東京都主催のリニア中央新幹線環境影響評価準備書についての公聴会各公述人意見

東京都主催のリニア中央新幹線環境影響評価準備書についての公聴会が開催され、6人の公述人の一人として発言しました。

25人の募集が有り、6人が応募。その6人全員が発言しました。

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①非常口近くの自治会長

地域の現状について、地域が良好なコミュニティーを維持していることを説明。
そのうえで、リニア計画に反対するものではないが、非常口が出来ることで、地域コミュニティーが崩壊するのではないか。
非常口計画地は、家族寮であり、地域社会に大きく貢献している。
活力ある住民を消滅させない。防災機能の維持向上を求める。

②日本環境学土壌汚染問題WG長 坂巻 幸雄 氏

環境影響評価準備書が送付されたが、重さ3.9㎏厚さ8.2㎝。机上で該当ページを開くのも容易でない。普通なら3~4冊に分冊にするところ、1冊にしたのは、「読者に理解してもらう」のではなく「文句を言うな」という姿勢に見える。
大深度地下利用は、特に地下水において問題。トンネルに漏水効果が有ると必ずしも言えばい。総武線馬喰町の漏水、武蔵野線新小平駅の水没事故などからも明らか。
岩石中に含まれているヒ素がトンネル施行に伴い発生する可能性がある。それに伴い、地下水の酸性化や酸欠空気の発生も同時に懸念されるが追加調査されていない。

品川名古屋は、在来新幹線で95分、リニア40分だが、東京大阪なら品川名古屋の乗り換え時間10分×2=20分を加えれば、その優位性は、15分に過ぎない。
北陸新幹線、湖西線併用の方が優位。
大深度地下利用という基本的スキームを変えるべき。

③都民

クエンチがおきる可能性がある。
微気圧波により爆発音が生じるのではないか、防止するために非常口のふたを閉めるというが、ふたが吹き飛ばされたり、通り過ぎた時の陰圧で、吸い込まれるのではないか。
造山運動により、一年に4~5㎜隆起するので、トンネルも一緒に隆起し断裂が生じる。
沢水が枯渇する。

⑤都民

電磁波の評価が、不十分。
静磁界と変動磁界両方の測定が出来ていない。
上海の新幹線は周波数別に情報を公開しているが、山梨での実験結果も公開されていない。
たとえば、50ヘルツなら基準値をこえている。

環境影響評価準備書には、電磁波への影響についてのデータは公表されていなかった。
準備書が出来上がった後で、出されてきたが、出さない部分があるうえ、基準値がNCIRPの0.5の倍。
情報公開させ検証しなければ実用化はあり得ない。

⑥都民

夢の技術と思ってきたが、自然環境への影響が大きい。
一度失った自然は戻せない。

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ちなみに、
④番目の私の発言は下記の通り。

http://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/387a78fabcad988ef10c362f5af7b674

私の発言に対し、審議会の会長は、
「何を一番、東京都に言いたいか」と質問

自然環境など心配はあるが、東京都の責務の部分で言えば、最終処分場の問題もあり、廃棄物対策と答えた。

これは、私の発言を見ていただけばわかると思うが、オリンピックやアジアヘッドクオーター特区(国家戦略特区)、耐震対策などのアベノミクス等により、東京都から排出される廃棄物の全容を東京都が把握しているかという問題でもある。

個々に計画はあっても、いざ、廃棄物を処理しようとしたとき、処理、処分場が確保できなければ、不法投棄にもつながるし、都民最後の処分場と言われている中央防波堤埋め立て処分場の残余年数を縮めることになるかもしれない。
経済計画が動脈なら、静脈が廃棄物処理。動脈だけで血液は循環せず、そこには必ず、静脈が必要になる。

処分先どころか、処理方法と処理量も決まっていないリニア中央新幹線の環境影響評価準備書について、東京都がどのような意見を添えて提出するのか、これは、経済循環の問題でもあり、都民としては注目しなければならないところだ。

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