”天ぷら油の廃油”で走るバスに乗って《写真添付》

自由が丘を走るサンクスネイチャーバス

 選挙期間中、天ぷら油の廃油で走る車に乗って、大田区内を走りました。
 食用油は、年間200万トン生産されますが、そのうち約40トンが廃油になっています。
 業務用の廃食用油は約20トンで、その90%が家畜の飼料、石鹸や塗料の原料としてリサイクルされてきました。しかし、これらが安価な輸入原料に押され、回収された食用油のだぶつきが大きな問題となっています。
 また、家庭から排出される約20トンには、リサイクルのシステムがありません。(揚げ物に使った油は炒め物で使いきるのが理想です。)
 
 こうした、ごみとして焼却されたり、不用意に下水流されたりしている廃食用油の有効利用の一方法として、廃油を燃料としてリサイクルし、地域の送迎バスとして自由が丘周辺を走っているのが【サンクスネイチャーバス】です。(100リットルの廃食用油から95リットルの燃料(VDF:ベジタブル・ディーゼル・フューエル)が生まれます。このVDFは、そのままディーゼル車に使うことが出来ます。)
 
 駅から少し離れた地域に点在する商店主と地域の住民が、サポーターになって費用を負担し、このバスの運営を支えています。誰でもサポーターになることは出来ますが、サポーターでなくても、バスを無料で利用することが出来ます。

 排ガス中の汚染物質については、ものによっては軽油より多く排出されるものもあり、『クリーンエネルギー』と呼ぶには改良が必要です。海外(フランス、ドイツ、アメリカ)でも、食用油を燃料にした車が走っていますが、使用されているディーゼル燃料は、廃油リサイクルではなく、バージンオイルから作られています。国内で使用されている廃食用油も、精製方法などによって質がかなり異なるようです。  
 
 《このバスのメリット》は 
  ◎廃食用油の有効利用(家庭から出る食用油の回収ルートを地域
             で確立出来れば、尚、良い)
  ◎地域のニーズで新たな動線を作り出せる
といったことでしょうか。

 サンクスネイチャーバスを走らす会では、家庭の廃食用油の回収をしていますが、お中元・お歳暮で余った(賞味期限切れを含む)未使用の食用油の提供が多いそうです。家庭の廃油の回収ルートを作り有効利用しようとするのは、なかなか難しいですね。