都営アパートアスベスト囲い込み工事に飛散防止策は不要だったのか:東京労働局との懇談より

大田区にある都営下丸子アパートでは、現在、スーパーリフォーム工事と同時に天井に吹き付けられたアスベストに係る工事を行っています。アスベストを飛散させない工事が行われなければなりません。

都営下丸子アパートの飛散性アスベスト工事について、安全の確保された工法について、確認をするために東京労働局に行きました。

確認したかったことは、下記2点でした。

①ひる石(飛散性アスベスト)が使用されている天井の「封じ込め」工事はアスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)が必要ではないか
②ひる石(飛散性アスベスト)が使用されている天井の「囲い込み(穴を開ける)」工事はアスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)が」必要ではないか

東京労働局との懇談について報告します。

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懇談は、8月8日15時から東京労働局の会議室において。下記8名と私、そして、東京労働局から2名で行われました。

・下丸子都営アパート住民2名
・中飛腫・じん肺アスベストセンター事務局長 永倉冬史さん
・環境ジャーナリスト 井部正之さん
・大田区議会議員 北澤じゅん子さん
・弁護士 3名

下記2点について、

①ひる石(飛散性アスベスト)が使用されている天井の「封じ込め」工事はアスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)が必要ではないか

■東京労働局との懇談から

アスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)は必要。

②ひる石(飛散性アスベスト)が使用されている天井の「囲い込み(穴を開ける)」工事はアスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)が」必要ではないか

■東京労働局との懇談から

アスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)は必要。

今回の懇談により、都営下丸子アパートで行っている封じ込め作業は、アスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)が必要で、その後行う、天井囲い込み工事にもアスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)が必要ではないかということが判明しました。

アスベストセンターが持参した石綿作業主任者テキスト参照

仮に、囲い込み工事ではなく、化粧ボードを張る工事であると解釈しても、封じ込め作業にアスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)が必要なことに変わりは無く、負圧、除じん、防御服・マスク等々をしなくて良いことにはなりません。

しかも、今回の石膏ボードをはる工事が囲い込み工事であることは、過去(2006年)に行ってきた98棟のボード張り工事が、囲い込み工事で会ったことからも明らかです。

東京都は、都営住宅の囲い込み工事に関する記録をHP上から削除しているようですが、私のこれまでの報告だけでなく、たとえば、

住宅公社のレポート(p29(2)アスベスト対策取り組み動向1)都営住宅)

http://nasu.seikatsusha.net/pro-board/file/1344462177.pdf

江東区のHP

http://www.city.koto.lg.jp/pub/faq/faq_detail.php?fid=4356

などからも確認することができます。

東京都が公表したことが、こちらのHPからもわかります。

http://refoweb.exblog.jp/3047993/

今回の下丸子都営アパートのアスベスト対策で必要なことは、化粧ボード張りか、囲い込み工事かの言葉の解釈による法の適用の問題ではなく、飛散防止策を十分に採用した工事をおこなえるかどうかです。

にも関わらず、法令遵守を指導する立場にある、大田区、大田労働基準監督署、東京都から受託を受けている東京都住宅供給公社が法解釈に腐心し、安全策を二の次にしているようで仕方ありません。
当然、所有者である東京都の責任は重大です。

東京都が過去に行った都営アパート98棟の天井ひる石(飛散性アスベスト)囲い込み工事は、アスベスト対策(負圧、除じん、防御服・マスク等々)を行っていません。
しかも、これらの工事は、居住しながら行われています。

東京都は、周りぶち工法と呼び、石膏ボードを天井の周りぶちで支えるため、穴をあけないと説明しましたが、現実に重い石膏ボードの天井を、周りぶちだけで支えることは現実的ではありません。
その後の東京都や東京都住宅供給公社との懇談で、周りぶちだけで重い石膏ボードをどう支えるのか確認してきましたが、それには一切答えることが出来ませんでした。

今回の労働局との懇談で、都営アパート98棟の天井囲い込み工事において、違法な工事が行われた可能性が高いことになります。