中の名前の連呼につながり、さらに、選挙を政策選択から遠ざけていってはいないでしょうか。

私たちは、社会のルールを決めるにあたり、選挙による代議制を採用しています。

政治が機能していないと感じる場面があるとするならば、この選挙のありかたというのも、その理由のひとつになってはいないでしょうか。